大河ドラマ「べらぼう」とヘッジファンドの大量ショートポジション。それに日本株のリスクの検討

2024・1・12(第1255回)

番組HPより>

吉原を舞台とした江戸末期、というとやはり視聴率を大きくかせぐのはむずかしいと考えていたが、主演の横浜流星さんがなかなか魅力的である。期待(?)がウラ切られることを期待している。

「べらぼう」の意味だが「ろくでなし」とか「つかい場所のないダメ男」ぐらいの意で使われている。ヒマつぶしを兼ねて、メシ粒をひとつずつへらでつぶしているダメ男。そのへらを「へら棒」と呼び、いつしか「べらぼう」になった――とか。どうでもいいことだが。

わがビジネスパートナーのSAIL社代表大井幸子さんが、最新の情報を伝えさせてくれたゴールドマンサックスのレターによると「(昨年末に)ヘッジファンドが群をなしてショート(空売り)ポジションを積み上げた。

「(米国の)個人投資家は強気、中堅中小企業の経営者の半分がまだ強気だが、ヘッジファンドはかなり弱気で売り中心。なぜか。

きっかけは、FOMC(12月18日)でパウエル議長が「この先利下げは2回だけ」というタカ派的発言をしたこと。売りセクターはヘルスケア、金融、インダストリアルズ。

保健福祉省長官が、ロバート・ケネディ・ジュニア氏。この人はアンチワクチン論者で医薬業界ウォール街では不安心理が高まっている、株安はその反映である。

買いは相変わらずテクノロジー、素材、エネルギー、シェール革命の浸透で関連銘柄は強い動きだ。

一方、大井さんは「日本株は心配だ」という。「年始6日に587円安、翌7日に776円高だった。「プロの誘い水」というそうだ。この上げにつられてシロウトが買いを入れると抜けられず大損をする、とか。

たしかに、出来高の大幅減が目立つ。

強気で鳴る私も、少々いやーな気になる。

いくら何でも地震が多い。日本の資金が海外から国内に引き揚げられ、株安。大幅円高になる。たしかに2011年3月11日のときは大きな円高だった。

ただ、杞人の憂え、そんなことを言っていたら、何ひとつ出来ない、という声が聞こえそうだ。私は講演会で、「じゃ、あなたは何を、どうする(あるいはしたい)のですか?」と聞かれる。答えは、ない。

悪い話ばかりでがない。、GDPが何と14兆円もふえる、とか。

<日本経済新聞1月8日の長浜利広氏の寄稿より>

新しい基準が理由。3%近い増加である。悪いことでは、ない。

<日本経済新聞1月8日の長浜利広氏の寄稿より>

まあ、元気を出して行きましょう。

最後にCP(消費者物価上昇率)について。第一生命経研の熊野英生チーフアナリストが「体感物価」という考え方を披露した。

皆、「生鮮食品を除く」数字だが、毎日の市民生活はその生鮮食料品(約4%のうウエイトで給料は加重平均している)を除くから、実感がない。何と実感では15%に達する。2だの1.5だのとはケタ違い。エコノミストの皆さん(自戒をこめて)実情を重視した分析をしましょう。それにしても熊野さん、あなたはエライ!!

関連記事

今井澈のシネマノミクス

映画「あん」と日本人と外国人の株への見方の差
今井澂・国際エコノミスト

  今週はいい映画を3本。 150万部売った「イニシェーション・ラブ」。ミステ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「シン・ウルトラマン」とロシア戦費の枯渇。したたかな日本経済。日本株の6月末の買い場を狙う作戦。(第1120回)

興行収入が素晴らしいと聞いた。かつて、私の息子たちに「ウルトラマン」の主題歌を歌ってやった記憶から

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「ホーム・アローン」と私が注目している二つの素晴らしい仕事

映画「ホーム・アローン」と私が注目している二つの素晴らしい仕事 2023・12・24(第12

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「検察側の罪人」と魅力的なマザーズ市場の注目銘柄

2018・8・26 原作はかなり前に読んだが、映画はずいぶん内容が書き加えられて、原田真監督の

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「ジェミニマン」と助走開始したFRBのQE4の威力(第986回)

ある高名な映画評論家が「映画史の残るエポックメイキング的」と評したので、実は上映開始の時に観た。な

記事を読む

PAGE TOP ↑