【初・中級者向き】映画「天気の子」と意外なリスクの検討
2019・7・28
(第973回)
前回「君の名は。」で超大ヒットを飛ばした新海誠監督の新作で、周囲は若い人でムンムンしていた。お話は主人公の高校1年生森嶋穂高が田舎から都会に出てきて、船で知り合った人の事務所で働くところから始まる。
その事務所で「願うだけで晴れをもたらす少女」という都市伝説を調べて、ついに天野陽菜(自分では18歳と主張)を発見する。この少女は一部の場所だけだが晴れをもたらす不思議な能力を持っていたので、「お天気ガール」としてwebで晴れが欲しい人を求めて報酬を受けるビジネスを開始、次第に有名になってゆく。
穂高と、陽菜とその弟の三人で暮らしていたが、未成年者だけの生活に警察や児童相談所が目を付ける。また偶然拾った拳銃の所持という不利な状況の穂高も警察は追っている。そこに陽菜の体にある変化が起きて…。
映画の中で、年老いた和尚が言う。「天気ってものは、天の気分で変わるものさ。」要するに人間が左右できるものじゃない、というのがまあ常識。そこにこの映画のおハナシの面白さがある。
常識外れ、というか。世間が注目していない事件が発生してショックを与えることは、しばしば起きるものだ。
実は最近、藤和彦・経済産業研究所上席研究員と昼食を取りながらお話を伺う機会があった。そこで何と「サウジ皇太子の失脚」という悪夢のシナリオを伺い「バレル70ドルへの上昇もあり得る」とも聞いた。
原油高は円安材料のはずだが、何しろ「有事の円買い」がコンピュータに組み込まれているのだから、円高に加えて金利高というWパンチも、私の頭の中をよぎってしまった。
もう少し藤さんのシナリオを述べてみよう。
フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃が最近激化していることに藤さんは注目している。フーシ派のドローンやミサイルの攻撃の頻度が上昇し、その結果、サウジとともにイエメン攻撃の一翼を担ってきたUAEが駐留部隊を縮小、離脱。そこを狙ったイエメン軍はサウジ南部のナジャラン近郊を攻撃し、サウジ軍に打撃を与えた。
「2015年3月に開始されたサウジのイエメンへの軍事介入は以前から評判が悪かった。
明確な展望や落としどころのない状況の所に、UAEの突然の離脱が発生した。サウジは介入の目的が何も実現できずに、撤退を余儀なくされる事態に追い込まれそうである。」(7月19日付JBPESS「世界経済の脅威となったフーシ派ドローン攻撃―原油価格高騰を招くサウジアラビアの地政学リスク―」)
そして藤さんは「そうなれば、イエメンへの軍事介入を主導したムハンマド皇太子への王族内からの非難が高まり「皇太子失脚」という悪夢のシナリオ」の可能性に言及した。
結論は、私と同じ。「利下げ期待でバブル化している世界の金融市場に想定外の事態が生ずれば、(私なら「ドカン」だが)藤さんは「大荒れ」に予想している。
アレレ、いつも強気のイマイ先生、今回はメチャ弱気じゃないの、と言われそうだ。私は文字通りヤマほどあるリスクの種を探しているだけ。
「ドカン」の種ではないかもしれないが、今回は「天気の子」に絡んでいる面白い見方をご紹介しておこう。
プラザ投資顧問室の伊東秀広さんの7月25日付の私へのレターだが、「6,7月の日照時間が少ない年は、相場も崩落する傾向がある」と述べている。とくに目立った例を挙げると次の通りだ。
1953年、6月7月の日照時間は84時間―127時間。この年スターリン暴落。
1989年.6月は61時間。ご存知バブル天井の年。
2016年.79時間―59時間。ブレグジット暴落。
今年は現時点では129時間―20時間。
例年にはない長雨で、ごく少ない日照時間だった1993年と共通項がある。この年にタイやアメリカから米を緊急輸入した年だった。
伊東さんは「自然の発する継承が相場に生かす時が近づいています。」と述べた。これもリスクの一つかもしれない。
私がかねてから「ドカン」が秋ごろにあると述べてきたことはご存じだろう。
金融データソリューションズの箱田啓一さんは、昨年10月の高値も12月25日の安値もぴたりと的中させた名人だが、ごく最近「NYダウについて、底値とその後の上昇相場を予測しました」とご連絡があったので、早速ご意見をうかがうことにした。
箱田さんによると、「NYダウは9月20日ごろから下落に入り、10月28日ごろに底値を形成。その後新年まで上昇。
一方日経平均の方は「9月24日に底値を付ける(ということは、それ以前は安い)ということだろうが)」
もちろん世界的な景気悪化に対応するための経済対策や金融緩和促進などで、日本株が連騰すれば調整は回避できる、という条件付きだが。
「10月5日から10月24日の買い場まで、どのくらい下落しますか?」とわたくしが質問したら箱田さんは「最悪で10%ですかね」と。当分このシナリオに私は従うことにしよう。
「天気の子」の主題曲の一部だ。「運命(サダメ)とはつまり、サイコロの出た目 はたまた、神のいつもの気まぐれ?」「選び選ばれた脱けられぬ鎧 もしくは遥かな 揺らぐことない意志」。私は強固な意志でこの難しい相場に立ち向かってゆきます。どうぞご声援を!
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