宮本武蔵「五輪書」と今回の「ド」を予感した背景と 来週以降の株価の反発。私の強気(第1072回)

公開日: : 最終更新日:2021/07/18 マーケットEye, 中級, 初級, 無料記事 ,

「五輪書」は宮本武蔵の書いた兵法書。地水火風空の五巻から成り立っている。この書の目的は実戦に役立つ兵法の伝授。

すでに三十年間戦闘はなく、剣術の稽古は道場でのみ。武蔵は合戦を知る最後の世代として、後世に自分の経験を残そうとしたのである。

今の相場と一般の認識と似ている。理由を述べる。

五十、六十代のリーダーたちは負け戦つまり下げ相場しか知らない。長期上昇相場を知っている86歳の私としては、この大相場を広く知らせるために、毎週強気を主張している。

 先週のブログとウラ読みで、私のいつもの強気をウラハラに、やや弱気と見られる内容を表明した。

 早速、読者から反応があった。「久しぶりの弱気」「長期での強気に変化はないか?」

 答えは。ともに「イエス」です。

 では、なぜ?

 40年間相場取り組んできたすストラテジストとしては、何となく「ドカン」でなく「ド」か「ドカ」がありそうな場合、予感があることがある。実は7月中~下旬の弱持ち合い相場の目先の終わりに「ド」が来る気がしていた。しかし理由は判然としなかった。

 プラザ投資顧問の伊東秀広さんが「香港のハンセン指数が暴落してます」と教えてくれた。イマイチ、日本株への直接の関連が分からなかったので、不安材料を七つ並べた。

 「結果オーライ」となった。7月5日までの2万8578円から、7月9日の2万7949円まで下げた。「ド」が発生した。

早速、来週は反発局面が期待できますよと、連絡を寄せてくれたのは、いちよし証券の高橋幸洋さんである。

 「200移動平均を下値支持線と見ていたが、(7月9日の)ザラ場では割り込んだ。しかし乖離率が1%を超えた例から見て、調整期間は極めて短期に終ろうとしている。従って、反発局面に入る可能性が高くなった。

 また東証一部の騰落レシオ(25日移動平均)が48・15%と21年5月13日の78・86%に接近している。

 つぎに空売り比率。48・25%と経験的に反発がはじまる50%ラインに接近している。」なるほど。

 しかし、当面の上昇目標を私は低めの3万円未満に置く。

 理由はカンタン。明年4月の証券市場再編による需給の緩和が上値を抑えるからだ。

  例を挙げる。東証一部からプライム市場に上場するには、流通株式比率

を35%以上にする必要がある。

 日経225種のうち10・46%を占めるファーストリテイリングと1・61%を占める中外製薬が除外される可能性がある。(個人投資家協会 木村喜由さんによる)

 前社の場合は、柳井氏一族と関係会社が5150万株、日本銀行がETF経

由で2100万株を保有。これだけで68・4%になる。

 後者の場合は親会社のロシユが59・8%、日本銀行が6~7%。

 ファーストリテイリング、中外製薬ともに記述した大株主以外にも固定株主は多いので、両社株が下落しやすくなっている。両社で日経平均の六分の一を占めるので、日経平均全体の上値は限定的だろう。他の銘柄も、現時点では安値が望ましいと考えていよう。

 しかし、来年4月から証券市場が、新体制になればいっぺんに全上場企業は上値を求め始めるだろう。

明年はコロナ・ショックの打撃から回復し、ペントアップデマンド(22兆ある)が開花。成長率は上昇。現時点での日経平均の一株当たり利益は、2000円以上。

22年3月期のPERは14倍と割安。買い一本で報われるだろう。

結論。私の強気は変わらない。

武蔵の名言でこのブログをシメる。

「我、事において後悔せず。」

関連記事

今井澈のシネマノミクス

映画「アウトブレイク」とコロナ肺炎を材料としたヘッジファンド売りの終息期とここで儲かる投資作戦(第997回)

ダスティン・ホフマン主演の1995年のこの作品は、ウィルス・伝染病・映画の三項目で調べると、必ず出

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「リメンバー・ミー」と安倍首相と米中貿易戦争と投資チャンス

  2018・4・15 この作品は先日のアカデミー賞で、長編アニメ賞と歌曲賞を

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「華氏119」と中間選挙のトランプ勝利と相場の行方

「華氏911」ではブッシュ元大統領を大いにケナしたマイケル・ムーア監督が中間選挙を目前にして反トラン

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「こんにちは、母さん」と第2次トランプ政権とウクライナ停戦。そして日本株。NYの意外高

映画「こんにちは、母さん」と第2次トランプ政権とウクライナ停戦。そして日本株。NYの意外高

記事を読む

基本の話by前田昌孝(第26回、最高値更新とは何か)

日経平均株価が2月22日に1989年末に付けた最高値を上回り、日本経済が新しいステージに入ったとの

記事を読む

PAGE TOP ↑