映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」と有望な日本株選
今井澂・国際エコノミスト

 

1979年の近未来SF「マッドマックス」シリーズはメル・ギブソンの名とともに記憶に残る。それが15年ぶりに同じ監督で作られた。どう考えてもダメ企画で、メル・ギブソンも降板したとか。

ところがとんでもない大傑作で、ある批評家は「ジョン・フォードの『駅馬車』のアパッチ襲撃シーンがほぼ全編を貫く」と書いたが、その通り。歴史に残るアクション映画だ。私は3Dで2度見た。

舞台は灼熱の砂漠。狂ったグロテスクな独裁者が乏しい水を独占している。マックスは捉えられ血液の供給源として同行させられる。ところが独裁者の5人の妻を女性の大隊長フェリオサが、盗んだ車で連れて逃走、故郷に向かって決死の逃避行が始まり、マックスも協力。荒野を爆走して逃げる車を隊列を作って独裁者たちの戦車が追いかける。スリル満点の展開で息もつかせない。

フェリオサを演じたシャーリーズ・セロンは、頭は剃り上げ顔はグリースで黒く塗り、左腕は肘から下が金属の義手だが、それでも美しくカッコいい。

延々とつづくカーチェイス。観ながらもう何ヵ月も続いているギリシャとEU首脳、ECB、IMFとのチキン・レースを思い出した。

 

ついに6月27日にチプラス・ギリシャ首相は7月5日の国民投票を宣言した。世論調査では3分の2のギリシャ国民はEU残留を望んでおり、私が従来から可能性60%と予想していた「結局は離脱せず」でおさまりそうだ。

もう一つの頭痛のタネの上海株式の方も、中国銀行がまた金利を引き下げを断行、予想通りとりあえずは破局回避だろう。

そうはいっても月曜からの1週間は、デフォルト不安とか中国経済崩壊説とかで、株価も債券利回りも波乱の展開になるかも。

それでも、そう、それでも(このブログの読者はご存じだろうが)NYや欧州株がどうなろうが、東京株式市場の上げ歩調は変わらない。

日本株は大丈夫・・・だが危ないあの欧州銀行

金融が緩んでいて、企業業績は上伸、株価水準指標(例えばPER,PBR)は割高ではなく、しかも買い手となる公的資金は次から次へと出てくる。外国人機関投資家の日本株への買い意欲は強い。だから、大丈夫。

ひとつだけ心配がある。NYのヘッジファンドのマネジャーが「第二のリーマン」と予想して売りポジションを張っている欧州超大手銀行の経営危機説がある。

名前はあえて書かないが、世界の為替市場取引の16%を占める銀行というとおわかりだろう。

リーマンの場合は6月に格付け会社がAAマイナスに引き下げたのがあの倒産の前兆になった。この欧州の銀行はBBBプラスでリーマンより低い。

しかも同行のCEOが退任を6月に発表。このほか①銀行業界のストレステストに不合格②LIBORの操作疑惑で英米当局と和解して21億ドル支払い③80億ユーロの持ち株を30%引きで売却、資金繰り逼迫を噂された、など。不安感が強い。

同行は昨年末時点で52兆ユーロのデリバティブ残高を持っており、債券や為替市場の動き次第では巨大な損失が発生するかもしれない。

外国人比率が5%以上増加した割安銘柄18

それでもイマイさん、強気なの?と聞かれそう。しかし最近出たばかりの四季報などから外国人大手機関投資家の日本株大量買いがわかると、弱気になれない。

例えばブラックロック。ファナック、日本取引所、Jパワーを発行済み株式の5%以上購入し、NECと日本エアーテックを5%から6%以上に買い増した。

外国人持ち株増加率も5%以上増加した銘柄が88も。上位の銘柄でPERが8~12倍と割安な銘柄は次の通り。ミクシイ、タクマ、OKI、神戸鋼、川崎汽船、山一電機、ツガミ、タカラレーベン、千代田インテグレ、北川鉄工、三協立山、村上開明堂、愛三工業、エスケーエレクトロ、JUKI、フージャーズ、サンヨーハウジング、東京ラジエーター。(時価総額 100億円以上。ソース四季報オンライン)。

 

映画のセリフから。主人公マックスの冒頭のナレーションだ。「世界の終りとともに、オレたちはみなコワれた。オレとほかの連中のどっちがより狂っているのか。オレには分からない。」この世の中、コワーい話はヤマほどあるが、日本が復活しつつあり、その流れが株式市場にあらわれているという私の見方は変わらない。(ついでに。私は狂っていない。)

映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」と有望な日本株選(第780回)

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ

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