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「方丈記」と安倍政権の方針転換と外国人投資家の変貌、さらにトランプ政権への不安材料(第1008回)
「行く川の流れは絶えずして、しかも、元の水にあらず。」有名な書き出しで、高校生だった私には、この無常観には反発したものだが、もうすぐ85歳の私には十分理解できる。 この随筆の中の前半のパートは12世紀の天変地異と人間の無力さについて書かれている。いわく大火、竜巻、飢饉、地震―。今回のコロナと読み合わせると、実感できる。 鴨長明は高位な神官の家に生まれたが、地位にはつけず、草庵で
コロナ禍、第一波終了後の戻り局面
2020/04/15 | マーケットEye, 上級, 有料記事 マーケットインサイト, 木村喜由
欧米の患者急増場面は峠を越す、アビガン投入期待で不安心理は沈静へ 前回執筆は3月11日。イタリアの感染者数は2千程度で米国では新型コロナの死者が出始めたばかり。しかし4月13日現在累計感染者数185万人、死者11.4万人となり、筆者の想定(特に死者数)を大きく上回って事態は推移している。 各国のPCR検査体制には大きな差があるうえ無症状感染者等の検査漏れが大量にある。筆者は真の感染者数
映画「誇り高き男」とコロナ肺炎特効薬の発見と日本株二番底説の当否 (第1007回)
主演のロバート・ライアンは渋い二枚目だが、悪役も沢山演じ、とてもうまかった。もちろん正義のヒーローも演じた。この作品は黒澤明監督が選んだ100本の映画の中で、西部劇では「荒野の決闘」とこの「誇り高き男」の2本だけ選ばれたので、少々驚いた。「駅馬車」も「シェーン」も入っていない。選んだ理由として黒沢監督はライオネル・ニューマンの主題歌、ルシアン・バラードのカメラを挙げた(「夢は天才である
「個人の自助努力を政府が支える英国年金制度に学ぶ」投資の羅針盤 岡部 陽二
英国は21世紀に入って先進国最高の経済成長を続け、2018年には賃金上昇率が米国を抜いて先進国最高となった。今後も、もっとも経済成長が有望な国と考えられよう。 英国経済が強い原因として、本年1月号「英国経済はブレグジット完遂で再び成長軌道へ」では次の2つを指摘した。 ①根強い個人消費の伸びと大幅な最低賃金引上げをテコにした賃金上昇。 ②食料とエネルギーの自給政策を推し進め