映画「日本のいちばん長い日」とグローバル投資と配当収入で豊かな老後(第1047回)
半藤一利さんが亡くなった。合掌。代表作の一つがこの「日本のいちばん長い日」だろう。二回映画化され、阿南陸軍大臣の役は、一回目が三船敏郎、次が役所広司。私にはやはり三船さんの方が軍人らしかった。
私は昭和10年生まれで、あの戦争の悲惨な面しか記憶はない。深川の昔の家は3月10日の東京大空襲で焼失、集団疎開していた私のクラスメートの半分以上は、 家族の一部ないし全部が亡くなった。そして戦後の混乱、新円と旧円の切り替え。急に威張りだした韓国人、上野駅にたむろしていた戦災孤児―・
何よりもメチャメチャに腹をすかしていた記憶しかない。
岡本喜八監督の主張は、阿南陸相が切腹の直前に部下二人に述べたセリフにまとめられている。
「生き残った人々が、二度とこのような惨めな日を迎えないような日本にし、何としてもそのような日本に再建してもらいたい。」
終戦の年から76年。日本は戦争直後には誰もが予想もしていなかった、堂々たる経済大国までに再建された。
実はこのブログは、前回、私の文章が「刺激的」とあるマスコミに言われた反省から書いている
「 何度でも繰り返します。今年儲けなけなければ一生ダメですよ」
たしかに、キャピタルゲインで大儲け、というイメージが浮かぶ。
「マネードクター」の名を頂いている私としては、老年に差し掛かり、リスクの取れない投資家向けに処方箋を書かなければなるまい。
私が良く年金向けに講演でお話しする「長期の国別成長格差」がある。
株価は名目GDPと大体同じ成長をする。
そこで日本は?20年で1・4倍、米国は4倍、欧州主要国は3・8倍、中国は54倍。
この成長格差を利用して投資作戦を立てる。いろんな事情で、中国は除いた。
中長期では①グローバル(米国のみでもOK)のインデックスETF②国内では配当による収入、の二本立てがベストと私は考えている。
候補(推奨、ではありません、念のため)は次の通り。
- ブラックロック・ジャパンのシェアーズS&P米国株ETF(為替ヘッジあり)コードナンバー2563
- 日興アセットマネジメントの「上場インデックスファンド海外先進国株式(msci―kokusai)同1669
- 日興アセットマネジメントの上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACMT除く日本)同1554
次に東証一部で安定した配当を続け、配当利回りの高い銘柄を三つ。(会社四季報による)
- JT(2914)一株当たり配当金154円(6、12月の2回)利回り7・07%
- ソフトバンク(9434)一株当たり配当金85円(3月と9月)利回り6・79%
- 淺沼組(1853)一株当たり配当金216円(3月と9月)利回り」6・22%
実は、減益になりそうな銘柄は除いた。業種の乱高下しているものも。逆に四季報では今季の増配が入れてあるが、実績配当のみで選んだ。
何せ預金から手数料を引かれるご時世だ。預金から回したらいかが?配当金が若いうちは株の買い増しに向ければ(確定拠出型年金が適当)、年金と合わせると十分に豊かな老後をエンジョイできる。
最後に20年持っていると、10倍以上に考えられる分野で銘柄を昨年11月15日のブログを発表したので、再掲する。
米国も日本も二銘柄づつ。
- モデルナ(MRNA)
- ファイザー(PFE)
- アンジェス(4563)
- タカラバイオ(4974)
バイオ関連が好ましいのは、20世紀末に遺伝子組み換え、DNA、クローンなどのバイオ技術が急進展したこと。
18世紀は化学、19世紀は物理が学問としてもジャンプ、翌世紀には、これを利用した企業が成長する。
化学の場合は、人造肥料、人造繊維。
物理の場合は半導体、原子力、エンジンを利用した機器(自動車)、モーターを利用した機器(家電)
従って、バイオ関連はワクチンをネタにした短期投資をするべきでは、絶対に、ない。長期投資こそ王道である。
なお、お詫びです。
1月1日のブログで、イールドスプレッドについて「益回り(PERの逆数)から長期債利回りを「引く」と書きましたが、正しく長期金利から益回りを引くべきでした。86歳にもなると、こんなバカみたいなミスをしてしまいます。申し訳ありません。
なお1月14日のウエブナーでは4000人近い参加者がありました。熱心なファンに申し訳なかったのですが、冒頭15分ほど、テクニカルな理由から、「お待ちください」が出ましたが、辛抱できずに席を立たれた方々には、20日まで録画がご覧になれます。どうぞ見てください。私のプロとしてのヒミツも含めて、すべて公開しました。アシスタントにNHKのニュース9時の阪田陽子さんに出て戴いたので、華が出ました。
お詫びばかりですが、皆様の明るい1年をお祈りします。GOOD LUCK!!
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