映画「フィールド・オブ・ドリームス」とトランプVS連邦最高裁の判決の行方(第1018回)

公開日: : 最終更新日:2020/06/29 マーケットEye, 中級, 初級, 無料記事 ,

 私の大好きな野球もの映画。ロケ地となったオハイオ州北東部のダイアースビルの野球場はそのまま残されている。今年は8月13日にホワイトソックスとヤンキースの公式戦が行われる予定だったが、ご存じのコロナ大騒動。どうなったのかなあ。

 お話を簡単に。レイ(ケビン・コスナー)は小さなトウモロコシ農業を経営し、妻と娘の三人暮らし。ある日、天からの声を聞く。「If you build it、He will

 be come」(君がそれを決断すれば、彼がやってくるだろう)。レイはトウモロコシ畑を野球場にしてしまう。そこに現れたのは八百長事件で野球界から追放された名選手たちが次々と現れる。

 その中には大リーグで一打席しか立たなかった選手や、マイナーリーグの選手だった父まで現れる。

 借金がらみで農場全体が差し押さえきれそうになった。しかし、映画の結末で、夢を求めて野球を見たい群衆が続々やってくるシーンで終わる

 起こりえない夢が現実化した、という点で米国の今年の大統領選も同じだろう。1,2月まではバイデンが勝つなんて考えた向きはごく少数だった。

 ところが3月からのコロナ・ショックへのトランプの対応のまずさ、5月26日の黒人圧殺事件もあり、6月25日現在、バイデン50・6%、トランプ40・6%と10%も差がついている。

 実は、今週(6月29日~7月4日)に、トランプ大統領の運命を左右しかねないある決断が下される。米国連邦高裁の判決だ。6月中の判決がスケジユールとして決まっているので、この判決が出る日を私は心配している。

 判決は正確には、二つ。第一のワシントン地裁から上ってきた、米国下院が起こした数年間のトランプグループ財務諸表公開。第二がNY地検によるプレイボーイ誌の」モデルをしていた女性の口止め料に絡んだ取引中心の資料公開。

 トランプに対し最良のケースは①両方とも無罪②第一のケースが無罪で第二も有罪これだと陪審員に公開されるのみ、トランプ氏の大統領の地位には問題がない③下級裁判所への裁判差し戻し。これだと2年はかかるので、11月の大統領選に関係ない。

 最悪のケース。私が早くから警告してきたトランプ→ペンスへの政権交代。米国憲法修正第25条第4節にある「閣僚、主要委員会の長の過半が現職大統領の解任を決めた瞬間に副大統領が昇格する」という規定に基づく。

 問題は、判決が6月29日、30の両日に行われた場合のNY株式市場の反応だ。

 今はコンピューター運用が多い。トランプ落選、バイデン当選の確度が上昇したというニュースが入った途端「バイデン=法人税21%→28%への増税=S&P500種の一株当たり利益8~9%の減少。まあ9%、2300ドルくらいの下落、と少なくとも計算上は、ありうる。言葉を変えていえばバイデン暴落である。

 ついでに言うと、米民主党はパイプライン施設に猛反対しているから、シェール関連株にも下落が起きる。

 今の日本のTVはボルトン暴露本と、連日の暴動に、支持率の差を含めて、トランプ落選→安倍退陣を暗示する番組を作っている。

 ひとこと、イチャモンをつけさせて頂く。前記した危機説と矛盾するが。トランプ当選の可能性は、実は少なくない。

 まず、一般的な世論調査はベタに市民に連絡して結論を出す。暴動を参加しているアフリカ系市民は投票権がないか、投票所に行かない。「投票所に必ず行く」「行くつもり」と回答した有権者でトランプが3~5%有利。

  また選挙資金もトランプ有利。2億5000万ドル、バイデン6000万ドル。演説や討論で相手を攻撃するネタが出れば洪水のようにTVのCMの放映。何倍ものレートで。選挙終盤でこれがモノをいう。(勿論、6月中の判決の打撃がないか、極めて少ないことが前提だが)。

 現職の有利さもある。対中国攻撃は米国世論に支持されているし、「オバマゲート」でも攻撃できる。この件ではバイデンの息子と民主党の複数の幹部が中国との利権で調査されているので、マスコミはこれで目一杯、実質的にトランプ支持の番組を流さざるを得ない。

 結論。今週中に出るであろう連邦最高裁の判決に目を凝らすこと。

 映画のセリフから。主人公は次の天の声を聞く。「彼の痛みを取り除け」。そこで作家のテレンスにあって自分の声の話をする。テレンスが言う「わしもそういう情熱が欲しい。たとえ方角が間違っていても情熱は情熱だ」。今や中国は間違った情熱で、世界を支配しようとしている。その迷惑な国を押さえるには、やはり米国の力が必要だし、安倍さんの力も必要。

株価の方だが、バイデン暴落がなければ、金融緩和プラス業績の回復期待。株高には理想的な環境だ。一高一低はあっても、上昇基調は変わるまい。日米とも同じ。

秋の総選挙のうわさは株高のいい材料だ。2万4000円の壁を破るのではないか。

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