「 木村喜由 」 一覧

炭素税問題、緊急を要するエネルギー政策の具体化

先進国中ビリケツの温暖化ガス抑制、国境炭素税で逃げ場なし 日経朝刊の一面トップは「排出量取引」の価格高騰だったが、普通の人は耳慣れない話なので驚いた人が多かったと思う。これはざっくり言えば政府が業種や工場ごとに基準となる温暖化ガス排出量を設定しておき、これを上回ったところは多額の罰金的な課徴金を支払い、抑制に成功しているところがそのお金を受け取る仕組み。必然的に企業側はすべて抑制に全力を挙げ

続きを見る

バイデン政権が開始した2つの戦争

国内では共和党、国外では中国が相手 日銀ETFの買い付け変更の件は想定通りだった。特に付言する必要はあるまい。 アラスカでの米中外交・防衛首脳の2+2会談の様子は読者もご覧になっただろうが、本当に驚いた。いきなりブリンケン国務長官が外交儀礼に反して中国に対する不満点を列挙し、先制パンチを浴びせた。面子を重んじる中国としてはこれに猛反撃するのが当然のマナーで、外交トップの揚潔チ政治局委員

続きを見る

TOPIXが30年ぶりの2000大台、まだ上値余地残す

過熱感まだ見えず、米国市場が波乱でも粘れそう 前回書いたが、どんなに優秀な人物や膨大なデータを集めたスーパーコンピュータが予想しても、未来のことは本当に判らない。予想者は森羅万象全てを織り込んでいるわけでなく、事物のほんの一部だけを見て予想を決定しているだけだから、想定外の大きな変化が起こると全く対応できないものである。 だがサプライズが全部不幸な結果になるわけではなく、2-3割程度は

続きを見る

株式物色の基準がバリュー株に回帰しつつある

収益が重視されなかった過去3年のマーケット 本日の日経のコラム「一目均衡」筆者・川崎健氏は秀逸だった。今月号の証券アナリストジャーナルの特集は「バリュー投資再考」で、4本の論文が掲載されている。執筆者に共通する問題意識は、なぜ株式投資の根幹である業績と株価の連動(あるいは連動すべきであるという信念)が裏切られ続けているのか、という点にある。 川崎氏が取り上げたのは野村グループに在籍する

続きを見る

早い者勝ちのEV市場、日産と三菱の提携は多分正解

EVの主戦場となるのは実は軽自動車マーケット 自動車産業が100年に一度の転機を迎えていると言われている。CASE(コネクティッド=連結、自動運転、シェアリング、電動化の頭文字)と呼ばれる技術や利用の変化が、従来型ビジネスに転換を強制する。だが、実際問題としては、連結自動車や自動運転、シェアリングというのは実用面や法整備・保険対象範囲などのハードルが高く、まだまだユーザーの選択肢に入ってきて

続きを見る

春の大嵐

ポストコロナを見込んだ物色対象のシフト始まる 昨日のNY株式はダウが急騰し一時史上最高値を更新する一方で、NASDAQ、特に高PER銘柄が厳しく売られ、ダウが1%高、NASが2.4%安と極端な差が付いた。米国株全体の終値ベース高値は2月12日と見てよいが、その日を基準にするとダウは1.1%高、NASは10.5%安であり、それまでのNAS主導でダウ銘柄その他が置いてきぼりを食う展開から完全に逆

続きを見る

なぜバイデン政権は1.9兆ドル対策に突っ走るのか

おそらくは長期の選挙対策。人種差別政策の大掃除の布石と見る 真っ当なエコノミストなら、今の米国の経済状況で、バイデン政権が掲げる1.9兆ドルの経済対策は不必要なまでに過剰で、むしろインフレに火をつける恐れが強く有害でさえあると考えるだろう。もちろん筆者も今朝までそう思っていた。だがピーター・テミン著「なぜ中間層は没落したのか」を半分読み、著者の兄で75年に41歳でノーベル生理学医学賞を受賞し

続きを見る

PAGE TOP ↑