日経225架空の高値更新
ヘッジファンドは下にも振る
需給良好、押し目を拾う勇気はあるか
木村喜由・JAIIアカデミーレポート

公開日: : 最終更新日:2015/04/01 マーケットEye, 協会ニュース ,

(ジャイコミ編集部より)JAII(日本個人投資家協会)アカデミーは、JAIIセミナーよりも小規模かつディープな会員向け勉強会です。3月26日に開かれたJAIIアカデミーについて、配布資料を特別公開してお届けします。図8点を贅沢に掲載、銘柄情報もアリです。

原油価格急落後の市場展望

講師:日本個人投資家協会 理事 木村 喜由

◇ポイント

  • ECBの量的緩和で流動性バブル再加速
  • 米国の利上げ接近、順当なら3年利上げが続く
  • 原油安は需要国と産油国で対照的な影響、エネルギー投資に急ブレーキ、消費国では消費下支え
  • 日本株の株式需給はきわめて良好、押し目は勇気を出して拾える
  • ROE重視で自社株買いが大幅増の公算
  • 人口減で現金と不動産の実質価値は低下

超過熱のドイツDAX

ドイツDAXは2009年3月安値から3倍以上に上昇。10月からは約42%の急騰。10月末の黒田バズーカ2、1月のECB量的緩和決定でヘッジファンドが株式先物の大量買いに動く。目先は超過熱で反落に要警戒。

20150326ドイツ

 

黒田バズーカをECBに連想でユーロ安・ドル高

ユーロドルは8月以降大幅な下落が続く。米国の利上げ接近観測とECBの量的緩和で売り安心感。FRBのQE、日銀の黒田バズーカとの連想が働く。

20150326ユーロドル

 

ドル円は125円付近では頭打ちか

ドル円には162ヶ月の日柄あり。2012年2月が転換の応答日。125円付近ではいったん頭打ちとなる公算大。現在は95年からの上昇と並ぶ40ヶ月日柄に接近中。次の重要な日柄は62ヶ月経過となる2017年1-4月頃。

20150326円相場

 

米国株は波乱期へ

ドル高と原油安で企業業績は伸び悩む。利上げもあって米国株は波乱期に突入へ。超金融緩和のゆり戻しで大幅安となる公算も。

20150326一株利益

 

TOPIXの底は3月、8月、年末

今年は3年サイクルの安値を付けやすい。それを過ぎれば円安と共に07年高値を抜く動きに。3月、8月、年末近くに中期サイクルが底となりやすい。現在はオーバーランしている状態で反落に警戒。

20150326TOPIX

 

架空の高値更新、日経225

  • 日経225は単純平均指数。2000年4月以来の高値となるも、品薄値がさ株の寄与度が異様に高く、実態と乖離
  • 銘柄入れ替えにより値がさ株の動きが過剰に
  • 日経新聞のPERは時価総額ベース、現実の数字を表していない
  • 3月23日終値で時価総額ベースPERは16.20倍、単純平均ベースでは21.13倍で30%も割高。来期予想でも19.70倍
  • ヘッジファンドが操作していることに要注意。下にも振ってくる

 

 ROE重視で経営の視点が変わった

  • デフレ時代は手元資金確保が優先
  • デフレが終われば株主配慮にシフト
  • 経営効率が市場評価のポイントに
  • 過大な内部留保は逆効果、投資家の不評とM&A狙いの投機筋を招くことに
  • 手元流動性を減らすための自社株買いがブームに

預金と土地は↓ 賃金は↑

人口減少で預金と土地の価値は下落しよう。若者が減るので賃金は上昇、財政赤字は減らない。

20150326求人倍率

 

下値不安が最も小さい銘柄は?

総合商社大手、一足先にシェール開発損失処理を終えており、立ち直り早そう。下値不安が最も小さい銘柄の一つ。
来期予想EPS184円でPER7.2倍、配当利回り3.77%

20150326住商

 

秋のゆうちょ上場で注目される銘柄とは?

最大の民間金融機関として注目。ゆうちょ銀行上場の際に相対的割安感から注目される公算大。来期EPS80円、PER10倍。配当利回り2.0%

20150326三菱UFJ

 

*JAIIアカデミーレポートは今後、有料記事で掲載予定です。サンプルとして無料公開しています。

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