「大回り3年」の2016年相場
ナンピン、スカンピンにならないように

公開日: : 最終更新日:2016/04/27 協会ニュース, 無料記事

日本個人投資家協会事務局長 奥寿夫

アベノミクス相場は2012年11月に始まってから3年が経ちました。

「小回り三月、大回り三年」という相場格言があります。売買の期間を最初から決めて、もし見込みが違ったら早めに処置することを考えなければならない、短期なら3力月、長期だったら3年間を周期として考えるべきという意味です。

私は年賀状のご挨拶の中に「今年はアベノミクスの正念場 株価指数15%の下落に買えますか!!」と記しました。
昨2015年の日経平均の高値は2万0952円。15%の下落だと約1万7800円となります。年初から株市場は荒れ模様で、この状況が現実となってしまいました。

梅の花

梅の花言葉の一つは「忍耐」

ジャイコミ有料記事テキスト画像

この下げの過程で「ナンピン買い下がり」をする方もいらっしゃるでしょう。ですが信用取引で買うのは厳禁です。企業業績も想定以上に弱く、大きな痛手を負いかねません。

実際、ここ数日は信用買い残が増えています。普通なら逃げないといけない状況であるはずなのに買い向かっているわけです。この人たちは相場格言にある「ナンピン、スカンピン」の典型ではないでしょうか。
次の展開が見えてくるのは、このような人たちが総投げしたときです。

一方、目先で日本経済のピークは東京五輪前年の2019年と考えられます。そうなると株価は「大回り3年」で今年はいったん休憩したとしても、来年以降は19年にかけて「三段上げ」が期待できます。ただ、それは徒花(あだばな)かもしれないことは念頭に置いておきましょう。

世界に目を転じれば問題は山積です。民族・宗教対立、難民、紛争拡散に資源価格の下落……。EU(欧州連合)の変革や独裁強行国家の騒乱・瓦解は起こりうることです。
強気相場が続いたこの3年と比べると投資家にとっては多難な年になるかと思われますが、皆さまと無事この相場を乗り越えられることを祈念して、年初の挨拶とさせていただきます。

ジャイコミ有料記事テキスト画像

関連記事

あなたの外国株投資は店頭取引?委託取引?
ある男性の憤怒【上】

ジャイコミ編集部 証券会社が個人投資家向けの外国株取引を拡大しているという。 4月2

記事を読む

急上昇が始まったNY、東京市場の株高。戻り値はいくらか

2025・4・27(第1270回) SAILの大井幸子さんが言っていたが、4月21日に始まる

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「翔んで埼玉」と日韓関係と3月買い場

私の生まれは江東区深川清澄町だが、小、中、高と埼玉県浦和市、現在のさいたま市浦和区で育ったいわば準埼

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「ドライブ・マイ・カー」と長期の円安・インフレ・タンス預金と金。(第1109回)

日本映画としては「おくりびと」以来、13年ぶりにアカデミー最優秀外国語映画賞を獲得した。これに先立

記事を読む

「仮名手本忠臣蔵」と石破政権の重大な欠陥、意外な「かくし玉」

2024・10・13(第1242回) <アマゾンより> 歌舞伎座で何回この名作

記事を読む

PAGE TOP ↑