2015年株価予想・的中度ランキング
日経平均2万円超えで4割近くが早くも脱落!
ジャイコミで一番人気の記事は「2014年株価予想・的中度ランキング」。昨年末に公開したのだが、いまでも閲覧されているロングヒット記事だ。
そこで、読者の皆様のご好評に応えるべく、最新15年版の途中経過を紹介しよう。
使用するのは、『日経ヴェリタス』の2015年1月4日号に掲載された「相場アンケート 展望2015」。同紙では毎年、このアンケートを掲載しており、15年版は14年11月末から同年12月19日前後にかけて調査された。株式や為替のストラテジスト、エコノミストなど62人が回答している。
NYダウやドル・円相場の予測もしているが、ジャイコミが注目するのは日経平均株価の予測だ。アンケートで回答した62人のうち、日経平均の予測数字を回答しているのは57人いる。
4月10日、日経平均は15年ぶりとなる2万円に達した後、23日には2万252円の年初来高値を付けた。
これにより、アンケートで15年高値を2万円より下で予想していた22人、全体の4割近くが早くも予想レースから脱落してしまった。
昨年3位の三井住友・宇野氏、万年強気のさわかみ投信FMも脱落
脱落メンバーの中には、14年は予想精度で第3位だった三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏も含まれる。宇野氏は高値を10月・1万9000円、安値を2月・1万5000円と予想していた。
また、さわかみ投信の最高投資責任者兼ファンドマネージャー兼運用調査部長である草刈貴弘氏が脱落したのはちょっとしたサプライズではないか。というのも、さわかみ投信といえば「万年強気派」とも評される澤上篤人取締役会長のイメージが強いからだ。実際、澤上氏は昨年まで回答していたヴェリタスアンケートでも強気な予想で目立っていた。
東海東京の隅谷氏と大和証券の三宅氏の一騎打ち
一方、現時点での年初来安値は1月16日の1万6592円。もし仮にこれがそのまま15年の安値になるとしたら、予想レースは隅谷俊夫氏(東京東海調査センター投資調査部長)、三宅一弘氏(大和証券チーフストラテジスト)の一騎打ちとなる。高値はともに12月予想だが、隅谷氏が2万500円、三宅氏が2万2000円と異なる。先高
感があるとしたら、三宅氏が有利な展開かもしれない。
なお、最も高い予想株価を掲げているのは、武者陵司氏(武者リサーチ代表)と大和住銀投信投資顧問の門司総一郎氏(経済調査部長)。ともに12月・2万5000円としている。
昨年1位の河野氏は12月に2万1000円予想
もう一つ注目したいのが、14年の予測精度で1位だったBNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏の予想だ。高値12月・2万1000円、安値1月・1万6000円としている。
ヴェリタスのアンケートには答えていないが、河野氏と同じBNPパリバ証券の丸山俊・日本株チーフストラテジストは年初の時点で、日経平均の下値メドを1万7000円、年央および年末のターゲットを1万8000円と予想していた。
基本的にエコノミストである河野氏の専門は、マクロ経済や金融政策の分析。一方、株価などの市場見通しは株式ストラテジストである丸山氏の領域だ。証券会社に所属する株式ストラテジストは商売の関係上、どうしても相場に強気となる傾向が強いのだが、丸山氏よりも河野氏の方が強気というのは興味深い。
しかも河野氏は日銀の異次元緩和に警鐘を鳴らす論客として知られる。河野氏は日銀の異次元緩和による株バブルのにおいを嗅ぎ分けているのだろうか。
予想レースも「セル・イン・メイ」へ突入!
これから株式市場は、3月期決算企業の決算発表本格化と、相場格言「セル・イン・メイ(5月に株を売れ)」のシーズンへと入る。ギリシャのデフォルト危機再燃など、外部のリスク要因もちらつく中、市場はどういう展開を見せるのか。予想レースで残っている40人の市場予想の行方も引き続きウォッチしたい。
ジャイコミ編集部
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