映画「生きる LIVING」とトランプ再選の可能 性。米企業収益悪化が抱く日米「ドカ」。 (第1167回)
映画「生きる LIVING」とトランプ再選の可能性。米企業収益悪化が抱く日米「ドカ」。
2023・4・9 (第1167回)
あの黒澤明の名作をノーベル賞作家のカズオ・イシグロがリメイクした。こう聞くと「さぞかし感動するだろう」と誰しも思う。
しかし、現実は___。まつたく盛り上がりのない作品で、 私は少しも感動しなかった。
ストーリーはご存知の通り。役所の市民課に勤め、妻に先立たれ、あだ名は「ミスター・ゾンビ」。それが癌で余命半年を宣告される。
かつての部下の若い女性と時間を共にするうちに、彼女のバイタリティに感化され、役所でたらい回しにされていた小さな公園づくりに全力をあげる。公園のブランコで歌いながら死ぬ。
人生いろいろ。今回は私への問い合わせが数多いものを集めた。
まず第1がトランプ前大統領への起訴問題。
米国共和党が一元化して、仮に有罪判決が出ても、大統領になる可能性は残る。特に民主党側が支持率が低い。バイデン36%カマラハリス16%。これに対しトランプ50%。
しかし、今回の提訴を軽視できないのは、今回の検事が「確かな証拠でないと起訴しない」完璧主義者だからである。
NYマンハッタン地区検察官(DA)アルビン・ブラッグ氏。ハリウッドの大物プロデューサーのワインステイン氏の起訴で名を挙げた。
ブラッグDAは就任早々、トランプオーガナイゼイションの経営記録改ざんケースの起訴を担当したが、「証拠不十分」で打ち切った。
今回の起訴は、「十分な物的証拠」がある。軽視できない。
さて、第2。
日経平均は私の予想2万8000円台の上の方を裏切って、先週下落している。
犯人は、米国企業の1〜3月期の決算が、かなり悪そうなこと。
S&P500種の一株あたり利益予想は、2023年3月期はマイナス5.3%の昨年12月時点ではプラス0.7%だったから、6.2%の減益。3、4半期つまり9ヶ月の減益。
加えて、ご存知の通り、米国の景気が悪いにもかかわらず、FRBは利上げを続けている。
その結果、1959年以来、2023年1月にはM2つまり現金プラス預金は前年からマイナスになっている。
FRBは最近でも消費者物価は前年同月比6%なので、利上げは止めるに止められない。
では、日経平均はどこで下げ止まるか。
2万7000円、と読む。
すでにTOPIXのPERは予想ペースで13倍と底値水準。
一方、NYダウは少なくとも目先は3万ドルの大台は割らないと見る。あと数%。
私はこの際、年内3万円は無理と思う。
日銀は口先はともかく、現実は量的金融緩和どころか、マネタリーベース、M2ともに伸び率はゼロ又はマイナス。これじゃあ、ねえ。(チャートはBdフルーレット提供)
ただし、中長期でも私が米国経済について強気であるわけではない。
ウォール街の債券担当に聞くと、現在の米国経済の潜在成長率(1.8%)は政策金利が5%以上の状況になれば米国経済は崩壊する、としている。
2008年のリーマンショック当時は公的債務は10兆ドル、現在31.4兆ドルに達している。
確かに利払い費は大変な負担になる。
さて、結論というか、注目銘柄探し。
長期(2、3年)で、ダイキン工業(6367)、東京製鐵(5423)。
代金は自社の規格をワールドワイドにした高技術と最高益。増配。
東京製鐵は低PER(5.6倍!)と増配(80円→85円)
(ナイショ話だが、某お役所の高官が注目してますよ!)
来週、オンス2000ドルを突破した金について書きます。
乞うご期待!
NPO日本個人投資家協会を寄付で応援
よろしければこのサイトを運営している日本個人投資家協会を寄付で応援してください。
寄付で応援
- クレジットカード情報は当サイトでは保持せず、決済代行サービス(PAY.JP)を通じて安全に処理されます。
- 本人認証(3Dセキュア)画面が表示される場合があります。
- 本人認証のため少額(例:11円)が表示される場合がありますが、実際の請求額ではありません。
- 寄付完了後に表示される「
DON-XXXX」を、公式LINEに送るとお礼ページURLが届きます。 - 個人情報の取扱いは プライバシーポリシー をご確認ください。
関連記事
-
-
財政で合意も財政の崖と信用収縮が襲い掛かる
合意したらしたで追加利上げとクラウディングアウトが待っている ※本記事は木村 喜由の『マーケ
-
-
【初・中級者向き】映画「バリー・シール/アメリカをはめた男」と総選挙と株
2017・9・28 トム・クルーズの新作でダグ・リーマン監督の組み合わせは「オール・ユー・ニー
-
-
株主総会探訪記~2015~
「デレ」を見せ始めた
ツンデレ企業のファナックジャイコミ編集部 2015年の株主総会集中日となった6月26日の午前9時すぎ。ジャイコミ編集部の一
-
-
映画「夢を生きた男 ザ・ベーブ」と明年の日本経済は予想より良いとする私の予測。総合経済対策、税制改正の効果2022・10・23 (第1145回)
日本シリーズが始まった。巨人ファンの私としてはヤクルト村上選手の活躍に期待するしかないが、
-
-
映画「キネマの神様」と日本株長期上昇大型相場のスタート(第1077回)
90才になった山田洋二監督の最新作。志村けんを予定した主役が、沢田研二に交代。やはり志村でなければ





