【初・中級者向き】大河ドラマ「西郷どん」とこの急落相場の反転時期

公開日: : 最終更新日:2018/12/25 マーケットEye, 無料記事 ,

 ついに城山で西郷隆盛が死に、大河ドラマは終わった。私としては珍しく録画も使って全部観た。主役の鈴木亮平が適役だったし、島流しの時の妻の愛佳那を演じた二階堂ふみは私のごひいき。何よりも西郷ご本人の、僧月照との入水事件以来、西南戦争に至る「緩慢なる自殺」志向が、演出で画面に出ていたのが面白かった。

「西郷という人物がいなければ今の日本の姿はない」(磯田道史「素顔の西郷隆盛」)。

 たしかにそうかも。私は勝海舟がいたから今の日本があると思っているが、
まあ母方の先祖が旗本だったから、身びいきがあるかも知れない。

 西郷は島津斎彬という名君に見いだされ、その主君の死後も尊敬し続け、弟の久光を「地ゴロ」(田舎者)」呼ばわりして沖永良部島に遠島になるほどだった。右顧左眄しない強さを持っていた。

 来年の見通しを立てる時期に入ったが、私は大反省している。何しろ2018年1月3日刊行の拙著「日経平均3万円 だから日本株は高騰する!」を出版したのだから。私は「曲り屋」だ。

 理由はある。その前の年の2017年10月2日から10月24日まで、日経平均株価は16連騰を記録した、とか。史上空前の連騰である。また2万1000円には大きなカベがあり、これを抜いた、とか。超強気になるそれだけの理由があった。

 いまとなっては言い訳でしかない。

 しかし、2018年10月4日のペンス米国副大統領の「対中覇権戦争の開戦宣言」以来、時代が変わってしまった。ま、言い訳にもならないか。
 
 5月だったらしいが、中国人民軍が米国をカンカンに怒らせた事件があった。
 米国が誇る11隻の空母。これが仮に無力化されたら、覇権なんて夢のまた夢。これが119機のドローンで特攻攻撃を行う模擬戦争を中国人民軍が、実験して見せた。これで中国は米国の虎の尾を踏んでしまった。しかも完全に米国の技術を泥棒チップで盗んで、堂々と成果を誇示した。

 米軍はその前に110機での実験は成功していたらしいが、わざわざ119機でやってのけた。なぜ?911の逆でしょ。これで米国中がアタマに来た、と私のワシントンのソース。

 「曲り屋」が予想をブログに書いても信じてもらえないだろうから、当たっているテクニカルアナリストの、すぐに判断できる見方をご紹介しよう。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ・テクニカルアナリストの宮田直彦さんが21日に私に送ってくれたメモをご紹介しよう。
 ごく簡単に。
① 日経平均は歴史的底値圏。21日の日中の日経平均PERは11・3倍以下。これはTOPIXが大底をつけた2012年6月4月日の10・59倍に近い。
② この2012年6月のTOPIXは692で、宮田さんのエリオット波動の見方では強気相場の起点。この波動説に従えば「TOPIXの年末値が1450を明確に下回らなければ、いよいよ「サード・オブ・サード」と呼ばれる上昇相場に入る」。
そして「悲観の中で強気相場は生まれ「2019年は新たな強気相場元年か」と。

 それではTOPIXが1450を下回り続けたら?それでも.「少なくとも当面の底入れは接近しているとみられる」と。

 そして宮田さんが「元号が改まる19年は新たな強気相場の元年として大いに期待される」とした。私も期待したい。

 西郷さんが西南戦争の時も自分で書きうつして作った「言志禄(佐藤一斉)」を持ち歩いていたそうな。その中の言葉を現代語訳で。

 「人の一生は順調に進むばかりではない。むしろ、うまくいかないことが多く、苦難の道を進むことの方が多いかもしれない。しかしうまくいかないときでも、志や学びの心を忘れず、常に学び続けることで、やがて道は開ける。」

 ついでに。金融データソリューションズ代表取締役の箱田啓一さんは「クリスマス、バレンタインデー、ホワイトデーが底値の“潮目”」と予想している。目先は12月25日が底値で「上昇トレンドの起点の日は2月21日が“濃厚”。これを4月に入って確認」とも。今週は25日に反転があるか、また年末大納会にTOPIX1450を割るか、ガン張るかに注目しよう。

(第939回)2018・12・24

関連記事

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】名曲「美しく青きドナウ」「ラデッキー行進曲」と新年の日本の災厄

  謹賀新年 本年もどうぞよろしくお願いします。今回は事務上の問題が生じ、1週

記事を読む

木村喜由のマーケットインサイト
2014年10月号
波乱の10月来たる、買い急ぎは厳禁

日本個人投資家協会 理事 木村 喜由 ついに米国市場の弱気転換が始まったのかもしれない。現時点では

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「ハクソー・リッジ」と政局と北のICBM

2017・7・9 「ハクソー・リッジ」はノコギリ崖、の意味。沖縄の激戦地で一人の米衛生兵が75

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

「川中島の戦い」とまだ絶えないインフレ再燃と日本国債紙クズ説を検討する (第1048回)

 余りも有名なこの合戦は、武田・上杉双方の作戦の予想比べの面と、信玄と謙信の直接の戦いという勇壮な

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「真実」と私がV字型上昇と信じる理由(第982回)

万引き家族」の是枝裕和監督の第76回ベネッイア国際映画祭のオープニング作品として出品した新作。主演

記事を読む

PAGE TOP ↑