プレビルド購入のローン裏技教えます!
実録・投資セミナー海外不動産編②
ジャイコミ編集部
投資セミナーに行けば、販売会社がどんな投資商品を売りたがっているのか、どのような口説き文句を使っているのかがわかる――。
「いまはフィリピン、フィリピン!!」に続く海外不動産投資編。今回の舞台はおしゃれな大人が集まる街、表参道だ。
セミナー会場に到着すると、すでに10人ほどの参加者が席に着いていた。
談笑しているのは爽やかな石田純一風の50代とおぼしき男性に、黒のタイトなワンピースが似合う草刈民代風の40代女性。今まで参加したセミナーとは異なり、セレブ感が漂う会場だ。さすが表参道。
聞けば、普段はキャリアアップや起業を考えている人を対象にセミナーを開催しており、なぜか土日はフィリピン不動産の勉強を行っているとのこと。バブル臭ぷんぷんの意識高い系の集まりということか。
良心的な説明、かぁーらのぉ~
今日の講師は若い男性で、印象も悪くない。が、「説明が苦手」と自ら申告するように口調がちょっとたどたどしい。
説明は毎度おなじみフィリピン経済の成長性の話から。ただ、前回と異なるのは「プレビルド」(「プリセール」「プレセール」とも言う)での支払い方法について、少し踏み込んだ点だ。
プリセールとは、物件のパンフレットが来て、その状態で購入できる感じ。
支払い方は3つある。1つは現金一括でいま払う。2つ目は竣工時に現金一括で払う。目の前で見てから「建ったんだ」と。
3つ目が銀行ローン。まず3年かけて竣工までに50%分を支払う。残り50%は竣工時に。できた物件を担保に銀行ローンを組む。フィリピンの銀行では保証人をつけずにローンを組めるが、金利は年6~9%と日本と比べると高い。また、竣工の半年前から現地の銀行と交渉しないといけない。
ここがハードル高い。物件評価額の書類を出せとか、そういうやりとりをすべて英語でしないといけない。
トラブってデベロッパーから物件を没収されるというのも結構あると聞く。竣工前に30%分を支払った人が残り70%分はローンを組めそうになくて助けを求める声もすごくきている。
「結構、良心的な説明もするではないか」と思ったら、これは次の話の布石に過ぎなかった。
現金一括払い以外で購入する場合、「なるべく手出しが少ない賢い買い方はないの?」という人もいらっしゃるでしょう。そのような方には弊社グループ企業にフィリピンで金融を行っている○○バンク、○○ファイナンスがある。
フィリピンで車のローンを組んだら、金利はいくらと思います?貸し出し金利は18~20%です。笑っちゃいますよね。
フィリピンの人は最終的な着地(返済額)を見ていない。来月いくら返済すればいいかしか見ていない。明日から車に乗りたいという気持ちのほうが大きい。ノンバンクだと年60%くらいの金利で、個人だと年利150~200%は当たり前で貸してます。つまりフィリピンで金融をやるともうかるんです。
一方で、うちの客は不動産を買う際にローンを組むと6~9%の金利を負担しないといけない。そこで「何か考えて」と、○○バンクに投げた。その結果、税引き後10%の利回りをつけてもらえる話を取り決めてもらった。
個人だと年利150~200%という話の信ぴょう性も含めて、だんだんいかがわしくなってきた。
(金利は個人向けローンなのか、個人間での貸し借りかは不明だが、日本も1980年代前半までは109.5%の貸し出し金利が貸金業にも認められていたので、一概にウソとも言えない)
100万円で1000万円の物件が買える!?
講師が明かしたカラクリは次のようなものだ。
先のプリセールの説明で記述したことと矛盾する部分もあるが、そこは多目にみて読んでほしい。
3年後竣工予定の1000万円するコンドミニアムを買うとしたら、デベロッパーにはまず10%分の100万円を頭金として支払う。次は竣工直前。このときも10%分を先に払わないといけない。その後、残り800万円を支払うことになる。
ただ、他社だとこの80%分(800万円)全額はローンがつかない。大体5割か6割ぶん。それが弊社なら1000万円の3分の1の額、333万円を○○バンクに「頭金」として預けてもられえば、ローンも組めるうえに、この「頭金」も後で返ってくる。先ほど説明したように、フィリピンで○○バンクが貸し出せば金利10%以上で333万円を運用できる。竣工直前でデベロッパーに支払う100万円は、貸し出しによって得た利息でみなさんの代わりに払う。
ローンの800万円は借金と思われるかもしれないが、○○バンクに預けている333万円が生む利息と、竣工した物件からはわれわれが客(賃貸客)をつけるので家賃収入が入る。800万円はそれで10年あれば完済できる。最初に預かった333万円はローン返済後にお返しする。結論を言うと、皆さんが支払う必要があるのはデベロッパーに支払う最初の頭金の100万円と手数料(約30万円)だけ。
ご理解頂けただろうか。
この会社がフィリピンで運営している銀行にお金を預ければ、そこでローンも組めるうえに銀行預金金利(運用収益?)と家賃収入でローンが返済できる。しかも最初に預けたお金は後で戻ってくる(引き出せる)ので、結果的に1000万円の物件が100万円(手数料込みで約130万円)で手に入るというのだ。
講師は「為替はわからない」とリスクにも言及している。そのうえで「われわれが金利(○○バンクでの預金金利)で負担できない場合、3万円くらい払って下さいということはあるかも」と述べた。なお、3万円が「月3万円」なのかどうか、詳細は不明だ。
「これはあくまでも買い方の一つ。現金で買う人は現金で買った方がいい」と補足したが、”本当に”100万円で買えるならそちらの方がいいに決まっている。
ここまででも十分このセミナーに来た甲斐はあったが、講師はさらに新たな投資案件の話を持ち出した。
(以下はランドバンキングで夢を語る実録・投資セミナー海外不動産編③へ)
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