映画「太陽がいっぱい」とNY株式市場に予想外の悪材料。一方、日本株は上昇基調を維持。「夢」のある大材料も。(第1131回)
アラン・ドロンのデビュー作で、この作品で大スターになった。
貧しさゆえに超大金持ちのドラ息子にゴマをすり、みじめな毎日。ついに殺人を犯し、サインを真似て大金を手にし、ドラ息子の美人のフィアンセを手に入れる。
ところが、船のスクリューに絡まった針金の先に死体が見つかり、一転して主人公のトムはどん底に。
NY株式市場の下げが、いつ、どこで下げ止まるか、という質問が多い。
私は、FRBがあと3回ないし4回の利上げをしようとしているから、その間はダメ、というのが普通の返事。
しかし、明年第1・四半期は、2.4半期連続してマイナス成長になるだろうから、4、5日から利下げに入る。
とするなら、11月、早ければ10月に底入れ。水準は5月の下げでも引け値ではNYダウは3万ドルを割らなかったのでそういうかな、とお答えしている。
ただ、最近FRBの理事達の発言が、2023年中の利下げはない、と云うタカ派的な内容が多い。インフレ心理の抑え込みのための発言とは思うが___。
もう1つ。
8月12日に米国下院が可決した「インフレ抑制法」が、経済に対して悪影響を与えると云う見方が出ている。
シカゴ大学のケイシー・マリガン教授がその人で、「この法案は雇用と設備投資に対するマイナス効果が大きく、米国経済に大きな悪影響を及ぼす」とした。
具体的には、法人税増税や、日用品費用に対する価格統制が引き起こす90万人の雇用減少やGDPが1.2%減少する、などを挙げている。(この部分はフィナンシャルテクノロジーズ&リサーチ代表箱田啓一さんの資料による)
一方、日本の方は、エコノミスト誌9月3日号の記事に注目した。
フィディテイ投信副社長兼運用本部長の鹿島美由起さんの取材記事である。「先進国でも高成果の過去10年。日本人が自信を持っていない」という見出しだ。
日本株は人気がない、とよく言われる。1989年以来の長期の下げと人口減少で、もうダメという印象が強いためだ。
しかし、アベノミクス登場以来、この10年間でTOPIXは配当込みで240%上昇した。それは米国のS&P500を除くと先進国では最も高い。
以下、細かい原因の分析は「エコノミスト」を読んで頂くとして、重要な指摘がある。
それは日本株の組み入れ比率のアンダーウェイトだ。
米国とカナダを除く先進国株式指数「MSCI EAFE」に占める日本株のウェイトは23%。現実には10%近いアンダーウェイト。
小泉純一郎政権時代の2004~2005年。
海外投資家が修正した時は、20兆円くらいの資金が日本株市場に流入した。
今回も政治が安定し、魅力に気がついた外国人株投資など、日本株を中立に戻すだけで兆円単位の投資が流入する。
さて、8月31日の引け値は2万8091円、月足は陽線で引けた。
中長期のトレンドがこれで回復し、2021年の9月の3万795円へ接近する可能性が出てきた。(いちよし証券投資情報部 高橋幸洋さん)
忘れていただきたくないのは、PER12倍台で買うとソンしない、ということも。
では、日本が再興し、日本人が自信を取り戻す夢はあるのか。
ある。
キヤノングローバル戦略研究所主任研究員の杉山大志さんが、日本原子力研究開発機構(JAFA)が含水酸化チタンの性能を約100倍に高めた。高性能の「アミドキシム型」の高分子吸着剤を開発した。
このニュースを杉山さんはこう解説する。
- 海水ウランの回収がこれで一挙に実現が近くなってきた。
- 無じんぞうのエネルギー源である。ちなみに稼採年数は6万年。
コストは杉山さんの想定ではKWh当たり2.36円。一見、高そうに見えるが、違う。
杉山さんによると、現在の日本の発電電力量は年間約1兆KWhである。コスト上昇を2円とすると、2兆円。
これに対して、再生可能エネルギーの賦課金はすでに年間2兆7000億円に達している。
いま利用されている太陽光・風力発電電力量は全体の10%にすぎない。コストパフォーマンスは海水ウラン利用の方がケタ違いに安い。
さて、どうですか。夢のある、いい話と思いませんか。
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