「 遠吠え 」 一覧
強気を唱えた専門家に厳罰を
新型コロナウイルスによる感染症の拡大に歯止めがかからず、世界の金融市場が不安定になっている。しかし、個人投資家に資産運用方法を助言したり、個人マネーを預かって運用したりする専門家が、年初の相場見通しなどでこうした不測の事態を念頭に置かず、ただ強気を唱えていたとしたら、専門家の看板を下ろすべきではないか。個人投資家はこれ以上、不勉強な専門家の声を聞かないほうがいい。 株式投資の専門家と個人投資
ESG投資とのつきあい方
株式投資が趣味の個人投資家は、おそらくESG(環境・社会・ガバナンス)投資などあまり好きではないだろう。ESG投資に積極的なふりをしている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に対し、「余計なことをせずに、年金資産の積み増しにまい進せよ」と批判している人も多い。個人が警戒しているのは、ESG投資には実体が伴っていないと思っているからではないか。 まずE(環境)を取り上げよう。GPIFは2
マイナス金利はまだ続くか
日銀がマイナス金利政策の導入を決めたのは、4年前の2016年1月29日だった。当日と翌日の日経平均株価は急騰したが、その後は下げに転じ、市場が「拒否」したことは明らかだった。今日まで続く世界の極端な金融緩和策は、悪質な金融資産の増加という弊害を招いている。「やめるのが正論」(有力エコノミスト)との声も出ているが、バブル崩壊が気になり、やめるにやめられない状況に陥っている。 2016年1月29日の
2020年相場に買い場は来るか
2019年の東京株式相場を振り返ると、年半ば以降に起きるとの見方もあった日経平均株価の2万円割れは結局実現せず、長期的な買い手にとっては、動きにくい1年だった。2020年はどうなるか。東京オリンピックと相場の関係を振り返ると、56年前と同様、年半ばからの下げ相場への「期待」もくすぶるが、「証券不況=絶好の買い場」に向かう1年なのかどうか、いろいろな角度から点検する必要がありそうだ。 第18回オリ
売買手数料撤廃の条件を探る
SBI証券などを傘下に収めるSBIホールディングスの北尾吉孝・最高経営責任者(CEO)が10月30日の決算説明会で「3カ年計画で手数料の完全無料化をめざす」と発言し、オンライン証券の株式売買委託手数料の撤廃が待ったなしになってきた。1999年10月の手数料完全自由化から20年。果たして日本でも委託手数料撤廃の条件が整うか、さまざまな角度から検討してみた。 米国の複数のメディアは11月21日、オン
公的年金「100年安心」本当か
厚生労働省が8月27日に発表した将来の公的年金の財政見通し(財政検証)の問題点は、日本経済がマイナス成長に陥るという最も悲観的なケースでも、毎年0.9%の賃上げを見込むなど、試算の前提に無理があることだ。厚生労働省は「100年安心」を訴えるが、積立金はもっと早く枯渇し、年金保険料の引き上げを迫られるのではないか。 金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループが6月3日にまとめた報告書「高齢社会
若年層に広がるポイント投資
行政当局や証券界の長年の旗振りにもかかわらず「貯蓄から投資へ」はなかなか進まないが、若年層の間では昨今、ポイント投資が人気になっている。投資の元手は楽天スーパーポイントやTポイント、NTTドコモのdポイントなどだ。損をしても心理的打撃が小さいことが受けているらしい。顧客囲い込みのツールとして、共通ポイントが大量発行されている日本ならではの光景かもしれない。 2019年4月10日に開業したばか