気になるチャート
リーマン時との比較、外国人売買額累計
ジャイコミ編集部
気になるチャートをチェックしようという思いつきのコーナーを始めました。
どこでも見られるものだと面白くないので、それなりに工夫してみます。
再び08年と似てきた株価動向
まず1つ目は2007年8月のパリバショックからの約1年間と昨年8月のチャイナショック以降の日経平均の推移を比較したチャート。
去年後半から一部のストラテジストや個人投資家の間で注目されているものです。特に年初からの動きが08年とそっくりだと。
07年8月のパリバショックは米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅ローン)関連の証券化商品に投資していた仏BNPパリバ傘下のファンドが投資家からの解約を停止したというものでした。 ここからサブプライムローン問題が一般にも広く認知されていきます。
パリバショック後、08年3月にはサブプライム問題で損失を被った米投資銀行ベアースターンズの破綻、さらには9月のリーマンショックを経て、株価は大きく下落したのは記憶に新しいところです。
今回、つまり昨年8月の人民元切り下げを端緒とするチャイナショック以降の動向はどうでしょう。
確かに年初からの株価推移は08年年初と重なります。日銀のマイナス金利導入決定効果でいったんは反発しましたが、足元は再び似てきています。
ネットニュースなどによると、あの著名投資家ジム・ロジャーズが3月暴落説を唱えているそうです。はたして来月はどうなる?
10兆円近くが抜けた外国人マネー
2つ目のチャートは外国人投資家の日本株売買差額の累計額と日経平均の推移。
アベノミクス相場は12年11月の野田佳彦首相(当時)の衆議院解散・総選挙実施宣言から始まりました。そこからの外国人投資家の日本株の買いと売りを差し引いた額を積み上げていったのが、図の青色の部分です。
売買差額累計は15年5月に23.4兆円でピークをつけた後、足元では13.2兆円に減少しています。日本株市場から10兆円近く外国人マネーが抜けたわけで株価が下がるのも当然。
アベノミクスの賞味期限を示唆する図と言えるのではないでしょうか。
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