シェイクスピア「マクベス」とこれから始まる中国の覇権戦争勝利と、ここで狙いたい銘柄 第1038回

 「キレイは汚い、汚いはキレイ」と唱える三人の魔女の予言に導かれて、主君ダンカンを暗殺して王位を奪った武将の物語。シェイクスピアの最高の傑作と言われている。

 私は、今回の米国大統領選挙の推移を見ていてこの傑作を思い出した。

 バイデン候補は「勝利宣言」をしたと報道されている。しかし現実には、投票でのイカサマが伝えられている。

 例えばミシガン州。93%開票迄トランプ氏が10万票以上リードしていたが、報道後一時間で12万票がバイデン氏に投票され逆転した。ウイスコンシン州では投票率がなんと200%。郵便投票を使った反トランプ作戦が成功したかに見える。

 はじめマクベスを応援したかに見えていた魔女たちは、実際は地獄に落ちる魂を狙っていたのとよく似ている。

 マクベス夫人が主君の殺しの記憶から狂って、最後に死んだように、バイデン氏の次男ハンター・バイデン氏が身内の弱みにあたる。 広く報道されているのでご存じの向きも多いと思うが、NYポストによると次の通り。

 ハンターが、修理業者に出していたパソコンのハードデイスクから、父親への口利き料を賄賂としてもらっていた証拠が入っている。

 保守系 のワシントン タイムズですら、ハンターが中国の巨大企業から1000万ドルの顧問料要求しているメールを入手した。と報道。

 見逃せないのは、中国共産党首脳との秘密協議。ハンター氏と習近平、王岐山と結んだ45億ドルに上る利益供与のメール。

 このほか、未成年の少女を相手にしたハンターの違法セックスの映像、つまりはハニートラップの証拠を握られている。

この状況で、オヤジが米国の利益のために対中覇権戦争を進めるとは、誰でも考えられない。これは常識といっていい。

にもかかわらず、米主要メディアがトランプ封じ込めに動いた。私には全く不可解だが、米国を支配している真のエグゼクテイブたちの権力闘争で、中国市場を失いたくないグループが主流を占めた、と解釈すればつじつまが合う。

でも、現実にはすでにFBIが動いているのを私は注視している。。表面化すれば、二つの問題が生まれる。

 第一は12月8日の各州の選挙結果の確定日。第二は12月14日の選挙人投票。あまり明瞭にバイデン一家の醜態が目に余ったら、造反選挙人が出るかもしれない。また、法廷闘争で、無効投票が決まり、正々堂々とトランプ政権が決まるかもしれない。まあそう簡単には行くまい。当分はバイデン氏を前提にモノを考えなくてはなるまい。となると、バイデン氏の対中国への弱い姿勢が予想される。

先日のブログで、私は中国からの台湾、尖閣、あるいは沖縄への軍事的攻勢を指摘した。しかし、バイデン氏を前提にすると、中国はもうその必要性は少なくなった。

理由?ホワイトハウスに中国がいつでも命令を出してもOKする大統領がいるから、何も戦闘をしなくても、着々と世界制覇への貴重な4年間を稼げる。

後世の歴史家は、バイデン時代を「米国の凋落が明瞭化した時代」と書くだろう。

さて、長期的な問題は別にして、目先のNY株式の動向に絞って、11月上旬の数日間の動きを私なりの見方でご紹介。次に今後の動きを予測。最後に日本株の今後と注目銘柄について述べたい。

まず10月30日以降の数日のNYダウを書く。

10月30日  2万6561ドル

11月2日   2万6952ドル(+443)

11月3日   2万7480ドル(+559)

11月4日   2万7847ドル(+367)

11月5日   2万8325ドル(+447)

11月6日   2万8323ドル(-166)

要注目は米10年国債の金利。10月30日の0・887%から11月4日の0・774%まで急落した。

ここから読み取れる投資戦略は「リフレ―ション・トレード」。バイデノミクスは①増税②グリーンニューディール③国民皆保険が柱。

ここから増税-財政支出拡大―物価上昇率拡大、というリフレ期待トレードが作戦になる。

大統領選直まで上昇。しかし、法廷闘争で解決が長引くとの懸念で週末は、株は下げ、長期金利は下落。

 大井幸子さん(SAIL代表)は30年物国債先物を調べて多くのトレーダーが10月半ばから、金利上昇を見込んでショートポジションを増やしている」と指摘されている。

大井さんは「勝敗が決まるまでの数週間、手続きが混乱。デモや暴動が多発し、社会不安が高まるリスク」を懸念している。リフレよりも、社会不安を投資家は重視するだろう。

混乱は経済的にも起きる。失業者の支援金1200ドル+週600ドル)が、政治混乱のために決定していない。ロビンフッダーの資金源でもあったこともあり、明年1月20日以前は下落する日が多くなる。

半面、機関投資家はジャブジャブの余裕資金を利用した12月末の決算期の数字を上昇させたい。恐らく中小型の銘柄や、割安な日本株に向かうだろう。現にNYダウやナスダックが大幅に下げた日でも、日経平均はごくごく軽い下げにとどまった。

結論。年内は小幅の乱高下。NY市場と日経平均の相関率は98%だから、市場全体の上下は小幅で、来年以降のポストコロナ時代の有望銘柄に買いは集中する。

注目銘柄を以下に述べよう。5G関連やアフターコロナの時代を先取りするものを中心にした。

これに加えて宮島秀直さんの(パルナソス インベストメント)の「菅銘柄」を入れた。

  1. HENGE(4475)、②JTOWER(4485)③AIインサイド(4488)④バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(Aroa)⑤NEXT FUND日経平均レバレッジインデックス連動型上場投信(1570)

以上だが、⑤は明年1月の買いが一番良いと見ている。注目銘柄なので、研究期間を置いていることはご留意ください。

「マクベス」のセリフから。トランプ又はバイデンに向けて読むと面白い。

「明日、また明日、また明日と時は

小刻みな足取りで、一日を歩み

ついには歴史の一瞬にたどり着く(中略)

人生は歩きまわる影法師 あれは役者だ

舞台の上では大袈裟な見得を切っても

出場が終われば消えてしまう」

関連記事

no image

大井リポート
ギリシャはユーロを離脱する
ECBは救済から飛び火防止に転じた

セイル社代表 大井 幸子 2008年のリーマンショック以降、2010年から12年にかけてPIIGS

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】トランプ支持基盤が下落 「何か」が起きる2月

女優グレン・クローズが本年度のゴールデン・グローブ主演女優賞を獲得した話題作が公開され、さっそく観た

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「ナイトクローラー」と中国発世界同時株安の今後

  映画の題の意味は「夜の街を這いまわる者」。事件や事故現場の刺激的な映像を撮影して

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「コーダ あいのうた」と低下し続ける金価格の今後。NY株安。私の強気(第1116回)

「CODA」とは「耳の聞こえない両親から生れた子供」という意味。第94回アカデミー賞作品賞を得た秀

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

ミュージカル「ラ・マンチャの男」と日経平均の底値と反転とそれぞれの目標値(第983回)

 このミュージカルは松本白鴎丈が染五郎、幸四郎時代から、私は5,6回観て いる。一回はアムステル

記事を読む

PAGE TOP ↑