「 岡部陽二 」 一覧

円安局面は外貨建て証券投資で乗り切れ

米国株や全世界株が人気を集めている。本年1月の「NISA投信」への資金流入額は1.3兆円、このうち7割が外貨建てという。 しかし外貨建ての証券投資に当たっては為替リスクを考慮に入れた総合的な判断が必要となる。証券投資は、長期継続を前提として、ポートフォリオ全体に占める外貨建て証券の比率を最低でも3~4割はキープし、その比率を毎年状況を見ながら少しづつ上下させるのが望ましい。 その前提と

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公的介護保険は縮小・廃止を

公的介護保険制度は2000年4月、家族の負担の深刻化や寝たきり老人の増大などを背景に始まった。それまで犠牲的におこなわれていた家族介護の社会化を図った画期的な施策であった。 要介護・要支援といった評価基準を設け、デイサービスや介護ヘルパーなどを保険適用のサービスとして明確にしたのがポイントである。この公的保険制度が契機となって、医療などと同様の福祉サービスとして介護が有償で提供されるようになった

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資産運用立国には運用資産規模の急拡大が先決

岸田政権は資産所得倍増プランを掲げ、2023年度の骨太方針で「資産運用立国」を目指すと宣言した。所得ではなくなぜ「資産所得」の倍増かというと、めざす先には持続的な株高、持続的な経済成長がある。金融庁資料(2023年10月3日)の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」には「我が国の家計金融資産の半分以上を占める現預金を投資に繋げることで、持続的な企業価値向上の恩恵が資産所得の

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新しいNISAが抱えている課題はなにか。

NISA(少額投資非課税制度)がリニューアルして新NISAとなり、来年(2024年)1月からスタートする。岸田政権が打ち出した「資産所得倍増プラン」の始動と言ってもいい。証券会社や銀行は新NISA口座の獲得に向けてキャンペーンを派手に繰り広げている。 新NISAでは非課税期間が無期限となり(つまり運用益が生涯非課税となり)、制度が恒久化されるともに、投資できる金額の枠が大幅に拡大する。来年か

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“株式売買手数料ゼロ”は個人投資家への福音か

ネット証券2強のSBI証券と楽天証券が先月(2023年10月)以降、相次いで日本株の売買手数料を原則無料にした。 SBI証券が売買手数料ゼロ化を宣言してから4年。北尾吉孝会長の率いるSBI証券と、三木谷浩史会長率いる楽天証券、それに公正取引委員会も巻き込んで議論が長引いたが、これに決着がついたものである。 米国ではロビンフッドが2015年に株式売買手数料を無償化して以来、追随する証券会

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投資の壁は「単元株制度」にある? 政府・東証は即時廃止の決断を。

岸田政権が目指す「貯蓄から投資へ」は実現するのか。 政府はNISAの恒久化と積立限度の引上げを一挙に行い、個人投資家の株式投資支援に舵を切った。NISAの恒久化は高く評価されるが、政府・東証には若者が気軽に株式投資ができる制度を整える環境の整備にもう一汗かいていただきたい。それは、100株を最低売買単位と定めた「単元株制度」の廃止である。単元株廃止と並行して株主総会プロセスの全面的電子化(ウ

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東証は「PBR1倍割れ」を徹底的に撲滅せよ

投資業界紙は本年3月、『東証と岸田政権共催の『PBR1倍割れ銘柄撲滅キャンペーン』がいよいよ本格的にスタートする」と伝えた。 プライム市場上場企業の5割、スタンダード市場の6割がPBR(Price Book-value Ratio、株価純資産倍率)1倍割れを起こしており、ROE(Return on Equity、自己資本利益率)に至ってはわずか8%未満であるという現状に対して、東証が改善のメ

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