【初・中級者向き】映画「アリー/スター誕生」と2019年の日米株式市場の動向

アカデミー賞候補とうわさされる映画を最近続けて2本、観た。一つは「グリーン・ブック」そして今回の「アリースター誕生」だ。前者は 前者は3月公開なので少し先に書くことにして、ブラッドリー・クーパーの製作、監督、助演、レディ・ガガの主演の傑作を取り上げた。

「スター誕生」といえば1937年の初制作以来、2回リメークされている。とくに1954年のジュディ・ガーランドとジェームス・メイスンの方は今でもBSで放送されているし、名作と定評がある。普通は「昔の方がよかった」となるのだが、今回は違う。今回の方が、確かにいい。

どこが違うのかって?ガーランド版は3時間を超える大作で余分なシーンで退屈な思いをしたが、今回は違う。クリント・イーストウッドが最初に頼まれたのをブラッドリー・クーパーに譲つたそうだが、製作スタッフに優秀なメンバーをそろえたのだろう。新監督作品としては珍しく無駄なシーンがないし、私は最初から最後まで画面から目が離せなかった。ストーリーはわかっていたのに。

お話はご存じだろう。才能ある若い新進俳優がピークを過ぎた大スターに見いだされて恋に落ち、成功への道を歩む。逆に大スターの方はどんどん落ち目に。主役二人の演技と歌が、そのまま見せ場になるという設定だ。

いま展開している日米の株式市場の現状は、この二人に似ている。日経平均の方は、昨年12月25日の1万9155円でセリング・クライマックスを迎え、今後少なくとも数か月は上昇の方向にある。

目先の底値がついた、と私が考える理由は、当日の新安値銘柄や値下がり銘柄の数、PERやPBRと株価水準、裁定残、売買株数などからだ。また市場関係者に弱気が充満していたことも。理由の一つである。

勿論、12月23日号に引用させていただいた金融データソリューションズの箱田さんのクリスマス転機の見方も参考にさせていただいた。決め手はPBR1・0倍の日経平均1万9390円という、いわば常識だった。大体ここらで止まることが多い。

秋口には下げがあり、恐らくこの水準を一時的に下回るかもしれないが、それでも長期では上昇過程にあり、2020年あたりにも戻り高値更新と予想している。

一方のNY株式の方は、ここ数年間の上げの中心がハイテクのグローバル企業が、米中の対立で対象営業地域が減少するのだから、一部とはいえPER120倍なんてメチャメチャな成長力評価は、夢また夢。

またグローバルな製品製造のネットワークから中国を除外して再編成するのは大変なコストアップを伴う。収益力が大幅低下、売上高の成長ペースも急低落するに決まっている。

となると、FAANGなどのITハイテク銘柄の評価が何年もの間下落し続けるというシナリオが妥当だろう。やはり2018年10月3日のNYダウ2万6951ドルが歴史的高値と、見る。となると、2008年1月23日の6994ドルの安値から、10年9か月。129か月間の上昇期間の三分の一は、ふつう下げて調整するから、2022年ごろまで、まあダメ、と見た方が、いい。

レディ・ガガの方は、日経平均で、ブラッドリー・クーパーの方はNYのダウやNASDAQに例えるべきと考える。2019年はゆっくりとした弱持ち合い相場ではないか。

私がそう考えるもう一つの背景は、トランプ大統領の地位の不安定性だ。ことし1月3日に開始される民主党主導の第116回期で、様々な疑惑に絡んで大統領側近が召喚されたたり、いろいろある。

例えば①トランプ側近や不動産仲間にマネロン関与の疑いが持たれている某欧銀大手とトランプ・オーガナイゼーション(TO)の取引記録②TOが、トランプ大統領当選以来、外国政府から受け取った資金額、③FBI本部建て替えの決定にトランプ大統領が関与し、利益相反を起こした疑い、など10点以上の疑惑である。

一方特別検査官の報告も2月に出るとうわさされている。こちらの方も大騒ぎになること必至だ。

この問題が私にはシンフォニーで、チェロやコントラバスで弾く重低音の様に思われる。メロディはヴァイオリンで弾くので目立つのだが、また、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が、2020年大統領選の立候補の準備委員会を設立した。この人は進歩派として著名なリーダーだ。これもトランプには不利。

映画で二人が歌う愛の歌「シャロウ」から。「いま、私は落ちてゆく。幸せな時には、望んでしまう。変わることを。私はいま、深い水へと飛び込んでゆくが、決して水底に着かない。」

新年はNYが急伸するのは短期で、中長期では、まあ下降相場という形になろう。ヘッジファンドは円高仕掛けをやっているが、ごく短期で終了だろう。

 

(第940回)2019・1・6

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