手塚治虫「火の鳥 黎明編」と円安メリットの再認識。「2」のつく年は「買い」説(第1112回)
手塚治虫は「鉄腕アトム」が超有名だし、声を受け持った清水マリさんは私の妹 充子の大親友なので、ご縁がある。
しかし何と云っても手塚治虫のライフワークだし、原作とした映画、アニメ、ラジオ、ドラマ、ビデオゲームなどで現在も“生きている”名作だ。
私は20代のサラリーマン時代に雑誌に連載されたのを読んだ。心を打たれた名ゼリフを次に述べる。火の鳥のセリフだ。
「虫たちは自然が決めた一生の間、ちゃんと育ち、食べ、息をして卵を生んで満足して死んでゆく。人間は虫よりも犬や猫や猿よりも長生きする。その一生の間に生きている喜びを味わえればそれが幸福というものじゃない?」
円安が「悪い」と決めつける見方が増えて来た。財務大臣や日銀総裁まで言い出した。
私に言わせれば、飛んでもない。
4月10日付のブログで図を入れて説明したが、円安でも日本の輸出品は値上げしてもスンナリ通っている。(詳しくは経済白書をご覧ください)
また物価上昇にしても、資源高が主役で、円安は4分の1の比重でしかない。
(第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣さんの研究による。)
企業収益への寄与が大きく、株価の下支えになつていることは、何回も述べた。設備投資計画が久しぶりに増加していることも、プラスの面として忘れてはならない。また二年続けて倒産が減少していることも。要するに市場にこういうことは任せておくべきである。
何しろ2021年度下記のドル安の想定レートは111円93銭。現実は129円である。
永濱さんのチャートで「10%円安はGDP全体ではプラス効果が勝る」としている。18%の円安が大プラスなことは言うまでもない。
平和がもどつてくれば、インバウンドで日本中が円安のメリットを享受する。今はまだ我慢の時だ。
私は今回、大和証券理事の木野内栄治さんが「西暦で2のつく年は、投資は必ず報われる」という主張を始めたのを、心から嬉しく思う。
下値値探りの現在、長期視点での強気の視点を投資家の皆さんに与えることは、極めて正しく、また必要なことである。

実は今週、来週の「週刊現代」に私の意見を掲載して頂いている。
来週の方が、自分の子孫にすすめる投資の視点なので、年輩の方々にはいいだろう。
結論。ウクライナ情勢とNY株安という重しはあるが、強気の姿勢は不変である。
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