【初・中級者向き】映画「蜘蛛の巣を払う女」と2019年の好悪材料
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スエーデンで2005年に出版され、世界で9900万部を売った超ベストセラーの映画化だ。本国では2009年に三部作として映画化され、2年後ハリウッドで「ドラゴン・タトゥーの女」としてデビッド・フィンチャー監督で第一部を映画化した。今回は第四部の映画化で、「ドント・ブリーズ」の監督が起用された。
何と言ってもこの原作の魅力は女主人公のリスベットだろう。スエ―デン版ではノオミ・ラパス、ハリウッド版ではルーニー・マーラ、そして今回はクレア・フォイと、あまり有名でない新人女優に近い人を起用している。
さもありなん、と私は思う。びしっと決まった短髪、いくつものピアス、全身に刻まれたタトゥー、黒が基調のワイルドなファッション。天才ハッカーなのに戦闘意欲な十分、両性セックスOK。なんて強烈なキャラクターはスター女優なら出演をためらうはずだ。今回はスタンガンから、一回り大きなスタンロッドで大男をのばしてしまうシーンが圧倒的に多い。
ストーリーは入り組んでいるのでさわりだけ。リスベットはAIの世界的権威のバルデル教授から、図らずも開発してしまった核攻撃プログラムを米国安全保障局(NAS)から取り戻してほしい、と依頼される。しかしそこには入念に仕組まれたワナが待っていた。
今回はリスベットの双子の妹が悪役になっている。善も悪も、もとは同じ、という意味だろう。
現在NYの株価に大きい影響を与えているのはFRBパウエル議長の発言だ。年明けに利上げを一時停止する可能性に言及し、強気筋は活気づいた。
ドットチャートでは2019年利上げ予想は3回だが先物市場ではゼロ。パウエル発言がリップサービスなら話は別だが、何せ大統領がクビにするぞ、と脅かしたのに答えた形だ、ともかく、年央ぐらいまで、市場の一部が期待(?)する暴落は避けられ、意外高ではないか。
一方、悪役の中国の方はどうだろうか。
最近中国を訪問したあるエコノミストは「輸出企業の工場を見学したが、フル稼働なら数百人働く生産ラインに20人程度で米国の報復関税で輸出が激減した」と。そこで「民間業者は国有企業に身売りしようと懸命だ」とも。
また別のアナリストは「政府統計では目立った値下がりはないが、空き家が5000万戸と大手大学の教授が発表した。年間1000万戸の5年分、全戸数の22%。ほとんどすべてはマイホームでなく投資目的で購入し、住宅ローンを払っている。年収の15倍から20倍もの重い負担で、不動産価格の高騰を待っている。
不動産バブルが崩壊すれば、個人投資家は破産し、その分の銀行融資は不良債権になる。
その前に農村からの出稼ぎ労働者のリストラが大問題になろう。約2億人の出稼ぎの2割の首が斬られれば4000万人。社会不安が生まれること必至だ。
- 昨年の公表のDP成長率6・5%だって、現地の金融担当者に聞いたら、2%以下じゃないか。」といわれた」。と結論付けた。
たしかに、ごく最近の上海株式市場は反発しているが、2018年は3500から2500近くまで30%の下落、それもほぼ一本調子の下げだった。
ただ、この手の中国滅亡論は長い間言われ続けてきたが、なかなか本当にならない。今回の貿易戦争が、こんな短期間で完了するわけがないと私は考える.
映画のセリフから。「過去はブラックホールに似ている。関心を持って近づけば近づくほど、吸い込まれる。」私の考えは、おわかりでしょう。
さて、講演会のお知らせです。
2月10日(日)13時から17時40分
ガーデンシテイ プレミアム神保町
私のほか、三菱UFJモルガンスタンレー証券チーフテクニカルアナリスト宮田直彦さん それに不動産市況アナリスト幸田昌則さんのお二人に強力な助っ人としてお話いただきます。1月31日までに申し込まれると割引ですし、先着150名です。「蜘蛛の巣」は払って御覧に入れるつもりです。
申し込みアドレスは次の通りです。
http://www.forestpub.co.jp/auther/imai/lp/mk.20190210
(第941回)2019・1・14
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