映画「雪之丞変化」と想定外の悪材料

 

退院後、ドクターからは「自重しなさい」と云われているので人の集まる映画館は厳禁、ちょうどCSの日本映画チャンネルで「雪之丞変化」をやっていたので。

 

1963年のこの映画は「死ぬまでに観たい映画1001本」に入っているし、市川昆の傑作。長谷川一夫主演300本記念映画で、山本富士子、若尾文子、市川雷蔵、勝新太郎などスター総出演。長谷川一夫は殺された両親の復讐を誓う女形とそれを助ける怪盗闇太郎の二役を演じた。当時55歳。

原作は三上於兎吉の小説、元ネタは英国らしいが、復讐のテーマのほかに歌舞伎の舞台を巧みに使った演出。美しい画面が、まだ、一見に値する。良かったなあ。

今週は第一に例のパナマ文書がとんでもないショックを引き起こす可能性。第二には産油国のSWFの売りを市場は心配しているが、私がある専門家に取材したところでは有力産油国の王政そのものの変革にまで懸念していた。

ともに現在市場ではほとんど誰も悪材料として認識されていない。

5月中旬から円買い日本株売りが逆転する

私は5月の遅くとも中旬からヘッジファンドの「円買い日本株売り」との逆転が発生、1万8000円台の上の方まで日経平均は上昇し円レートは113~115円という投資シナリオを崩していない。しかしあまり人が言う前に早目に注目するのが私のクセ。まず二つを簡単に―。

第一のパナマ文書。アイルランドの首相が辞めたって、アルゼンチンの大統領がどうなったって、こちとら日本人にはカンケイない。まだ英国の首相はBREXITとの関係で大ごとになるかも知れないが。

私が懸念するのは習近平に対する江沢民一派の攻撃である。もう1年も前の医療スキャンダルが蒸し返されるなど、チャンスとばかり騒ぎを大きくしようとしている。いくら姉の夫だとか2年間休眠していた口座だとか言い訳しても、聞く耳もたぬ、だろう。

最悪の場合、失脚か。ともかく中国の権力闘争の凄さは常軌を逸しているから、習近平の側近失脚でもかなりな混乱が起きるだろう。北朝鮮にも韓国にも大きな影響が発生する。

産油国の日本株売り、は知れている

第二の安い原油が引き起こす産油国の苦境。財政赤字はIMFの試算でも(バレル50ドル前提)2016年1595億ドル。現実には年平均バレル30ドルとすると2446億ドルの大赤字で、特に盟主サウジは1600億ドル近辺、GDPの28%もの財政赤字になる。

305億ドルの国債発行やサウジ政府は対策を打っている。しかし1986年以来維持されてきた1ドル3・75ドルの固定制が維持できなくなる―と投機筋はにらんでいる。まあ、ことし、来年の問題ではあるまいが。

日本人として気になるのは、産油国SWFの日本株売り、だろう。

前記したある専門家の見方ではバレル50ドルで926億ドルの資金の引き上げと推定されている。バレル30ドルなら1200億ドルの在外資産の売却になるのではないか。

ただ、繰り返すが産油国は不動産やホテル、せいぜい米国債、米国株が中心で日本株の比重は大したことはない。まだ売る株は残っているかもしれないが、私は知れていると思う。

それでもちっとも上がらないじゃないか。そうです。円高が重石になって歯がゆいくらい、上がらない。4月一杯、こんな感じだろう。

ここは森を見ないで、木をみましょう。

前年比2割増の2ファンド銘柄

私は次の2本のファンドが3月末で前年比それぞれ28・2%、18・0%の価格上昇になっていることを注目する。組み入れベストテンは次の通り。

DAIWA新興市場日本株ファンド①ペプチドリーム②セプティーニHD③FPG④ベクトル⑤セリア⑥クルーズ⑦アルファポリス⑧シュッピン⑨ミクシィ⑩CYBYERDYNE

SBI中小型割安成長株ファンド①ダブル・スコープ②ピーシーデボ③日進工具④東京個別指導学院⑤前田工繊⑥セリア⑦プレステイジィンターナショナル⑧アィティメディア⑨日精エーエスピー機械⑩エン・ジャパン

他の高い実績を上げているファンドで目立って一致しているのはダブル・スコープ(6619)とセルア(2782)。どうぞご研究を。推奨ではありません。

映画のセリフから。

主人公が女形市之丞と二役の義賊闇太郎が言う。「か弱くたった一人で大商人に仇討。助けてやりたくなるのが江戸っ子の人情というものじゃあないか。オレはあの女役者を助けるぜ」。捨てる神あれば拾う神あり、で救いはどこかにあるものです。

映画「雪之丞変化」と想定外の悪材料(第821回)

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ

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