織田信長「桶狭間の戦い」と今回の3万円越えが通過点である理由。そして目標値(第1053回)
1560年6月12日のこの戦いは、小人数で十倍の大軍を破り、大将の今川義元の首をとった。戦史に残る奇襲の成功である。
織田信長にとって尾張を統一し、全国制覇への第一歩となった。また徳川家康は三河で独立を回復して、信長と同盟。戦国時代の大転機となった戦いであった。
「日本外史」によると、戦いの前に熱田神宮に戦勝の祈願をこめたのち、進軍した。この時信長は神職に命じて社殿の中で轡を鳴らせて「神明われを助けるなり」と士卒を励ました。
また銭数枚を糊で張り合わせて「この合戦に打ち勝つものならば、投ずる銭はみな、表がでるであろう」と士卒に告げて投じた、とか。
大バクチのような戦いであったが、信長には大幸運があった。信長勢が桶狭間に近ずいた時、にわかに大風雨が襲って軍勢の物音を消してくれた。また今川義元も初戦の戦勝の後、酒宴まで開いてのんびりと時を過ごしていた。これも大幸運である。
今の日本株式市場は、過去の逆風からフォローの風に変わっている。その結果の日経平均3万円なのであって、あくまでも通過点である。
では「逆風」とは何だったのか。
- 長期にわたるデフレ②鳩山、菅政権の無力さを見て野党に失望(当時の自民党への失望が先駆していたが)③80年代から90年代へのバブル崩壊で、経済の悪い面しか見えなくなった。
いろいろあるが、根本的には、徹底した不安心理、絶望心理で「とにかく株は怖い」という誤った考えがきわめて広範囲に広がったこと。
私がバブル崩壊直後の1990年1月の「週刊東洋経済」で、この下げ相場は長期にわたり幅も大きいと予言した。(不幸にして的中したが)
当時の債券利回りは8-9%、PERは60倍に近く、株式益回りは2%以下。明白なバブル状態だった。
現在は全く違う。債券利回りは2月26日現在0・16%、PERは来期予想で15倍で益回りは6・6%。武者陵司さんに言わせれば「負のバブル」だ。
しかも、コロナショックのおかげで、三つのプラス材料が発生した。これが「フォローの風」である。
本来なら増税そのほかで株安になるはずの米国バイデン政権が、何と1・9兆ドルもの景気テコ入れ策。これでNY株式市場が新高値。日米株価の相関度は9割だから、当然日本株にもフォローの風が吹く。
第二は、日米の金利差(米国10年債、1・5%台、日本は殆どゼロ)が案外大きい。当然ドル高が発生する。日本株にとっては、ヘッジファンドは「円安=日本株高」というシステムになっているので、これもフォロー。
第三は、米国での「ロビンフッダー」たちの跋扈(ばっこ)だ。
米国機関投資家は、この投機にはついてゆけず、これも割安な日本株への投資を増加させている。
パルナソス・インベストメントの宮島秀直ストラテジストによると、「日本株は1月18~22日の週を除き7週間でリターンのプラスが続き、年初来9・9%(日経平均)を達成。
「これに対し(NYダウは)年初来2・9%(2月22日付レポート)。」
これが年初来1兆4千億円の外国人買いが来ている理由。この三つのフォローの風が3万円を達成させた。
面白いもので、実は中・長期で移動平均のゴールデン・クロスが出ている。いうまでもなく、強力な買いサインである。
まず中期の方。いちよし証券投資情報部の高橋幸洋さん。
「日経平均の週足は2020年10月16日に、26週移動平均は52週移動平均が交差し、ゴールデン・クロスが達成された。」
「今回のものを含めると12回。」
「過去11回のゴールデン・クロスは次にデッドクロスが出現する前まで62・45週間、平均上昇率は39・44%。
これと同じ相場が始まると仮定すると、2021年12月第4週前後に3万2648円迄上昇する可能性がある。」
では長期では?
マネースクエアのチーフ・テクニカルアナリストの宮田直彦さんのご意見を次にまとめる。
「日経平均の算出は1949年5月からです。よって10年の移動平均と20年の移動平均のスタートは各々1959年と1969年です。1969年以降、常に10年移動平均が20年移動平均を上回ってきました。」
「それが2001年4月に史上初めてデッドクロスが示現しました。それ以降20年移動平均が日経平均の上値を押さえ続けることになります。」
「2018年2月に10年移動平均と20年移動平均は史上初めてのゴールデン・クロスを形成しました。」
「日本の失われた30年時代の終焉と、新しい長期上昇トレンド入りを改めて確認する強気シグナルと考えられる。」
以上です。
最後に信長の名言で終わります。
「絶対、は絶対にない」
「才のある者は鍛錬を怠る。うぬぼれる。しかし、才のないものは、日々努力する」
才のない私は、86歳になった現在でも、市場という、とらえがたい怪物と戦うため、何とか毎日努力しています。皆様どうぞおご協力下さい。
2月26日の3万円台割れは、テスラが、8%近い急落のため。3%もの下げを演じたのが影響した、と私は観る。2週間一番売れているモデル3の生産を、半導体不足のため、生産を休止するとの情報が、売りを呼んだ。逆の見方をすると、それだけ米国のEVの需要が大きいということだ。私は、強気を変えない。
ウエブナーの日程を改めてご報告しておきます。
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では皆さん.GOOD LUCK!!
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