【初・中級者向き】外国人投資家の安倍首相評価と投資作戦

 

2017・9・3

今週、私はもっと多くの読者に知っていただきたい外国人の対アベノミクス観をご紹介します。私が長い間存じ上げているピーター・タスカさん。クラインオート・ベンソン証券のあとアーカス顧問を設立した日本通です。日経のアナリストランキングでずっと1位だった人です。英文ニュースオピニオンサイト「JAPAN FORWARD」に、またサンケイビズ8月28日に掲載されました。概要をかいつまんで。

 

「アベノミクス」は安倍晋三首相の支持率急落により勢いづいた反動派のせいで、外国人投資家はその継続性に疑問を持っている。

守旧派官僚とメディア、シンクタンク、自民党内反対派は、安倍首相の個々の政策だけでなく、官僚主導から政治主導への改革にも反対している。

 

人気を下げた地方の大学獣医学部設置に関するものだが、スキャンダルとしてはとるに足らない。安倍氏自身の不正行為を示すものはない。引き締まった政権運営が行われていれば起きなかっただろう。

 

安倍再登板の2012年以降、アベノミクスの成功は明白だ。

  • 4~6月期成長率4・0%はG7中最高。重要なのは6・4半期連続成長で、それぞれの期間が日本の潜在成長率(0・75%)を上回っていることだ。
  • 労働市場をはじめ貸出残高など様々な指標は数十年来の高い水準にある。
  • 安倍再登板後のTOPIXは年率リターンで円建て20%、ドル建てで12%、ジャズダック指数は円建て26%、ドル建て18%に達している。

過去20年間日本の名目成長率は成長がなかったが、財務官僚は責任を取らず、14年に不必要な消費増税をけしかけたのも官僚たちだった。少なくともリフレの勢いは2年間停滞した。

 

今後の健全な成長にとってのリスクは、早まった財政引き締めである。絶頂期の安倍首相なら緊縮財政派もデフレ論者も押さえつけただろう。ただ後継者と目される人物も疑わしい。石破氏は財政と金融引き締めを好むし、岸田氏は経済政策について重要な発表をしたことがない。

 

ここから、ピーター・タスカ氏の結論です。

 

 「安倍氏は魔力を取り戻せるか。(取り戻すだろう)。明るいニュースが続けば、国民は獣医学部にも聞きあきるだろうし、気まぐれで悪名高い日本のメディアはこの問題を扱わなくなるだろう。

新たな財政刺激策を準備し、次の消費増税の棚上げ、黒田日銀総裁再任は政権の信頼性を高める。また首相は強力なカードを何枚も持っている。

 

どうですか。安倍おろしに必死の一部マスコミの報道との違いがお分かりでしょう。

 

一方、対日投資では2週前に私が注目したオイルマネーの換金売りは「欧州投資家」との区分で統計にもはっきり見え始めた。また世界の投資家168社の動向を20年も把握してきたパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直さんは「安倍政権支持率50%割れでは6割の確率で日本株売り越し」としている。目先は、外国人投資家は売り姿勢です。

 

宮島さんは「外国人投資家は、今回の支持率低下は、森友問題は乗り切った安倍政権が『加計学園では傲慢な対応で国民からの反感を買ったため』ととらえ、『3015年安保関連法案のケースと似ている』とかなり正確に現状を認識している」と述べています。

 

支持率低迷が長引くと安保法当時と同じく、1兆円の売り越しはありうると宮島さんは述べています。

では支持率はこれから上がるのか。

 

すぐ思い出すのが、田原総一朗さんが去る7月に安倍首相に提案し、安倍首相も乗り気と伝えられた「政治生命をかけても勝負してみないか」という(具体的には示されていないが)ある政治アクションでしょう。田原さんが示唆した「八月中」にはニュースにならなかったが、相手もあることだし、後になってわかるかもしれません。また、永久債を利用した財政出動も

日本がデフレから脱出する重要な政策です。勿論支持率上昇の切り札でしょう。

 

目先の私の相場観は「いぜん慎重」。多少戻るところがあっても、1万9000円を場合によっては切るかも、とみています。

 

外国人投資家の安倍首相評価と投資作戦(第874回)

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