【初・中級者向き】映画「工作 黒金星(ブラックヴィーナス)と呼ばれた男」と日韓関係の「次の手」
(第974回)2019・8・4
私としては珍しく韓国映画を観た。ご存知の通り、日韓関係に絡んで、「今後をどう見てますか?」という問い合わせが多いので、ひとつ、まとめてみるか、それに絡んで一本、見ておくか、くらいの気持ちで観た。ところが結構見ごたえのある力作だった。
時代は1992年。韓国軍将校だったパクは上司に命じられて工作員になる。事業家に成りすましして、北京で要人と接触、情報と引き換えに「北」で観光を呼び掛ける写真を撮るビジネスを持ちかける。その決断を金正日「将軍様」に決定してもらうため、パクは取引の責任者のリ所長と会う。
広告のための撮影は、金成日の決断で決まり、ビジネスは次第に広い範囲での行動を許されてゆく。
このスパイ映画のすごい所は、次第に政治スリラーとして変貌してゆくことだ。「南」の方は折しも迫る大統領選挙で、「南」の議員や高級官僚たちは、自分たちの権力を守るため、「北」にカネを渡して軍事行動をしてもらうよう依頼。そのやり取りを隠しマイクで聞いてしまうパク。
映画の終わりに、パクは逮捕されて服役したことが紹介される。
功績のある工作員を、ダブルスパイとして捕えてしまうのが、あの国だ、ということを自分で告白した映画だった。思いのほかの作品でもあった。
今回の、日本側のホワイト国から除外した措置に、韓国側はWTOへ提訴するとか、大騒ぎだ。文在寅大統領や大統領府に対し、日本が不適切な事案があったと指摘すると、当初は「証拠を示せ」と言い張った。ところが韓国の国会議員から資料要求されると、たちまち156件もの不正輸出があったことがバレてしまった。
すると、呆れたことに「我々の国も輸出管理制度が、効果的かつ透明性をもって運用されている証拠である」と居直った。
また韓国外相は、米国のポンペオ国務長官に電話して、「日本の輸出管理強化が、米企業はもちろん、世界の貿易秩序にも否定的な影響をもたらす」と、お得意の告げ口外交である。
菅官房長官は、「米国による仲介提案の有無」を31日午前の記者会見で問われ、「ご指摘のような事実はない」と否定した。
私の疑問に答える調査を、例によってパルナソス・インベストメントの宮島忠直ストラテジストが、日本証券アナリスト協会でのプレゼンで、次のような日本政府の日本政府の第2弾、第3弾などの追加対韓政策プランを紹介した。
- はご存知の通り、フッ化水素など3品目の管理強化。②は8月中に発動を予定されるもので、180品目に上る品目を通称「新ココム」(ワッセナー規定)の機微リストに入っているもの、②同時に日本側の企業に「返り血」があれば補助金を供与、③次に「ビザ」で痛めつける作戦がある。企業の移動、トラベルのビザはOKだが、サムスンの年間1万人の対日出張のビザを遅らせ、日本のサムスン従業員の年600人の対韓出張も遅らせる。④それでも韓国側が屈しなかった場合は、奥の手の通貨スワップだ。対韓国で行わないということだ。
私が卒業した慶應義塾の創立者の福沢諭吉先生が、時事新報明治30年10月7日に発表した文章を掲げよう。
「されば、かかる国人に対して、いかなる約束を結んでも、背信違約は彼らの持前なので、少しも意に介する必要はない。すでに従来の国交でも、しばしばあったことなので、朝鮮人を相手の約束は、最初から無効と覚悟して諦めるほかない。(現代語は、私が直しました)
これは以前でもブログでも紹介したが、世界からの対韓投資は激減している。
到着ベースでみると、本年上半期の前年同期比でほぼ半分。特に中国は86・3%減、米国は65・8%減、EUも12・5%減、日本も51・2%減。とくに投資類型別では新規法人を設立する「グリーンフィールド型」は61・3%も減少した。
慰安婦問題、いわゆる徴用工問題に始まて、私が一番アタマに来ている韓国国会議長の「天皇が謝罪に来い」という、書いていてもカッとする、とんでもない不敬発言を含めて、これまで日本人がいかに我慢を重ねて来たことか!両国間の合意を無視し続けてきた韓国に対し、日本側はやむなく、韓国側の弱みを突いたのに過ぎない。「歴史」問題を限りなく蒸し返し、中国にはひたすらへり下る。韓国への日本側の反撃は始まったばかりである。
筆者が調べたところでは、半導体向け素材の買い手の韓国企業が、納入量の30%も自社消費で説明できない規模の横流しが疑われたので、日本側が釈明を求めたが無視され続けたのが根源らしい。
8月2日米日韓外相会談でも、なまじ日本側が、折れないよう、私は心から希望する。(大丈夫だったらしいが)
この映画で2回使われるセリフがある。韓国側のKCIA部長と金正日将軍サマがパクに対して言う「浩然の気」という誉め言葉だ。広辞苑をひいたら「①水が盛んに流れるさま②心などが広くゆったりしているさま」とある。屈託のない心境にあの国の大統領がなればいいのだが、なあ。ムリなのだろうなあ。
あの大統領は、核付きの「北」と合邦して、日本からカネをむしり取ることに、大げさに言うと命を賭けている。こんな男をトップにいただく国民はかわいそうだ。
最後に。8月2日の急落で「びっくりされたことと思うが、NYダウの大幅下落が先行し発生したことは、ご存知の通り。
確かに第4次関税引き上げは青天の霹靂だったが、よく考えれば、実は好材料だったことがわかる。対中の威嚇作戦でもあるし、GDP成長率の引き下げ予想は0・1%なので、FRBは次の利下げを行う理由になる。
日本も同じ。これで10兆円をこえる大幅な財政を追加しやすくなる。この株安は次の政策への催促相場、とみるべきだ。買い場提供以外の何物でもない。「50年もの国債」が次のキーワードである。
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