あの人気銘柄より稼ぐ同業とは?
収益力の分析②

公開日: : 最終更新日:2015/07/05 ゼロから学ぶ投資 ,

金融リテラシー講座「投資のための財務分析」21回

今回はEBITDAについて説明します。EBITDA(Earnings  Before  Interest, Taxes, Depreciation  and  Amortization)、利払い前、税引き前、減価償却等償却前利益という意味です。日本語としての読み方は定まっていません。私はイビツダと言ってますが、イービッダーと言う方が一般的なようです。

会社の純利益は、そのときどきの金利水準、各国の法人税率、減価償却の方式・期間によって変化します。そういったものを排除し、収益力の素顔を見ようというのがこの考え方です。

この数値の出し方ですが、お勧めする方式は営業利益に減価償却費を加えたものです。簡易版のEBITDAです。

 

EBITDA(簡易版)=営業利益+減価償却費

 

下の表は合繊3社の収益力の比較です。

帝人

 

このところ株式市場で人気が高いのは東レ(3402)でしょうか。炭素繊維では世界トップの売上を持っており、売上高は順調に拡大しています。2012年3月期が過去最高益。前期も高水準の利益を維持しています。今期2015年3月期は最高益を更新する予想になっています。

一方、帝人(3401)はリーマンショック後中々業績が回復しません。2011年3月期は利益がかなり回復しましたが、その後減益になっています。売上高営業利益率は低迷しています。

この2社、売上高営業利益率で見るとはっきりとした差があり、東レに対し帝人は見劣りします。しかし、売上高EBITDA比率で見るとそれほど遜色ありません。

 

クラレ(3405)の売上高営業利益率は10%を超えており、帝人、東レに差をつけています。さらに売上高EBITDA比率で見ると差はもっと拡大します。収益力ではこの3社中断トツです。ただ、PERなど投資尺度は3社の中で一番割安になっています。昨年、手持ち資金を使って米デュポンのビニルアセテート事業を買収しました。長期的には投資妙味がある会社だと思われます。 

金融リテラシー講座 第22回 お金の流れの事実をどう読み解くか?キャッシュフロー計算書①

フィナンシャル・アドバイス代表 井上 明生

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