あなたは何問正解できますか?
投資の基礎教養をはかる10のテスト

公開日: : 最終更新日:2015/07/05 ゼロから学ぶ投資 ,

金融リテラシー講座「投資のための財務分析」第2回

フィナンシャル・アドバイス代表 井上 明生

本論に入るまえに、簡単なテストを行います。

下記に「投資と財務に関わる質問」を10問、出題しています。いずれもそこに述べられている意見、考え方に対し、「そう思う」、「概ねそうだ」という場合は○を、「そうは思わない」、「そうとは言えない」という場合は×を、回答として書いてください。

すぐに答えないでよく考えてやってみてください。意外と難しい問題もあります。ただし制限時間は10分とします。

第1問  利益の絶対額が同水準なら株価の安い株式に投資する。

第2問  その他の条件がほぼ同じなら、株式時価総額の大きな会社に投資する。

第3問  その他の条件がほぼ同じなら、資産を多く持っている会社、すなわち総資産の大きい会社に投資する。

第4問  株価が1株当り純資産を割っているということは、株価が本来の価値を下回っていると考えて良い。

第5問  規模的に同じであるなら売上高営業利益率が高い会社の方が良い。

第6問  その他の条件がほぼ同じなら、借金の多い会社より、借金の少ない会社に投資する。

第7問  PER(株価収益率)が同じ程度なら成長業種に投資すべきである。

第8問  当期純利益が1,000億円の赤字ということは、持っている現預金が1,000億円減るか、1,000億円借金が増えるか、あるいはその両方を使って損失をまかなったということだ。

第9問  流動比率は少なくとも100%以上あるのが望ましく、できれば200%以上あれば財務は良好である。

第10問  自己資本比率はすべての業種を通じて50%以上あることが望ましい。

答え合わせの前に

以上ですが、ある点に気付くと簡単なもの、考えれば考えるほど難しいものがあります。
正解を申し上げる前に、自分の答えが以下に該当するかどうか確認してください。該当する場合、示している指針に従うことをお勧めします。

◆全体で○が5つ以上ある方
あなたは、株式投資に対し十分な経験をお持ちであることが推察されます。でも、ぜひ次回以降もこの講座に皆勤してください。

◆第1問から第4問の間で○が1つ以上ある方
あなたは、株式投資についていつも真剣に考えておられるタイプだと思います。ですから、この講座でさらに考えを深めてください。

◆第5問から第7問に○が1つ以上ある方
あなたは、自分なりの投資哲学をお持ちだとお見受けします。この際、この講座に付き合い、ご自分の投資哲学を確固たるものにしましょう。

◆第8問から第10問に○が1つ以上ある方
あなたは、株式投資の知識を十分にお持ちだと拝察します。したがって、この講座で財務分析の力を身につければ鬼に金棒です。

ここまで読んでテストの答えが分かった方もおられるでしょう。そうです、正解はすべて×です。ご不満ですか?たしかに×と言い切れない問題もありそうです。
次回以降、具体的に財務分析の進め方に入りますから、そこで、この10問についてどう考えたらよいのか、議論してみたいと思います。

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