日本海海戦と私が日経平均5万円を主張し続ける理由 (第1058回)
日本海海戦と私が日経平均5万円を主張し続ける理由 2021・4・4
(第1058回)
明治38年5月27日から28日にかけて戦われた当時の史上最大の海戦。次の三つの
理由で記憶の残る戦いであった。
- ロシアのバルチック艦隊38隻。うち33隻が撃沈、又は拿捕されたり中立国で抑留された。
- 我が方の損害は水雷艇三隻のみで野球に例えると、まあパーフェクトゲームであったこと。
第三には「トーゴ・―ターン」と呼ばれる敵前回頭を行った。漢字でいうと「丁」の形で、ロシ
ア側の頭を押さえる作戦をとり、成功したこと。
日露戦争自体、圧倒的な戦力格差から日本が勝つことは、世界中が考えてもいなかった。
また白人に対する有色人種の勝利はありえないと思われていた。この勝利で日本は一流
国への一歩を踏み出した。日本の誇りだ。
日本人殆どが1989年の3万8915円の歴史的高値を抜かないと思っている。しかし
私は4万円どころか5万円と考えている。日露戦争、とくに日本海海戦と同じじゃないですか?
理由を以下、述べるが、なぜ日経平均3万円が達成されたかを、まず回顧しておく。
- コロナ不況対策で、2020年三大中央銀行は①1200兆円の資金供給を行い潤沢な
資金あまり現象が生じた。
- 幸いワクチン供給が始まり、不況が永続しない見通しが整った
- 当然、コロナ不況で落ち込んだ企業収益は、遅くとも2022年には回復。
これで、カネ余りの下でも先行きが改善されるという株式投資には理想的な環境が出来
上がり、しかも弱気が圧倒的に多いのでジワジワ上がるという長期上昇にもってこいの状
況が現出した。株価水準は低く、割安な水準での長期上昇相場が開始された。
問題は二つ。第一は長期上昇を支える材料があるかどうか。第二はリーズナブルな物価
上昇が期待できるか、どうか。
まず第一。5Gなどの長期材料はすでにこのブログで何回も述べた。ワクチン治癒の進行の
でペントアップ・デマンドが年後半に期待できるが、その規模は判然としていなかった。
パルナソスインベストメントの宮島秀直さんが、日米のペントアップ・デマンド(コロナ不況で
控えていた需要が再燃すること)が巨大なことを立証した。
まず結論。米国から先に述べると、米個人消費を10・9%押し上げ、GDPを7・5%押し
上げる。
計算の根拠は次の通り。2021年1月の米貯蓄率が2019年来レベルまで増加する過程
で可処分所得は2・2兆ドル増加する。ブルッキングス研が住宅や株式に流れる額を昨年
実績から推定すると1・63兆ドル。全体にGDP21・49兆ドルで割ると7・5%。
次に日本。宮島さんは現金貯畜残高から推定する方式をとっている。
コロナ危機で急増した家計部門の現金貯蓄額は25兆円。政府はコロナ収束なら21兆円が
消費支出(ペントアップ・デマンド)に回り、GDP成長率は2・7%押し上げる。4~5兆円は
株式や不動産投資に回ると予想している。
日米ともに、この推計が正しければ、企業収益は、来期30^40%%上昇しておかしくない。株
価収益率(PER)を15倍で考えると日経平均は年末から明年前半で4万円近くが想定できる。
米国ではS&Pが4000ポイントの大台に達し、歴史的な高値を更新した。このことはダウ平均
やナスダックも新高値につながることを連想させる。
もうひとつ。時代が変わったことを指摘しているのはマネースクエアのチーフテクニカルア
ナリストの宮田直彦さんだ。
結論から先に紹介する。
「商品市況は2020年4月から長期の強気相場に入った可能性(中略)。先々で過去最高値を
更新する展開(インフレ時代の到来)が想定されます。」
詳細は別の機会が譲るが、おだやかなインフレ(恐らく3%以上5%以下)なら、タンス預金(
百兆ともいわれる)が動き出す。インフレヘッジとしての株が見直される日は近い。
さて、ここまで書いたので、私は、「5万円」という数字を書き込んだ新著を出すとお考えでし
ょうが、実は4月26日に店頭に並ぶ本は「緊急出版 日経平均4万円時代 最強株に投資
せよ」になりました。」版元のフォレスト出版との話し会いで、これに決めました・次回の本
で「5万円」は入れます。
さて、最後に日本海戦の主人公東郷平八郎連合艦隊司令長官の名セリフでしめたい・
「古人曰く、勝って兜の緒を締めよ」と。
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