プーチンの黄昏

安全保障常任理事国にあるまじき行為に出た、このツケは大きい   マーケットだけでなく世界情勢全体がウクライナ問題に左右されている。より正確には、狂人化したプーチン大統領の胸先三寸になっている。   ロシアがウクライナへの全面的侵攻を開始した時点から、国連の安全保障理事会を頂点とする軍事的秩序維持の「システム(全体的な体系)」は崩壊した。拒否権という絶対的

続きを見る

ウクライナ人の結束が望外の援軍を招く

ロシア国内の反対運動と中央銀行の外国預託金封鎖でプーチン支持が急低下   筆者は、プーチンのことだから十分な下工作を打っているはずであり、圧倒的優位な軍事力を持つロシア軍がウクライナに侵攻すれば、防衛側は無駄な血を流すほどの抵抗はせず、比較的穏便かつ早いタイミングでキエフの陥落が終了し、(けして望ましいことではないが)ロシアが実質的支配権を奪うと思っていた。  

続きを見る

映画「天井桟敷の人々」と「脱炭素」という誤りのために消費税20%に当る負担を負うわが国。そしてバフェットの買った商社株(第1105回)

「天井桟敷の人々」は、映画史上屈指の名作の一本。高校時代に観た時の感動は忘れない。 私が最近知り合ったファンの方に、ブログにフランス映画の取り上げが少ない、と言われた。  また、先日NHKのBS放送で放映していたので取り上げることにした。  お話はパントマイム役者のバチスト(ジャン・ルイ・バロー)と、美女ガランス(アルレッティ)が 好き合っていても一緒になれない。まさに悲

続きを見る

基本の話by前田昌孝(第2回)

誤解しないでほしいが、株式投資の勉強が無意味だなどと主張しているわけではない。勉強することと、高いリターンを得る可能性が高まることとは別問題というのが、筆者の考えだ。勉強すれば、証券会社や資産運用会社などに高待遇で雇われる機会に恵まれるかもしれない。しかし、株価の先行きが的確に予想できるようには、ならないだろう。 ある論理が間違っていることを示す証明方法として、「背理法」がある。高等学校の

続きを見る

保険貧乏にならない知恵を身につけよう ~ 貯蓄型生命保険はNG ~

日本人は、海外と比べると相対的にずいぶん貧しくなったと言われる。とくに米国との比較で明白だ。国民の資産(家計金融資産)を日米で比較すると、 ・伸び率はこの20年間で米国は3.3倍に増加したのに対し、日本は1.5倍※1。 ・1人あたりの正味資産(資産-負債)は、米国が約36万ドル、日本が約20万ドル(図1)。 という有り様である。 ※1 日銀作成の資金循環表による、1995年から

続きを見る

「失われた30年」のナゾ

2022/02/27 | その他

新型コロナウイルスに見舞われてすでに2年。いまだ収束の気配はありませんが、世界経済は今後どう展開してゆくのか、その中で日本経済はどうなのか——。四半期ごとに世界経済見通しを公表しているIMF(国際通貨基金)が、1月25日に改定見通しを公表しました。 それによりますと、世界経済の成長率(実質:以下同じ)は2020年は3.1%のマイナスでしたが、2021年はプラス5.9%(実績見通し)と比較的

続きを見る

ウクライナ問題は面倒くさいだけ、危機回避は十分可能

プーチンの念願はウクライナのNATO入り阻止   ウクライナはモンゴルの侵略以後、様々な周辺強国の支配下にあり、国家として強い一体感を持つような歴史を持っていなかった。ロシア革命に乗じて、1918年民族主義国家としてのウクライナが独立したが、支配権をめぐって人民共和国軍、ソビエト赤軍、ロシア帝政派の白軍、白軍を応援する仏英ポーランド連合、無政府主義の黒軍、ゲリラ部隊の緑軍が入

続きを見る

PAGE TOP ↑