「 木村喜由 」 一覧

日本の政治が健全化に向かいつつある、株価にもプラス

選択肢が明瞭になると国民は正しく選択できる   逢坂剛といえば刑事ドラマになった『MOZUシリーズ』で売れたが、仕事場の界隈を舞台にした凸凹警官コンビの『お茶の水署シリーズ』も捨て難い味がある。その一冊に『恩はあだで返せ』というのがある。今回のテーマは政治に絡めたこの言葉である。甘利氏に引っ掛ける意図はなかったが、今回の選挙を受けて余りにもそういう要素を含んだ事件が多発してい

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イベント直後の動きはしばしば大反転するので注意

急速に強まってきた岸田氏の政権基盤   衆議院選挙はほぼ筆者が予想していたような結果となった。甘利幹事長が小選挙区で負け、幹事長を辞任する運びになったことは、個人的には複雑な気分だ。安倍・麻生・甘利の3Aとか一緒くたにされているが、甘利氏は女系天皇容認、ジェンダー問題でも柔軟な姿勢で安倍氏の右翼国粋主義とは明確に異なる。成長戦略についての認識ではベテラン中では最右翼であり、岸

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足元の相場はイレギュラーバウンド、金利上昇が接近中

投機筋の仕掛けに英中央銀行の利上げ見送り、OPEC決定が重なる   過去15日の取引日でSP500は13勝2敗。強い横綱クラスの勝率である。原動力となったのは米10年債利回りの低下で、ピーク1.705%から1.436%まで急落した。9月期決算の好調が報じられる一方で金利が大きく低下したのだから、理屈の上では株価が上昇しないはずがない。   子細に動きを見

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選挙後の岸田政権とバイデン政権の政策に注目

世界の潮流は「減税・規制緩和」から「増税・適切な私権制限」にシフト   初めにご連絡することがある。このマーケット通信は20年前の6月に創刊し個人投資家協会へのボランティア活動として年100本のスケジュールで提供することにしていた。その後、執筆のためにカバーすべき分野や市場が大幅に広がり、データ入力の作業も増加する一方で筆者の年齢も上がり、相応に活力は落ちている。結果として1

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これから増配・自社株買いが増えるだろう

企業の資産ガバナンスに厳しい注文   9月末に四半期決算を迎える企業の決算発表が始まった。225銘柄では中外製薬を皮切りに本日3社、明日15社、28日16社、29日24社。会社数ではこれで3割だが、最も注目度の高い半導体・電子部品、総合電機や機械大手がほぼ出揃うため、決算全体の様相はこの段階で7割方決まると思われる。利益や時価総額比重の高い自動車、総合商社、銀行はまだだが、こ

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中国は来年大幅マイナス成長に

不動産投資が激減し輸出が伸びなければ当然そうなる   7-9月の中国のGDPが前年比4.9%増と報じられた。4-6月比では0.2%増だという。筆者は中国のGDP統計や不良債権比率など、当事者の改竄が可能な数値は信用していないが、変化の方向性を知る指標としては重視している。先進国でも財務関係の粉飾は珍しくなく、国民に情報開示がなされる外部機関のチェックがなされない政治体制では数

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超金融緩和の反動がこれから始まる

最重視すべきは米国10年債利回り、年末2%、来年末3%目指す   内田樹(たつき)という評論家がいる。日本の歴史や国民性をよくわきまえた鋭い指摘をする人だが、「実現しなかった未来」を一度考えてみるとよい、という彼の主張は好きである。歴史の分岐点で、AでなくBだったら、その後どうなっただろうと考えてみる。その線で、もしコロナ禍が起きていなければ、世界は、マーケットは、どうなって

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