ロンドン・エコノミスト誌の新年のキーワード。トランプ=石破会談、そしてバカみたいに私が強気でいる理由

2025・2・16(第1259回)

この雑誌は毎年、楽しみに読んでいるのだが、新年のキーワードが面白い。例えば――

2024年は「Vote-a-rama!」選挙だらけの年。トランプ登場で米民主党政権は終わり、日本も少数与党、英国も労働党政権に交代、韓国はご存知の通り大混乱の最中だ。

では今年は――

「Trump, technology, and uncertainty」(トランプ、ハイテク、そして不透明)である。早速トランプ氏はカナダを51番目の州、グリーンランドの領有権、パナマの運河管理権の米国への回復など、たしかに「不透明」な政策ばかりである。

その中で行われたトランプ=石破会談だが「うまくやった」の声が高い。私が以前から予言していた通り「対中国で抑え込み政策をとっている米国が、アジアでの巨大国である日本を重視するほかない」

私の言いたいことは、石破首相ひとりでなく、日本という国家自体を重視してトランプ米大統領は会議を終えた、ということである。要するに、誰でもよかったのである。

ではトランプ政権はどんな政権なのか。合理市場つまりウォールストリートとハイテクがこの政権の本質である。その象徴がイーロン・マスク氏と考えると分かりやすい。

さて、いろんな人が「イマイさん、そんな強気でいいの?」「金利を上げて来ると、中小企業がツブれるよ」などなど。強気はヤメなさい、と言って来る。

しかし私は「2022年7~9月期から中期循環が始まっている(拙著『日本経済大復活』をごらん下さい)。私が強気な理由は、これである。

これに加えて、需給面では米、カナダの年金が押し目に買って来る。トヨタ、ホンダ、ソニー、パナなど日本を代表する銘柄は推したら買うという姿勢が好ましい。

政治ですか? トランプ訪日で年内の政治はとりあえず安泰。衆参同時選挙がある。加えてウクライナ停戦がある。現在では5月ごろとみられている。「復興関連銘柄」――たとえば日立、コマツなど――の出番がある。

強いて投資をヘジテイトする要因は?

私がみるところ「地震」である。

このところNHKで「南海トラフ」について「深掘りした番組」を良く組んでいる。また中規模地震が、まぁしょっ中、起きている。海外投資家へのアドバイザーは「大震災が起きてから買いを入れた方がいい」というアドバイスをしているらしい。私はしていると思う。

もうひとつ、中国経済の破滅も懸念材料だろう。ごく目先は私は、景気テコ入れ策が効き始めているので、上向きだと思うが、不動産不況は最終的には破裂するのが、恐らく2、3年先とみている――。

大方の海外の運用担当者もそう考えているのだから、買いは控える・

ChartParkより>

歴史的高値をつけた金先物市場についても、ひと言のべたい。私はオンス3000ドルを永い間目標値として主張して来た。すでに2900ドルをつけたのだからこの目標値も意味がない。

幸い著名な若林栄四さんは「最終的にはオンス7500ドル」という目標値を述べておられる。ご参考までに。

(先週は体調不良のため、休載させて頂きました。スミマセン!!)

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