映画「碁盤切り」と「ミラン論文」が示すトランプ関税の行く末

2025・5・4(第1271回) <映画公式サイトより> 戦前の東京の下町では、講談や落語のプロを自宅に呼んで楽しむ――といった風習があった。祖父のヒザの上に抱かれて、おさない私は聞いたものだ。もっとも、すぐ寝たらしいが--。 今回の「碁盤切り」は浪人・柳田格之進にまつわる物語。私は講談で聞いたが、調べてみたら古典落語の分野らしい。えん罪で藩を追われ、浪人暮らし。草彅剛

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「高額療養費制度」見直し議論を機に、公的医療保険のスリム化を

医療や創薬の技術が進歩して、年間1千万円を超えるような薬剤が処方される高額医療が急速に増えている。患者負担が重くなるのは当然である。 このように高額の患者自己負担を軽減すべく導入された高額療養費制度への国費投入が嵩んできたため、石破茂政権は、本年度の予算編成にあたり、患者負担の上限を段階的に引き上げ、当面年間2,000億円見当の医療費を節減する案を、公的医療保険改革の第一歩として、打ち出した

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基本の話by前田昌孝(第40回、投資単位引き下げの影響)

東京証券取引所が上場株の最低投資金額に当たる投資単位を10万円程度に引き下げるように全上場企業に要請するという。10万円は1単元(100株)当たりの金額だから、株価は1000円程度ということになる。実現すると、個人投資家の株式投資にも大きな影響がありそうだ。 投資単位と売買単位の違い 株式投資の世界では分かりにくい用語が多いが、投資単位、売買単位などもその一つだ。売買単位は取引所で株

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急上昇が始まったNY、東京市場の株高。戻り値はいくらか

2025・4・27(第1270回) SAILの大井幸子さんが言っていたが、4月21日に始まる週からNY市場で「自社株買い」が解禁となる。短期的に底打ち感が出る。予想通り。つれて日本株も上げた。 では、戻りはどうか。 私の見るところ。いい打率でヒットをあげているひとがいる、プラザ投資顧問室の伊東秀広さんだ。 この人にもどりを聞くと、 「3万6684円~3万6440円の

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米中関税戦争の激化と両国投資家の金購入

2025・4・20(第1269回) <内閣官房のXより> 国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく米国の相互関税は、累計145%に達した(丸紅経研レターによる)。 中国にとり米国は輸出額全体の15%を占め、GDP3%弱に相当する。 当面の注目点は、両国の政治的方向性が交わるのは困難なことである。まず米国側は、自由貿易体制の下で自国の製造業がシェアを下げ、基盤を失っ

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「シグナルゲート」スキャンダルと中国で起きている習近平「地位失脚」の懸念

2025・4・13(第1268回) <トランプ大統領(左)とヴァンス副大統領:ロイターより> 前回、明るい話をご紹介した折に、暗い話は次回に、と申し上げた。そこで今回は、二つ。 「シグナル」はメッセージソフトで、文章の送受信などで広く使われている。 去る3月15日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派への攻撃を行った。第二次トランプ政権にとり中東での軍事作戦としては

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軽いスタグフレーションに向かう米国

株価が下落するのでトランプの相互関税は不可能 前回、トランプ関税と金星逆行のジンクスについて書いたが、ほぼ想定通りの展開となった。想定外だったのは「相互関税」という、相互という名にそぐわない一方的大幅増税だった。実はこれはトランプ流の駆け引きのためのフェイクニュースである。鬼面人を驚かす手法で世界に混乱を引き起こし、沈着冷静な判断力を吹き飛ばしておいて、自分に有利な条件を引き出すための作戦で

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