映画「こんにちは、母さん」と第2次トランプ政権とウクライナ停戦。そして日本株。NYの意外高
映画「こんにちは、母さん」と第2次トランプ政権とウクライナ停戦。そして日本株。NYの意外高
2023・9・10(第1189回)
山田洋次監督作品は大好きなので、早速観に行ったが、観客席はガラガラ。吉永小百合が主役と思ったが、実際は大泉洋の息子が中心。何が言いたいのか、映画のテーマが全く分からない凡作だった。
やはり78才の吉永小百合の集客能力に限界が見えたのだろう。60年をこえる芸歴には敬意を表するが。
さらにひと言。サユリストの1人としてはホレた相手が全く魅力がないのが、映画としての値打ちを落としている(私の方がよっぽど魅力的だ。うぬぼれるな!という声がきこえてきそうだが――)。
出所:映画パンフレットより
あと14カ月に迫った米国の大統領選挙。
やはりバイデン対トランプの対戦になりそうだが、情勢を分析すると、バイデン側に不安要因が多い。
私のワシントンの情報ソースの一つである「WASHINGTON WATCH 2023年9月4日号」によると――
①バイデン大統領は、大統領専用機や演壇への昇降でつまずく。このため最近は短い階段を使っている
②認知症の噂は絶えないし、睡眠時無呼吸症候群の治療機器を使っている
③ハリス副大統領は政治指導力が弱く、党を結集する魅力に欠けている
米国民の77%はバイデン大統領の高齢は大問題とし、民主党支持者でも69%、共和党支持者だと89%が問題とみている。
結果として「バイデンこけたら民主党こける」というのが現実である。
一方、共和党側はトランプ前大統領が圧倒的にリードしている。
WSJ紙の9月の調査では「共和党予備選の有権者の59%がトランプ氏を最良の候補とし、これは4月よりも11ポイント高い。
同紙は「ドナルド・トランプ前大統領の復権を同盟国も敵対国も想定し、準備を進めている」とした(8月31日付)。
誰もが考えるのが、4つの起訴がどう影響するか、である。
結論から述べると、民主党系の検察官による起訴は、トランプ氏が共和党の候補者指名を獲得する後押しとなっている。
WSJ紙は「トランプ氏の起訴で同氏に投票する可能性が高まったと答えた人は48%、低くなったと答えた人は16%、投票に影響しないと回答した人は36%」。
では、第2次トランプ政権は何をするか。
欧州有力諸国はウクライナへの援助が打ち切られる可能性大、とみて準備をするに、おこたりない。もちろんロシア側も期待している。
ロシアに近いハンガリーのオルバン・ビクトル首相は「トランプ氏の勝利を願う」と何回も発言している。
では、ウクライナ戦乱がどう、またいつ、終息するか。
トランプ前大統領が当選すれば、即、終戦だろう。
何しろ、共和党立候補者の45%が「ウクライナへの援助は多すぎる」とみているからだ。
4月、5月ごろの予備選たけなわな時期に、先手を打って、バイデン政権が突如として停戦を申し出る確率は少なくない、と私は考えている。
では、日本側はどう対策を立てるべきか。
やはり、戦乱が治まること自体は好材料だから、①総合商社、②重電機メーカー、③建設機械メーカーには買いが入るだろう。
おりもおり、セル・イン・オーガストが終わり、買いの時節に入った。現在の企業側の収益見通しがきわめて慎重だが、4~6月期の法人企業統計からみて、増額修正は必至。やはりとりあえず日経平均3万5000円を目標に欲張るべきだろう。
なお、岡山の私のファンから「(私が)倒れたと聞きました。頑張ってください」と励ましのお便りをいただいた。有難うございます。
最後にオマケを。NYダウの相場つきが良くなったと思ったら、私のNYのソースが「FRBの利上げ停止を示唆する経済指標が相次いているよ」と示唆してくれた。
FRBが利上げを予定しているのだから、実現性には疑問が残る。しかしチャート①②が示す通り、物価は下落し、景気先行指標は4カ月連続で上昇。ゆるやかなインフレと軟着陸が予想される(チャートは野村アセットマネジメント石黒英之さんによる)
私が信頼する箱田啓一さんは「NYダウは9月末から11月にかけて上昇トレンドに入る」と予想している。ご参考までに。
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