「 岡部陽二 」 一覧
投資の羅針盤
ココ債は株式よりハイリスク
日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 年初来、世界的に株価が急落、日本株も海外投資家の主導で株価の下げが止まらない。中国経済の減速による新興国経済の失速や原油価格の低迷に加えて、1月28日のドイツ銀行の赤字決算発表が市場をパニックに陥れた。 同行発行のココ債(ContingentConvertible Bonds、Cocos、偶発転換社債)と呼ばれる新型劣後債が株式に強制転換されるとの風評
投資の羅針盤
マイナス金利は「百害あって一利なし」
日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 日銀は1月29日にわが国史上初となるマイナス金利の導入を発表した。 これは、昨年後半来の消費者物価の低迷とGDPの不振(昨年10~12月は実質で前期比年率換算1.4%減、15年暦年では前年比0.4%増)に加えて、年初来の急激な円高・株安を受けた政策対応とされている。 市場はこの追加緩和を好感していったん円安・株高に動いたものの、2月に入ると大きく
投資の羅針盤
年初来の市場乱高下は経済危機の前兆か
日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 年初早々から大波乱に見舞われた株式市場は、1月22日に至ってようやく急反発、1月末には半値戻しまで回復したものの、先行き不安は収まっていない。 日本のみならず、世界の株式市場、為替市場、原油市場の乱高下を実体経済が危機(急速に訪れる深刻な不況)に陥る前兆と見るべきか、単なる投機筋の悪戯であって世界全体の景気に大きな悪影響はないと判断すべきか、考えてみた
時価総額更新を機に日本株投資戦略を再考しよう
日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 東証第一部の時価総額(終値ベース)は昨年(2015年)の5月22日に591.3兆円となり、これまでの最高額であったバブル経済ピーク時・1989年12月29日の590.9兆円を約25年ぶりに更新した。 その後、株価は低迷したものの、年末の時価総額は585.0兆円と年間では15%増え、過去のピーク時にほぼ並んだ(図1)。 日経平均株価のピーク時
BRICS時代終焉でも過度な悲観は不必要
日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 IMF(国際通貨基金)は11月に発表した今年(2015年)から2020年までの世界経済中期予測で、これまでの予測を大幅に修正した。 一言で要約すると、世界全体の実質GDP成長率は2015年の3.1%から、2016年:3.6%、2020年:4.0%へと順調に伸びるものの、①先進国のGDPは2016年の2.2%をピークとして横ばいから下降に転じ、②すでにピ