映画「薬の神じゃない!」とバイデン勝利とNYと日本株の 高騰の今後 (第1039回)
映画「薬の神じゃない!」とバイデン勝利とNYと日本株の
高騰の今後 2020・11・15(第1039回)
中国で興行収入500億円を挙げた大ヒット。政府の政策を変えさせたほど社会的な大反響を呼んだ作品である。
ストーリーは、簡単に言うと中国版「ダラス・バイヤーズクラブ」だ。この作品も第86回アカデミー賞で二冠を獲得した佳作だが、私が観た限り、この点で米国に対して中国の勝ちだ。
2002年の上海、薬局店主は販売不振で悩み、インドから怪しげなサプリを売って生計を立てていた。
そこに店に慢性骨髄性白血病患者が、インドからジェネリック薬を輸入してくれ、と頼みに来る。正規の白血病薬品はとても高価で手が出ない。ケタが三つ違うジェネリックをインドで販売しているので、密輸入してくれ、という。主人公は初めはビクビクしながら始めるが、患者の反応が後押しして、インドに直接訪れて薬を入手してゆく。
感動的な結末はあえて書かないが、一見に値する作品であることは、私は保証する。
では、この作品と米国大統領選と何の関連があるの?と聞かれそうだ。
バイデン氏7400万票に対し、トランプ氏7100万票。オバマ氏の6900万票より多くとった。
民衆の声は、それだけ強い。この映画が示しているように誰もが無視できない。
中国政府がやっていた薬品産業への政策は間違っていなかった。国内企業の育成のために、海外からの安いジェネリック薬品を抑制していたのだから。
そうした理クツ上は正しい政策でも、民衆の声には押しつぶされる。これが現実だ。
大モメにモメた米国の大統領選だが、やはり、バイデン氏とてトランプ支持者たちの声は、とてもとても無視できない。
では、バイデン氏になると法人税増税(21%→28%)による減益で株は大幅下落になるとの予想はどうしたのか。新高値に挑戦しつつある米国株式市場を見ると、誰しもが思う。
その理由をうまく説明してくださった方がお二人、おられる。
まず、SAIL代表の大井幸子さん。一言でいうと増税→財政支出拡大→リフレ
たしかに、株高と長期金利のジリ高が併存している。長期債売り、株式の先物買いという投資作戦をとっているファンドは多い。これは私の知己のヘッジファンドの運用担当者からの情報でも確認できた。
次の方は岡三グローバル・リサーチ・センター―理事長、エグゼクティブエコノミスト高田創さん。ご自身の銀行マンの経験からと思われるが、資金運用者の立場から、次の投資作戦を主張しておられる。論旨をごく簡単にー。
- 多くの商業銀行では貸し出しが増加しているが、それ以上に預金が増大した。今後もこの傾向は継続する。
- この預貸ギャップで運用圧力が拡大する。
- 一方、金利はマイナス、つまり水没しているので、債券イコール・リスクフリーの前提は変わる。株式、不動産に資金は向かう。
高田さんは「運用難民のフロンティア」として中国債券とREIT市場を紹介している。
日米の株式市場の相関性は0・97-0・98と極めて高い。NYの株高が、日本にも転移しつつあるように見受けられる。
FDS代表の箱田啓一さんによると、当面のNYダウと日経平均の動向予想は次の通り。
- NYダウは11月18日から24日までの反発を経て、12月第1週後半からラリー気味。クリスマス直前で吹き値売り。
- 日経平均は11月下旬にかけて波乱含みになり様子見となろう。2021年1月15日から21日にかけて、日本と海外両方とも調整の兆しがある。良い買い場所であろう。
いつもなら映画のセリフでしめるのだが、かなり前に観たので、メモがない。そこでリンカーン大統領の演説から。
「すべての人をすこしの間 ダマすことはできる。一部の人を永遠の間 ダマすこともできる。しかし、すべての人を永遠にダマすことはできない。」
私は今回の大統領選挙はイカサマだと思っているので、この言葉を、マスコミにささげたい。
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