怪談「牡丹燈籠」とギリチュウ・アゲイン
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最終更新日:2015/07/21
マーケットEye 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
机の上が資料で山のようなので整理してみた。ギリシャの方は「デフォルト必至」「脱退の連鎖」という見出し、中国の方は「中国経済に打撃」「市場原理無視」などなど。破滅論がなんと多いこと―。今となっては何となく、そんなこともあったの、という感じだ。
過ぎたギリシャ、中国はこれから
私が楽観的である続けたことご存じの通り。ロジックとしては――。
「ギリシャ問題はドイツ問題。ドイツの大手銀行が倒産保険CDSを大量に保有しており、デフォルトにさせられない。このことを熟知しているIMF、EU、ECBは、ご存じの通りデフオルトにせず、今や追い貸しまでやっている。騒いだ方がバカみたいなモンだ。
一方、中国の方はいまだに連鎖を恐れる声が高い。株式市場の暴落に続いて不動産市場も急落が始まりかけており、急速な信用収縮が起こるのではーという懸念。経済学でいうミンスキー・モーメントだ。
私が2017,8年にはダメになるが、それまでは大丈夫というのをオカシイというご質問も。
今回はいつもの映画でなく、只今歌舞伎座で上演中の「怪談牡丹燈籠」を取り上げる。坂東玉三郎と市川中車が大西信行台本で、明治時代の名人円朝の十五夜にわたる長い高座を整理して人間ドラマにした。つましく正直に生きてきた半蔵とお峰夫婦が幽霊の手助けをして大金を得、結局人生を狂わせてしまう。
怪談では恋焦がれて死んだ娘と乳母の幽霊がカランコロンと下駄の音をさせてやって来る。相手の美男はとり殺されないよう高僧からお札と如来の像を身につけていったんは厄を逃れるが、主人公夫婦は百両と引き換えに札を剥がし像を盗む。
家の柱にはってあるお札を半蔵がはがすと、幽霊はやすやすと入ってしまう。そして殺される。
現在、上演中の大西台本は昭和49年に文学座の杉村春子、北村一夫が初演。玉三郎は平成19年に仁左衛門と共演している。今回も見事な名演。香川照之、じゃない中車も巧い。
上海株は上昇する。その理由
上海株式市場の今回の大幅下落は大方の見るところせいぜい4500ポイントまでの回復で、その後長期下落―と見るのが常識。
しかし私はヘソ曲がりだから、そうは思わない。上海の株価は上昇すると思う。何故か。
中国の景気はここ何回も指摘している通り非常に悪い。4~6月7・0%なんてウソ。1~3月も7・0%だったし、今年の目標も7・0%。そんなに数字をそろえなくてもいいじゃねえか。いかにも官僚のウソくさい。
しかし、と、私は習近平政権の高官の身になって考える。株価も不動産投資も、好転させるには金融緩和のピッチを上げる必要がある。そうだそうだ、となるだろう。
実際は金融緩和で市中にジャブジャブにカネが行き渡ると、投資の予想収益が下がるので投資意欲は減退し、経済の活力はますます失われてゆく。
しかし、意外におもわれるであろうし、「常識」外れだが、上海株は、まだまだ上がる。それは金融緩和が進んでしまうからだ。あとから見ると、バブルによる上昇過程の中の調整だった、ということになるだろうー。
バカじゃなかろうか、と思われるだろうが、恐らく私は、当たる。
資金需要がない中での金余りは、株高になるほかない。
なぜ、上海暴落で日本株が下落したか
じゃあ、あの日本の株価激動は何だったの?
答えは簡単、世界の景気が良くないし、円安も当分期待できないので、半導体、電子部品、それに自動車など外需関連が6月に上げ歩調で止っていた。
そこに中国の売買停止銘柄続出で恐怖に駆られた某外資系投資家が利の出ている日本株をまとめ売りしたのが、一日何百円も下げた背景だ。
中国からのインバウンド、特に「爆買い」も、と上海株の上昇とともに活発に続くだろう、日本へのツアーは9,10月までチケット完売で、中国のお役所の対日観光ビザを発行する部署は超繁忙とか。
私が「爆買い」の指標としみているラオックス(8202)は7月6日の高値544円から401円まで大幅下落したが、週末17日は499円まで戻した。また高値更新、となったら私の勝ちだ。今週中に結果が出てしまうので、少々心配だが。
しかし日本株の方は、以前から申し上げている通り「NYはじめ外国の株式市場が下がっても、東京株式市場はすぐ回復し、また上がる。」現にそうなっているでしょ?
銘柄の方は内需関連がいいだろう。これも従前から申し上げている通り。
安保法案の裏にある拉致問題
心配性の方は安倍内閣の支持率下落ですぐ「大丈夫?」となるが、拉致問題に絡めての安保11法だという真の理由がわかっていないからのご心配。拉致解決となれば、支持率なんて20~30%まで上昇する。見ててごらんなさい。ウランバートルという国が要注意。 (70周年首相談話が注目されている。しかし8月15日の終戦記念日今上陛下のお言葉が発表されるので、どう折り合いをつけるか、が本当は大問題なのだが。まあ、これは別の話。)
「怪談牡丹灯篭」は三遊亭円朝の口座を速記したものが現在も残っている。丸山応挙の画で知られるように幽霊には足がないのが常識。それを駒下駄の音でカランコロンさせて怖さを増したのが円朝の非凡な才能だろう。あたりのさびしさが、このカランコロンで一段と増す。
今回のこのコラムは、幽霊に下駄をはかせてみました-というお粗末。ご退屈さまでした。
怪談「牡丹燈籠」とギリチュウ―・アゲイン(第783回)
今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ
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