映画「ソロモンの偽証」前後編と「植木屋の地震」のその後
今井澂・国際エコノミスト
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マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
今週は北野武監督の「龍三と七人の子分たち」を楽しみながら観た。8月で80歳になる私としては、ジイさんたちの大活躍(ただしかなり間の抜けた)は楽しく、私は笑いっぱなしだったが、これは来週に。
今回はただ今ヒット中の「ソロモンの偽証」。前後編合わせて4時間半を超える力作で見ごたえがあった。宮部みゆきの原作は文庫版で6冊にもなるんだから長い。しかしスペクタクルシーンがあるわけでもないのに目が離せなかった。
校庭で中三の男の子の死体が発見される。自殺として処理されたが密告者がいて、犯人として校内暴力で皆から嫌がられている地元有力者の息子を告発。学校側は何とか事件を事なかれ主義でおさめようとする。正義感に燃えた女子生徒を中心に学内で裁判が始まる。
先週私は「植木屋の地震」ココロは木(気)がモメるー。として4月30日を挙げた。結果は1勝1敗。
現地時間で4月29日。安倍首相はワシントンの上下両院合同会議で演説。大成功だった。
ワシントンの友人に聞くと、40分のスピーチでまあ数回あれば成功だが、私が数えたところでは始まりと終わりをのぞいて、全員起立のスタンディング・オベーションは13回。マスコミの反応も「訪米成功、上質の演説を披露(WSJ紙)」「アベ演説は第二次大戦時の敵国で現在は最も緊密な同盟国である日米の和解を象徴。拍手とスタ・オべで何回も中断(ロイター)」
中国と韓国は否定的反応だったがどんな言葉を使っても満足するはずがないので、驚くには当たらない。
追加緩和期待の買い越しは未消化
一方、日銀の追加緩和せず、の報道は30日の日経平均538円の大幅下落を呼んだ。全面安。翌5月1日は11円高で済んだが、下落視した銘柄数は78%、上昇した銘柄は7%に過ぎなかった。しかも日銀のETF買い、1日当たり365億円を投じてである。
4月に入り、ヘッジファンドはロンドン発の「追加緩和4月30日必至。日経平均2万1000円」レターで、主に銀行株を狙った。第1週から第3週までで現物先物併せて1兆4765億円も買い越し。
これが売りに回ったのだから、4月30日、5月1日の2日で消化できるはずがない。連休明けの7,8日がどうなるやら。ああ気がモメる。
私は1万9400円近辺で底入れ(かなりGPIF、日銀の防戦買いが成功して)、その後1万9800円ぐらいのゾーンという楽観シナリオ。その確率は60~70%。
一方、1万8999円という1万9000円割れまで売り込まれ、反発しても1万9500円という悲観シナリオを確率30%らいで予想している。
銀行株と低位株
二つの投資作戦。
銀行株の中心、例えば三菱UFJ。高値から15%ぐらい下げたら打診買いを入れ2,3回に分けて買う。秋にはゆうちょ銀行の公開があるし、三菱UFJは一株当たり純資産より時価は低い。
もう一つは低位株で、2016年3月期以降の業績がいいもの。永い間214円のフシ目に挑戦して跳ね返されてきた三井造船が動き出した。昨年高値の260円までゆくと期待される。もちろんご投資は皆様の個人責任で。
株式市場全体が2015,16両年に弱気になる必要のないことは繰り返して述べた。
乏しいGPIFの買い余力、個人が買いに回るか
先々週、私がNYのヘッジファンドのマネジャーに会った体験を。
「それに日本は円安と逆オイルショックも手伝って企業業績がいい。しかもきわめて多数の企業が自社株買いなど株主還元の必要性に目覚め始めている」。
「目標値は?」と聞くと「3万円」とか「4万円」を「2,3年間で」との返答が多かった。1年間では2万2000円から2万5000円。「だから6,7月に下がったら買いに入る」。
私が聞かれたのは、GPIFの買い
「昔1980年代のバブル相場と今回の上げ時、似ているが違う。1980年代後半は企業の財テクブームに乗った“トッキン”(特定金銭信託)買いで、業績の伴わない株価上昇だった。今回は違う。官製相場というが、GPIFがやっているのは世界の年金の運用の常識に合わせているだけだ。」
私は「2014年10~12月のGPIFの日本株買い増しは1兆8000億円で、12月末の組み入れ比率は19・8%。2015年1~3月は1兆2000億円の買い増し、組み入れ比率は22・3%と推定される。買い増し余力は12月末で7兆1000億円だったが、3月末では3兆8000億円に減少する」と答えた。値上がりがなくても7月頃には買い余力は極めて乏しくなる計算だ。ニューマネーも入って来るが、日本の機関投資家、個人投資家が現在の売り越しから買い方に転換しないと株価の本格上昇は期待しがたい。
「ミスター・イマイ。あなたはどう思う?」
「経済の好循環と、現在は手堅すぎる企業収益予想を上回る半期決算発表で、個人が買いに転じると考えている」
「あなたはいつも強気だからね」
下がったら買い時
映画のセリフから。
ワルの少年の有罪説に対し担当の女性刑事が言う。「大出君は犯人ではありません。この子の悪さは単純で、気に入らなければその場で殴る。欲しいものがあれば取り上げる。以前の体験で殺すほどの根気はありません」。
日本の個人投資家はちょっとソンするとすぐ投げて、せっかくの買いチャンスを早逃げしてしまう。その後の上昇分をつかみ損ね、ソンする投資家がいかに多いことか。ここはガンバリ時。どうぞこのブログの読者の方だけでも日本株のいいものを買ってください。ご自分の為です。
なお、ネパールの地震へは被災者に心からお見舞い申し上げます。念の為。
映画「ソロモンの偽証」前後編と「地震」のその後(第772回)
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