【初・中級者向き】映画「007/ユア・アイズ・オンリー」米中関税戦争とヒンデンブルグ・オーメン

(962回)2019・5・12

007シリーズ12作目。原題は「極秘」という諜報用語だが、映画のラストでボンドとヒロインが「ムーンライト・スイム」つまり月下の海を裸で泳ぐのだが、ここでヒロインが「あなただけに見せるのよ」という。相当に色っぽいなあ。

この作品はミサイル攻撃用の新型発信機ATACの英国対ソ連の争奪戦。これにギリシャの密輸業者が絡む。ヒロインの両親は海洋学者だが、英国諜報部のための調査をしていたために殺され、ヒロインは復讐しようとしている。これをボンドが助けながら争奪戦が展開される。

映画の結末は、実に珍しく英ソの痛み分け、である。岩山の上で発信機ATACを手にしたボンドは、ヘリでやってきたKGBの将軍に渡すように迫られる。然しボンドは渡すと見せて遠くに放り投げ、機械はバラバラに砕ける。ボンドは「お互いに手にしない。痛み分けだ」と言い、将軍も納得し笑みを浮かべて帰ってゆく。

私は今回の米中の関税戦争は両国経済には当然、世界経済にも打撃を与えると観る。当たり前でしょう?今更数字では示さなくてもいいと思いますが。

まず中国経済は5月10日の2500億ドルの25%に関税引き上げで国内消費0・9%ダウン、さらに5000億ドルの場合は同1・5%ダウン。

一方米国の方も成長率引き下げは確実だ。2019年に減税、政府支出拡大合わせてプラス0・4%あるが、対中増税が1・%マイナス予想。(パルナソス・インベストメント5月7日資料)

この負の影響は、早めに双方で手打ちすれば大丈夫だが、なかなか決まらなければ、恐らくこの数字以上に打撃を与える。

あるかあらぬか、5月10日に米国株式市場に急落を予兆するシグナルの「ヒンデンブルグ・オーメン」が発生した。

このオーメンが発生すると1か月間は有効とされ、80%弱の確率で5%以上下落、40%の確率で25%以上下落、40%の確率で115%以上の暴落と言われている。

たしかに昨年10月から12月までのまだ記憶に新しい大幅下落には、これに先立って9月5日と9月25日の2回、この指標が発生していた。ただし、8月にも2日と9日に発生していたから「1か月以内」の有効期限からすると「外れ」だが、俗に的中確率は半分とされているから、今回も過度に悲観することはないだろうが。とは言え、やはり心配な指標の発生には違いない。

あまり耳慣れない「ヒンデンブルグ・オーメン」なので、どんな条件で発生するのかを略記しておこう。

条件①ニューヨーク証券取引所(NYSE)で52週高値更新銘柄数と52週安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2・2%以上。

条件②NYSE総合指数の値が50日営業日前を上回っている。

条件③短期的な騰勢を示すマクラレン・オシレーターの値がマイナス。詳細は省略

条件④52週高値更新銘柄数が、52週安値更新銘柄数の2倍を超えない。(e

ワラント證券資料による)

以上、要するに細かく考えるより、「こんな指標もあるんだな」程度に理解しておけばいい。

映画のセリフから。犯人を見つけて復讐しようとしているヒロインにボンドは言う。「中国の諺にいわく、復讐を企てるなら、まず墓を二つ用意せよ。」日本流にいうと「人を呪わば穴二つ」かな。トランプ大統領も習近平首席に差し上げたい。この言葉をどうぞよくお考え下さい。


NPO日本個人投資家協会を寄付で応援

よろしければこのサイトを運営している日本個人投資家協会を寄付で応援してください。

寄付で応援


※1,000円以上


安心してご利用いただくために
  • クレジットカード情報は当サイトでは保持せず、決済代行サービス(PAY.JP)を通じて安全に処理されます。
  • 本人認証(3Dセキュア)画面が表示される場合があります。
  • 本人認証のため少額(例:11円)が表示される場合がありますが、実際の請求額ではありません。
  • 寄付完了後に表示される「DON-XXXX」を、公式LINEに送るとお礼ページURLが届きます。
  • 個人情報の取扱いは プライバシーポリシー をご確認ください。

寄付で応援する


※100円以上


安心してご利用いただくために
  • クレジットカード情報は当サイトでは保持せず、決済代行サービス(PAY.JP)を通じて安全に処理されます。
  • 本人認証(3Dセキュア)画面が表示される場合があります。
  • 本人認証のため少額(例:11円)が表示される場合がありますが、実際の請求額ではありません。
  • 寄付完了後に表示される「DON-XXXX」を、公式LINEに送るとお礼ページURLが届きます。
  • 個人情報の取扱いは プライバシーポリシー をご確認ください。

関連記事

木村喜由のマーケットインサイト
投機筋が振り回す年初
慌てず逆張り対応が賢明

日本個人投資家協会 理事 木村 喜由 <2015年1月号> 年末年始の株式市場は圧倒的に上が

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「こんにちは、母さん」と第2次トランプ政権とウクライナ停戦。そして日本株。NYの意外高

映画「こんにちは、母さん」と第2次トランプ政権とウクライナ停戦。そして日本株。NYの意外高

記事を読む

ファンケル株主総会に行ってきました。

2017年6月17日(土)13時、横浜アリーナで「ファンケル株主総会」が開催。 土曜日の午後だった

記事を読む

日本人が知らない中国投資の見極め方【8】
全人代のGDPより注目されたネット動画
中国版「不都合な真実」の衝撃

アナリスト 周 愛蓮 年に一度しか開かない中国の「全人代」(全国人民代表大会、日本の国会相当)は、

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

井上靖「敦煌」と永い間放置されていた事象三つと当り屋のNY株への警戒説、それとジョージ・ソロスの大転換(第1076回)

シルクロードブームを巻き起こした井上靖の名作。私にとっては亡母今井満里が、たしか二回目の敦煌訪問に

記事を読む

PAGE TOP ↑