【投資初心者必見】資産を大きく育てるはじめの一歩
スポーツでも芸ごとでも、一流になる人はほとんど習い始めた時期が早い。これは外国語でも勉強でも同じだね。早い時期から始めた方が、頭に余計な物が入っていないし、柔軟性が高いから、いい形で学習できる。
もう一つ大事なことは、技術のレベルと練習時間には強い比例関係があるってことだ。ある音楽大学で学生の年間練習時間と、彼がどんなレベルまで到達したかを調査したところ、やっぱりトップレベルになった学生は音楽の先生レベルで終わった人の2-3倍の練習を続けていた。英会話だって現地で日常的に使っていた人と、日本でたまにしか使わない人では雲泥の差がある。
生きていくのにお金が欠かせず、またその金額次第で出来ることに違いが生じるのは当たり前のことだ。まとまった資金を作るには資産運用は必要不可欠のことであり、料理や自動車の運転ぐらいに技術が必要だ。もちろんそのレベルにはプロからアマチュアまで格差がある。けれど、普通の人が自分の人生を前に進めようとするなら、毎月の収入と生活費をしっかり把握し、その差額を計画的に貯蓄に回すのは当然のことだ。
何事でもそうだけど、結果や成果は、「素質×努力×時間×運」だと思っている。自分で何とか出来るのは努力と時間だけだが、それは若い人ほど有利だ。またチャレンジの回数が幸運に巡り合う確率に連動するなら、やっぱり若者ほど有利だし、ひょっとしたら自分の気付いていない素質を発掘する可能性というのもあるかもしれない。やっぱり早く始めたやつが有利のようだね。
投資、資産運用が必要な作業であることは分かった。ではどうしたらよいだろうか。方法はいろいろあるけれど、自分があまり経済に興味がなく、けれど堅実にお金を積み立てていって最終的にまとまった金額に持って行きたい、と考える人なら、代表的な「株価指数連動型ETF」に定期的に積み立てるのが一番いい。つみたてNISAを利用するなら、年間40万円までは20年間非課税でほとんど手数料も掛からないし、運用益も非課税だ。
それ以上の金額は、年に2-3回に分けて、新聞等で株価が大きく下がっていると報じられたときにある程度まとめてETFを買い増しするとよいだろう。ベストのタイミングは神様しか分からないから、あまり神経質にならないように。最終的に時間が解決してくれて、結果オーライになるから大丈夫。
多少なりとも経済や経営に興味があって、新聞や数字を見るのが苦にならないという人なら、日本株でも外国株でもよいから、自分が一番興味を持っている会社の株を50万円以上買ってみるのが一番よい。買った瞬間から、あなたの頭脳は全く別の動き方をするようになる。その会社の業績がよくなるのはどういう時か、どんな時に値下がりするか、自然に気が働き、桁違いの効率で情報が吸収できるようになる。
どちらかと言えば最初の投資は少し苦い思いをした方がよい。自分は神様だとか、神様に愛されているとか、勘違いせずに済むからだ。下手に幸運に恵まれるとその後の勉強がおろそかになり、上達するチャンスを逃したり、よい銘柄があるのを見逃したり、つまらない(けれど重大な)ミスを犯すことになるからだ。最初に書いたように、投資の世界も練習、勉強の時間や量が結果に結びつく。謙虚さをもって、真面目にコツコツ続けるのが大事。そして必ずそれは成果に繋がってくると信じることだ。
一つの銘柄を持って株式投資のハラハラドキドキを知り、もっと知りたいと思ったら、別の個性を持った株式を買い、できれば初歩のテクニカル分析の本を買うとよい。特に、株式市場全体が周期的に安値を付ける習性があることはぜひ知っておいてほしい。また、株価には典型的な値動きのパターンがあり、どういう時期にそのパターンが生じやすいか書いてあるはずだ。最初は失敗してもよいが、持っている銘柄が首尾よく値上がりしたら、一度に全部利益確定しないこと。神様でないからベストタイミングで売ることは不可能だから、時間的に分散するしかないのだ。
慣れてきたら銘柄数または株数を増やしていく。ただしあまり銘柄数は増やし過ぎてはいけない。運用のプロでもそうだからね。子供を多く育てるのと同じで、自分勝手に動き回るやんちゃな存在を同時に面倒を見るのは大変だからだ。
一度株式投資を自分でやってみると、世界が広がる。健康が続く限り、死ぬまで続けられる趣味を一つ持ったことになる。そうしたらあまたはもう私の投資仲間だ。
日本個人投資家協会
理事 木村喜由
関連記事
-
-
モーツアルト「レクイエム」と安倍晋三元首相の功績と日経平均4万円の証拠 (第1125回)
36歳で亡くなったモーツアルトの遺作。 作曲の依頼人が見知らぬ男からの依頼だったこと
-
-
シェイクスピア「リチャード三世」とバイデン大統領を織り込み始めたNY、そして日本株長期上昇のサイン(第1020回)
15世紀後期のイングランド。ランカスター家とヨーク家の王位をめぐる戦い「ばら戦争」の末、ヨーク家
-
-
「翼よ!あれが巴里の灯だ」と私のケンカ。そしてバイ・イン・オクトーバー。注目銘柄
2024・10・20(第1243回) <アマゾンより> ビリー・ワイルダー監督
-
-
JAII副理事長 伊藤稔のコラムが、1月19日(木)の日経新聞に掲載されました
『日本経済新聞』2017年1月19日の夕刊に、日本個人投資家協会の伊藤稔副理事長がコラム『十字路』で
-
-
【初・中級者向き】「般若心経」と18日の習近平講話と米国の対中隔離政策
三蔵法師玄亟の名訳を、私は朝起きぬけに読経しています。写経も多少。亡くなった父と母が読経していたの