伊丹十三監督「タンポポ」と健全な経営の日本。7月28日の日銀の長期金利の引き上げによる円高、それに私の新刊。嬉しかったこと、などなど
伊丹十三監督「タンポポ」と健全な経営の日本。7月28日の日銀の長期金利の引き上げによる円高、それに私の新刊。嬉しかったこと、などなど
2023・7・30(第1184回)
出所:伊丹記念館WEBサイト
https://itami-kinenkan.jp/about/movie02.html
「お葬式」の大ヒットに気を良くした伊丹十三監督が「食と欲望」を主題にした「ラーメン・ウエスタン」を作った。
長距離トラックの運転手のゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)が、寂れたラーメン屋に入る。店主タンポポ(宮本信子)が、幼馴染の土建屋ビスケンに交際を迫られていた。それを助けようとしたゴローだが、道にやられてしまう。翌朝、タンポポに介抱されたゴローはラーメン屋の基本を手解きし、タンポポに指導を求められる。次の日から行列のできるラーメン屋への修行が始まる。
私が好きなのは、13もあるサブストーリーの面白さと、リストの交響詩「前奏曲(レ・プレリュード)」やマーラーの交響曲の使い方などなど。
またゴローとビスケンがサシで拳闘で戦い、結局仲良くなるシーン(ウイリアム・ワイラー監督の「大いなる西部」のイタダキ)。みんな私は好きだ。あと、卵の黄身を口でヤクザと情婦がやり取りをするシーンも大好きだ。
さて、本題に入る。
先週「日銀があんなに国債を発行し、購入して将来紙クズにならないんですか」という質問に答えた。その後「よくわからない」という声があったので、再び試みます。
チャートを含め、旧知の高橋洋一さんの新作の新・図解経済学入門(ワック出版)から引用する。
「令和3年度連結賃貸対照表(バランスシート)で見ると、571兆円の借金が残る」
「ところがこのバランスシートに、日銀が入っていない。日銀は主派な「政府の子会社」と言える。その日銀の持っている国債は526兆円。差し引くと45兆円になる」。
「国の借金が1200兆円ある」と騒ぐ人は25分の1しかないことを認識すべきだ。これで充分と思うが、いかがですか?
ところで、7月28日日銀はイールド・カーブ・コントロールを事実上1%に引き上げた。
円高は必至だ。仮に10%とすると対ドル136円。輸出産業の株は売り、銀行は買いだ。
そうでなくとも米国株に8月下旬にドカが来る可能性が大きい。このことはこのブログで何回も述べた。日経平均で3万1000円は覚悟しておく方がいい。
なお、8月24日に49冊目の新著が上梓されます。
うれしかったこと、亡妻の一周忌に、昔私のエコノミスト誌の担当のタダさん、山一の後輩で尾道の高尾さんから心のこもったお品を頂戴した、深謝、深謝!
お品
関連記事
-
投資の羅針盤
世界で定着するシャドーバンキング
預金銀行を凌ぐ成長性に注目日本個人投資家協会 副理事長 岡部陽二 通常の預金銀行システムの外で行われる金融活動を総括する用語
-
木村喜由のマーケットインサイト
2014年11月号
2つのサプライズで割高感、利益確定を日本個人投資家協会 理事 木村 喜由 驚いたことが二つ立て続けに起こった。 一つは言うまでも
-
木村喜由のマーケット通信
投機筋にとって日経225を300円動かすのは容易
週末SQは目が離せない日本個人投資家協会 理事 木村 喜由 日経225の前日比変化率が1%未満を続けて20日に
-
映画「HANA-BI」と安倍内閣の前途と外人機関投資家の対日投資作戦 (第1019回)
第54回ベネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した秀作。故黒澤明監督が選んだ「世界と日本の100本の
-
映画「殿、利息でござる!」と私の日経平均4万円説の背景(第1113回)
日本映画としては珍しい金融問題を取り扱った作品。中村義洋監督で、瑛太と妻夫木聡が主演。磯田道史さん