あなたの外国株投資は店頭取引?委託取引?
ある男性の憤怒【中】

公開日: : 最終更新日:2016/06/30 損する前に読め!, 無料記事 ,

ジャイコミ編集部

上編に続き、外国株投資で「落とし穴」を経験した男性の話をお届けする。

「委託取引」「店頭取引」の違いを知らされないまま、手数料が高い「店頭」で取引していた男性は「手数料分、損させられた」と憤りを抱き、行動を開始した。

赤井証券(仮)のお客様相談室への電話、社外取締役に名を連ねる弁護士の事務所へ電話、グループを束ねるホールディングスへの電話、FINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)へ電話、関東財務局へメール、ネット上での発信、等々。

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写真は本文と関係ありません。

すると、赤井証券の内部監査を担当する部署から連絡があった。男性と営業マンとの電話での会話を録音してあり、それを聞きにきてほしいという。

今年1月、男性は支店に出向き、内部監査の担当者、赤井証券の課長とともに録音内容を聞いた。

すると、営業マンは売買のたびに「店頭と委託がありますが、店頭でよろしいでしょうか」あるいは「店頭でよろしいですよね」と口にしていた。言っていない時があり、課長は苦い顔をしていたが、男性はそれよりも、そもそも店頭取引と委託取引について何の説明も受けていないなかで、ただ言質だけがとられており、ごまかすように早口で「店頭で」と言っていることに憤りを覚えた。

録音と書面という証券会社の武器

昨今、証券会社は顧客との会話を録音している。営業マンの不正行為を防ぐというのが第一目的だ。また、顧客は、取引の内容や投資におけるリスクについて、「説明を受けて承知している」という文面の書類にサインをするよう求められる。これらは証券会社のコンプライアンス上のツールとして導入されたものだが、顧客が取引の途中で「そんなことは聞いていない」と訴え、証券会社と言い分が食い違った際には、時として証券会社の武器となる。「顧客が承知していたことは明らかで、損が出たから文句を言っているだけ」というわけだ。

しかし、男性が外国株取引の話を最初に聞いた時は”店頭取引””委託取引”という名称も違いも聞かされていない。営業マンが自宅に訪れたため、当然、録音はされていない。
手数料について問いただした後、自宅にやってきた課長は会話を録音していったが、その口からは”店頭取引””委託取引”の言葉は一切出てこなかった。支店に出向いた際、男性は内部監査の担当者にその録音も一緒に聞こうと申し入れたが、「残っていない」とかわされた。「あの時、課長が録音すると言ったのは、僕から脅されないようにするための防御策だったのか」。男性の憤りは募るばかりだ。

非難を覚悟で男性が訴える理由

賢い投資家諸氏は、この男性のことを「なぜ自分の取引内容をしっかり確認していないのか」「証券会社の営業マンを信用してはいけない」と突き放すかもしれない。だが、男性が「自分がバカだった」という悔恨を抱えながら、非難を受けることも覚悟のうえで経験を話すのには理由がある。

「まだ気づいていない人を発掘したい。広く知れ渡ることで、彼らがこの手口を使えなくなることがベストだ」。

50代半ばの自分でさえ気づかなかったのだから、おじいちゃん、おばあちゃんの場合、なおさらではないかー。

ジャイコミ編集部も、この男性に限った話ではないと思うからこそ、彼の話を伝える必要があると考えた。

稼ぐ手口が投信からシフト

1つの証左として、ある雑誌記事を紹介しよう。

『週刊ダイヤモンド』2014年9月27日号、「金持ちをカモにする証券マン 活況呈する外国株投資の裏側」という1ページのコラムである。

証券マンが手数料を荒稼ぎする手口が、投資信託の回転売買から外国株にシフトしているという。“丸い客”ー証券マンの言うことを何でも聞いてくれる客(兜町かいわいの隠語らしい)を相手に勧める投資手段が変わったというわけだ。

記事では「委託取引では顧客の注文を取り次ぐだけのため、稼げる手数料はたかが知れている」が、店頭取引では「売り買いで計4%程度も手数料を抜ける仕組み」。そこで証券マンたちは「明日はこの価格で買えないかもしれませんし、為替も今の水準で構いません」などと、顧客を言葉巧みに店頭取引へと誘導するーと実態を伝える。

「誘導」とソフトに表現しているが、いったいどのように行われているのか。男性の話を聞くと、疑念が膨らむ。

さらに、記事で紹介する取引の中身も男性の話と似通っている。

「値動きの激しい株を勧め、“回転売買”させる」ー今回編集部に証言してくれた男性も、売買はすべて営業マンの勧める通りの銘柄とタイミングで行った。挙げられた銘柄も少し前の「グーグル」、最近の「イェルプ」と記事にあるものと同じだ。
男性は1つの銘柄を買い、それを数日〜数週間後に売ると、ほぼ全額をまた別の1つの銘柄に投じるという形で約10銘柄を取引した。9月には、営業マンは「アメリカは決算期ですから、決算がよさそうな会社を選んで買って、株価が上がった翌日売りましょう」といい、毎朝のように電話してきたという。

記事は最後、「“丸い客”(=営業マンの言いなり)になることなく、自分にとって最適な取引手法を選ぶことが重要だ」と結ぶ。ただ、“選ぶ”ために必要な情報どころか、その選択肢自体を売る側=証券会社の営業マンが提示していなければお話にならない。

外国株営業については、さらに驚くべき実態を伝えるニュースが流れてきた。

(下編に続く)

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