【初・中級者向き】映画「タリーと私の秘密の時間」と三選後の安倍さんの政策

2018・9・2

私の好きな美人女優シャーリーズ・セロンの主演ものなので観たが、何と18キロも太ったアラフォーのバツイチで少々ガッカリ。役のため体重を増やしたとか。ま、仕方ないか。

三人目の子供を産み、産後鬱になっていた主婦マーロが夜間専門の若いベビーシッターのタリーの奔放な行動から次第に活力を取り戻してゆく。監督兼製作のライトマンは「大人用メリー・ポピンズ」とこの作品のテーマを説明している。なるほど。キラキラしていた20代を忘れられない女性向けの映画なんだな。そういえば周囲はアラフォー以上の女性が圧倒的だった。

 

もう安倍首相の三選は決まりだろう。8月27日の読売新聞の世論調査では、安倍内閣支持率は50%と前月比5%も上昇した。不支持率は40%とこちらは前月比5%下降。

支持の理由は「政策(特に外交)」「指導力」「政治理念」で、まあマトモだ。

イマイチ盛り上がりに欠けるのは事実だが、これで2021年9月までの安定政権が決まり、2,3月ごろの低支持率の時逃げ出した外国人機関投資家が回帰するだろう。

安倍さんのやることはヤマほどある。ちょうど主人公マーロのように。2019年だけで天皇陛下御退位、新天皇即位と改元、統一地方選、参院選、ラグビーワールドカップ。続いて消費税引き上げ、東京オリンピック、などなど。安倍さんは憲法改正をやりたいのだろうが、これだけスケジュールが詰まっていては、まあ出来ないかも。

私は昔、自民党首脳が話してくれた言葉、「イマイさん、東京湾にミサイルが一発撃ち込まれてごらん。憲法改正なんて一晩で成立するよ」が忘れられない。慌てることはない。

安倍さんはいま日本が世界的に見て立ち遅れかけている4・0革命に、活を入れてゆく、と見ている。

具体的には、人工知能、ロボット、iPS細胞、ビッグデータ、シェアリングそれにキャッシュレス社会である。これが成長分野であることはだれでもわかるが、モリカケ問題もあり、法律整備、規制緩和がイマイチ。

竹中平蔵さんに伺ったら「サンドボックス、つまり砂場を作って自動運転などを自由にやらす。法律はようやく一件成立、あと、一つ必要」とか。また竹中さんは「日本の対世界立ち遅れは2011年には大震災があり、12,3年には民主党政権のせいで遅れた。2016年のビッグデータ基本法成立で4・0革命に追随しかけたところ」といっている。なるほど。

もう一つある。長寿化への対策だ。香港に次ぐ第2位の長寿国家として、21世紀に生まれた子供の寿命が105歳になることを前提に、成人教育し、第二の人生のための資格を取らせなくてはならない。夜学になるだろうから、補助金が必要。財務省は反対したらしいが安倍さんが押し切ったとか。

サイバーセキュリティの専門家は、いま20万人もの人材不足と聞くから、この能力なり資格の取得は、第一の人生のときの所得より増加すること必定だ。

今週は「政策」だけ書いて、アレ?イマイ先生銘柄は?とお考えかも。そりゃあ個別の企業は多いからー。これは次の著作で。

内閣官房参与で安倍さんのスピーチライターの谷口智彦さんは「安倍晋三の真実(悟空出版)」で、こう首相の方針を述べている。

「2012年の12月、安倍総理は指示を一つ、明確に伝えました。普段の月に4回ある、週末の過ごし方についてです。
1回は必ず東日本大震災の被害地を訪れて復興の様子を見る(これはその後、ほぼ1年半、忠実に実施された)。
さらに1回は、それ以外の日本の各地を訪問し地域経済の状況に接する。
もう1回、平日になかなか会えない人たちに、会う機会にする。
週末はあと1回、残るからそれを全部外遊に充てる、というものでした。」
永々と引用したが、安倍さんはもちろん、菅官房長官は実はこれ以上の働きぶりで、共にほとんど滅私奉公の働きぶり。これで「官僚にバカにされる政治」が「官僚が畏怖する政治」に変わった、と谷口さんは述べている。凄いなあ。ちなみにこの本はおすすめです。

映画のセリフから。マーロがタリーから「どうしても辞める」といわれて慌てる。

「これから私はどうするの?」「やるべきことをするのよ。くり返し、くり返して、ね」

安倍さんも菅さんもこれ迄の6年とおなじに今後も滅私奉公するんだろうなあ。お体大切に。

映画「タリーと私の秘密の時間」と三選後の安倍さんの政策(第923回)

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ

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