【初・中級者向き】映画「サムライマラソン」と最長景気記録更新と今・来週の市場の 激動
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主演の佐藤健が妻のお気に入りで、私としては珍しく試写会で見たのに2回目を。時代劇なのに英国人の監督、しかも注意してみたら黒澤明監督作品のオマージュが沢山ちりばめられていて、面白かった、エンターテイメントとしてまずまずじゃないかな。
安政2年(1855年)安中藩の藩主・板倉勝明は心身鍛錬の目的で、50歳以下の藩士96名を安中城門から碓氷峠の熊野神社まで29キロ強を徒歩競争させた。「安政遠足(とうあし)」と呼ばれ日本のマラソン発祥とされている。原作は土橋章宏氏の連作短編で、有名な「超高速参勤交代」のように、従来の時代ものとはひと味違った楽しさがある。
お話は入り組んでいるので簡単に。藩主命令として藩士たちは恩賞目当てで張り切るが、代々幕府による隠密として派遣されていた主人公の密報で、幕府への謀反の準備として刺客を送り込む。藩士はこれに気付き、そこでポスターにもある通り「行きはマラソン、帰れば戦(いくさ)」となる。
私はご存知の通り方々で講演して歩くが、ここ1,2年、人手不足の話はよく聞くが「お陰様で景気がいい」、という言葉は聞いたことがない。
にもかかわらず、「景気回復期間が戦後最長になった可能性がある」と茂木経済担当相が1月の月例経済報告の場で述べた。
たしかに本年1月で2012年12月からの景気拡張期は74か月、これまでの記録の73か月を上回った。ただし、その後の2月の月例報告では14の景気判断の項目のうち「生産」「企業収益」が下方修正。1月の「輸出」も加えて3項目になった。
しかも、その後戦後最長の景気が転換点を迎えていることを示す経済指標が続出している。
- 1月の工作機関受注額は14か月連続減少し、前年同期比18・8%減。
- 1月の全国百貨店の訪日客向け免税店売上高は前年同月7・7%減で26か月ぶりに減少。好調だったインバウンド消費にかげりが見え始めた。
- 2019年3か月期の企業収益は日経予想で金融を除く全産業ベースで1・7%減益。3年ぶりだ。
まだある。中国の景気急減速は方々で取り上げられているから省略するが、肝心の米国景気が2月のフィラデルフィア連銀製造景況指数はマイナス4・1%で先行き指標は悪化に転じている。また2019年1~3月期のS&P500種の純利益もマイナス3・0%と22年半ぶりの減益を予想されている。
もともと前記したように消費者や中小企業や地方では、景気がいいという実感に乏しい。日経の2月17日調査では78%が「実感していない」と答え「実感している」は16%に過ぎない。
わたくしはこの状況で、10月の消費税を10%にするのは自殺行為に近いと思う。しかし、2月に公表された昨年10~12月の成長率が実質1・4%のプラスになってしまった。本来なら昨年7~9月期のマイナス2・6%に続いて速報値がマイナスだったら、2期連続マイナスで増税延期または廃止の大義名分が立ったのだろうか。確報値待ちの形だ。
最悪の形は増税を決めてしまった後に、世界景気の減速化、ひょっとすると何らかの大事件があったらー、だろう。たとえば、の話。米朝会談で南北の合邦に至る金委員長や文大統領が目指す。核を持った朝鮮半島が実現しそうになったら、どうしますか?
その場合は私が近著でご紹介した「永久国債」しかテはあるまい。おすすめ
は、元衆議院で東京大学大学院教授の客員教授をしている松田学さんの著書「サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う」か「今知っておきたい「やさしいおかね」の話」(近刊)がいい。私の本では159ページから、5,6ページほど立ち読みしてください。
ところで相場の話をしたい。現在2万1500円直前まで戻したが、この水準にはコールオプションの建玉がヤマのようにあり、なかなか上へ行くのは大変ではないか。うまく抜いたらもちろん上昇のスピ-ドは早まるだろうが、景気の先行と企業収益の先行き見通し難で、その確率は低いと思う。
加えて、パイオニアの上場廃止による日経225種の新規採用銘柄が村田製作なのか、オムロンか、ルネサスエレクトニクス(大和総研予想)で市場への影響は大いに異なる。
1万7000円の村田だとパイオニアの売却代金では全く足りない。2650万株の買い需要が殺到し、2万円に上昇と仮想すると225連動ファンドは5300億円の売却資金が必要だ。オムロンでも1400億円、ルネサスはほとんど買い需要は発生しない。これが3月1日の引け後の発表で翌日から数日間はこれに振り回されること必至だ。
これに米朝、米中の首脳会談などの外交交渉が入る。3月8日のSQ前には相当相場は荒れるとみておくべきだ。私は大きな押し目を期待(?)しているのだが。
映画のセリフから。藩主に幕府の隠密がピストルを出してすごむ。藩主は茶をゆっくり入れながら言う。そちたちの国ではそんなものが必要だろうが、日本では不要じゃ。安定した国だからな」。現代はそうはいかないんですよ。
(第952回)2019・2・25
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