映画「アイヒマン・ショー」とドナルド・トランプとBREXIT

2016・6・23

このところナチス・ドイツに絡んだ映画が結構多い。「帰って来たヒトラー」とかヒストリー・チャンネルのホロコースト特集。今週取り上げた「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」は忘れがたい迫力をもった佳作だ。

アイヒマン

1961年、エルサレムでナチスによるユダヤ人絶滅計画(ホロコースト)推進の責任者アドルフ・アイヒマンの裁判が開かれる。世界37カ国のTVで放映され、112人の生々しい証言や残酷な実録画像が流れた。ドイツでは人口の80%が放映を観たとか。

トランプ=ヒトラー?

誰がどう見ても、ドナルド・トランプは現代によみがえったヒトラーに見える。メキシコからの不法移民を、麻薬や犯罪を持ち込んだ強姦魔と非難し、国境に万里の長城をメキシコの予算で建設すると述べた。メキシコのペニヤニエト大統領が「まるでヒトラーだ」と応酬する騒ぎになった。マスコミはこれに飛びついてトランプ支持率はひとケタからふたケタに伸びた。

ヒストリー・チャンネルの「ドナルド・トランプとは何者だ?」を観たが、この人は若いうちから世間様の注目を浴びるためなら何を言ってもいいと思っているらしい。

ワカっていないなあ、と私は日本のマスコミを見ていると思う。

いつだったかTVのキャスターが「99%トランプで決まり」と言っていたり、経済週刊誌が「トランプ円高」で特集する。日本ではいろんな通信社やTVの世論調査をうのみにしている。

「大接戦」をうたう固定電話でせいぜい2000の調査法は、もう一流の世論調査会社では採用していない。ほどほどにしたらいいのに、と思う。

トランプ&ブリクジットの賭け率は

しかしBREXITや米大統領選のように大きなイベントをどう予想するか。

BREXITは、私はこの原稿を22日、投票の前に書いているが、英国のブックメーカーのBetfairのオッズ(賭け率)は残留1・33対離脱4.明らかに残留有利。他も同様だった。

一方、米国大統領選挙の方は、やはりベットフェア社によるとヒラリー1・30対ドナルド・トランプ4・90.とてもTV会社の言う大接戦ではない。米国のウイリアム・ヒル社は民主党4/9、共和党7/4でこのアメリカ式は1・4対2・6。パディパワー社8/15、13/8っつまり1・53対2・620。

おカネを賭ける人たちの方が一生懸命情報を集めている。いっぽうTV局の方は「見通しがつかないほどの接戦」の方が視聴率は上昇するので、まあエンピツをナメる可能性が大きい。

株価は底を打った

ところで株価の方はこのブログで書いた通り6月16日の1万5434円が底で反発中。

三菱UFJ証券のテクニカルアナリスト宮田直彦さんによると「1万7500円を明確に抜けば1月上旬から形成された逆へッド・アンド・ショルダーズからの上放れ開始で、日経平均2万円を目指す展開になってもおかしくない」と。そうはいっても出来高は低調だし、外国人投資家が本格的に買っている気配がない。そううまくいくかどうか。上昇開始はリクツから言うと来週月曜のはずだがー。

実は今回のブログはBREXITが離脱、11月にトランプ当選となったら私のマケ。その時はスミマセンとあやまるが、まあ、当たるでしょう。

映画のセリフから。TV放映のディレクターが言う。

「鼻の形、皮膚の色、宗教その他どんな理由でも、自分が他より優れていて、蔑視したり口撃したりしたら、このホロコーストを行ったナチスと同じ立場です」。ヘイトスピーチを禁止した日本はアメリカより進んでいるのかなあ。

「帰って来たヒトラー」の方は幕切れにヒトラーが言う。「1933年に、大衆は計画を明示したもの、つまり私を選んだのだー」。このヒトラーは本物だからゾッとする。現代のドイツでもナチス復活はあり得る、と映画は云っているのだから。

帰ってきたヒトラー

心配なのはベンガジゲート、EメールゲートでヒラリーがFBIに訴追され、出馬辞退になること。代打のジョー・バイデンでは迫力に欠ける。たよりはCNNが報じたFRB首脳の「犯罪でない」という見方。それに資金面でトランプの資金が逼迫し始めていること。税金の申告を公表していないのもアキレスのかかとだろう。

映画「アイヒマン・ショー」とドナルド・トランプとBREXIT  (第832回) 

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ
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