映画「レヴェナント 蘇りし者」とヒラリー失脚

ご存知レオナルド・ディカプリオが主演男優賞、監督のハレハンドロ・イニヤリトゥが監督賞、それに撮影傷を獲得した話題作。私は試写会で観たが、2時間40分近い長編が正直言って苦痛だった。私の評価では凡作と思う。主演男優賞のレオ様もセリフは少なく、うめき声がまあ四分の三で、演技なんてもんじゃない。

今井レヴェナント

ストーリーは単純。1820年代のミズーリ州。主人公グラスは毛皮を集める探検隊のガイドで、インディアンの女との間に設けた息子を連れて参加している。突然ハイイログマに襲われ重傷を負い担架に乗せられるがインディアンから襲撃され山を越すのは不可能。そこで息子と二人をつけて臨終を看取らせ、隊は砦に向かう。

なかなか死なないグラスに業を煮やした居残り組のフィッツジェラルド(トム・ハーディ)はグラスを殺そうとする。これを見つけた息子が声を上げたので殺されてしまう。

重傷から回復したグラスは復讐を遂げようと死に物狂いでフィッツジェラルドを追う。300キロを超える旅。

ベンガジゲートがついに再燃

映画で巨大なクマが突然現れてグラスを襲うが、いまワシントンで起きている大事件を、日本のマスコミが全く報じないのはどういうわけだろう。不勉強なのか、それとも意図的に、か。

このブログの読者、または私の著作をご覧の方は、「ベンガジゲート」を、またその派生スキャンダルにあたる「Eメールゲート」をご存じだろう。

ヒラリー・クリントン前国務長官が私的メールアドレスに国家機密を流した。しかもヒラリー側近は「最高機密」「極秘」の文字を削除していた、というからコトは重大である。FBIは調査中で、メールの中に国家機密が含まれていることを2月8日に発表した。ニューヨークポスト紙とTVがこれを確認した。

このFBI調査がヒラリーと側近三人の起訴に進展すれば、大統領選挙戦から撤退しなければならなくなる。

もちろん司法長官が起訴を認めず却下することもあり得る。となると大統領が犯罪容疑の元閣僚をかばうという重大問題に発展してしまう。出来るか、どうか。

代わりの苦労人候補に電撃的効果

そこで急遽登場したのが「エリザベス・ウォーレン・マサチューセッツ州選出上院議員を7月の民主党の党大会で候補として選出する」つまり「ブローカード・コンベンション」で党員が候補を直接選出、という奇手である。この人は66歳でヒラリーより2歳若く、母方にチェロキー族の血が入っている。

貧困家庭に育ち13歳からウェートレスをして家計を支え、16歳で全米弁論大会で優勝し奨学金を得て大学に入り、2年後に結婚、二児をもうけてその後離婚、また勉強し直して学位を獲得、成績抜群で、何とハーバード大ロースクール教授、その後政界に入り、恵まれなかった少女時代、早婚・離婚経験、苦学を率直に語り人気がある。

この人が最近オバマ政権やCIAから内政、外交のブリーフィングを受け始めたという情報がある。

また民主党黒人議員の長老は10日にCNNで「ウォーレン候補が実現すれば電撃的効果が見込める」と発言した。

どう転んでもトランプ旋風

ここで米国大統領選を見直す必要がある。

第一のケース。FBIが起訴せずヒラリーが民主党の正式候補としてドナルド・トランプと戦う。そのときトランプは容赦なくEメールゲートを攻撃するだろう。トランプ選出の恐怖は世界的なショックを与えること間違いない。

第二はエリザベス・ウオーレン対ドナルド・トランプ。私がTVで観たウオーレン議員は、トランプの口撃に耐えられるかどうか。少々疑問だ。

もちろん行政経験の全くないトランプに対し、行政経験はある。といっても、不良債権救済プログラム監視・監督委員会の委員、それにオバマ第一期に大統領補佐官兼財務長官特別顧問として「ドット・フランク法」に基づいて設立された消費者金融保護局を立ち上げた。まあその程度だ。

つまり、日本人としては「どうせトランプじゃなくヒラリー」と見込んでいたのがドナルド旋風の覚悟をしておいた方がいい。秋口のNY株の下げが懸念される。

3月末~4月はいったん高値

ごく目先。期末に1万8000円近くにしたい安倍政権は「消費税先送り」を読売新聞のトップにした。しかしGPIFなどプールの中のクジラの買いにブツける形で、恐らく産油国SWFの売りが出たのだと思う。それでも買いの力の方が強いので、期末から4月に高値を付けるだろう。原油も戻っているし。

ヘッジファンドは相変わらずドル売り円買いのポジションを積み上げ、株も売っている。材料がワシントン発だから腰が入っている。

映画のセリフから。

グラスが息子を励ます。「息が続くかぎり戦うんだ。息をしろ、息をしろ」。私は秋の整理のあと、日本株は「3万円以上」。目標を数年間で達成すると見ている。その間はー。息をしつづけよう。

映画「レヴェナント 蘇りし者」とヒラリー失脚(第818回)

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