映画「シン・ウルトラマン」とロシア戦費の枯渇。したたかな日本経済。日本株の6月末の買い場を狙う作戦。(第1120回)

興行収入が素晴らしいと聞いた。かつて、私の息子たちに「ウルトラマン」の主題歌を歌ってやった記憶から、観る気になった。

「シン」がつくシリーズがあると初めて聞いた。

確かに「シン・ゴジラ」「シン・仮面ライダー」とか。ご存じのとうり、ストーリーは単純である。

ある日から日本に巨大な生物が次々と出現し「禍威獣」と命名され、対策チームの「禍特対」が発足する。そのメンバーの一人に

が異星人が取り付く。

巨大怪獣をやっつける異星人、という構図は不変。

国外から侵入してきた外敵を追い払う、あるいは殺すという構図を見ると、ウクライナに対するロシアの侵攻がいつ終わるかという点に、関心は集中する。

その点、戦費が枯渇する、というストーリーが、一番ありうるシナリオだろう。

ロシアの産出する原油は「ウラル原油」と呼ばれ中質、硫黄分1%以上なので、軽質のものより安い。差額は通常バレル当り3〜4ドルだった。

現在は41ドルと、北海ブレンドとの値ザヤが拡大している。ウラル原油が世界中で敬遠されていることを示す。しかも欧州諸国は年末までに90%ロシア原油の転入を削減する。

JB PRESS 6月10日付の杉浦敏広氏の論文から引用した。以下も同じ。

グラフ, 折れ線グラフ

自動的に生成された説明

一方、ロシアの国庫収入の主力は、石油ガスなどである。(上のチャート参照) 

現在バレル73.2ドル(6月現在)、予算案の62.2ドルを下回れば、国庫は赤字に転落する。

著者の杉浦さんは、「戦費膨張で国庫はまもなく払底」するとみて「欧米の対露エネルギー制裁は効果大」。プーチン失脚もありうる、と結論づけた。

さて、本題である日本株の投資作戦(銘柄を含む)に入る前に、かなり堅調な日本経済についてふれておこう。

チャートは「エコノミスト 6月21日号」のスフィンクス・インベストメント・リサーチ代表取締役 藻谷 俊介さんの作成したもの。ウクライナ戦争によるインフレ、中国のロックダウンなどの悪材料にもかかわらず、日本の生産サイクルは上向き。

しかも当面上向き続ける。

グラフ

自動的に生成された説明

一方、インフレも東京都区部でいうと4月の3.2%を頂点にしてピークアウトした。

グラフ

自動的に生成された説明

別の表現をとるならば、やはり日本経済はしたたかだ、ということだ。

さて、当面の投資作戦に入る。

いちよし証券のテクニカルアナリストの高橋幸洋さんによる1月上旬に信用取引の買い残がピークをつけた一流の電機株の投げを狙う買い作戦が良い。

たとえば日立製作所(6501)、ソニーグループ(6758)、富士通(6702)、東京エレクトロン(8025)。

6月下旬の損切りの投げを拾うのが、投資作戦としてはベスト。1週間目に半分、2週間目に半分、買うと完全に底値を買える。酒田五法による3空叩き込み。つまり買い方の投げで底を入れたところを買う、という作戦だ。

私は明年には3万円以上を見込んでいるのはご存知の通り。十分な利が狙える。

申し上げる迄もないが、推奨ではない。ご投資への勉強のための材料としてこのブログは書いている。

最後にシン・ウルトラマンの名ゼリフでシメる。

「為せば成る。成さねばならぬ、何事も。やってみるだけだ。」

関連記事

知っておきたい債券税制の改正点

日本個人投資家協会副理事長 岡部陽二 2016年1月から債券・債券投信についての税制が大幅に改正さ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「オールド」と米国のアフガン撤退で地下資源獲得し有利になった中国の落とし穴(第1078回)

スリラーの鬼才M.ナイト・シャマラン監督作品の恐らくベスト 。秘境のビーチを訪れた数人の社会的エリ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

画「眼下の敵」とウクライナ侵攻の終りを読んで動き出した投機筋。そして商社株と金価格(第1106回)

米駆逐艦と独潜水艦が秘術を尽くして戦ううちに、艦長同士がまだ見ぬ敵を尊敬し合うという物語。

記事を読む

木村喜由のマーケット通信
緩和マネーの逆流が始まった
これまでの株高は債券市場から逃げたお金の玉突き現象

 日本個人投資家協会 理事 木村 喜由 前回、債券相場の下落を伝えたが、そのきっかけとなったのは、

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「オール・ザット・ジャズ」と市場が織り込み始めた意外な近未来

 BSで久しぶりに見たらなんと3回も!繰り返して観た理由は、圧倒的なダンスシーン、それにロイ・シャ

記事を読む

PAGE TOP ↑