映画「オン・ザ・ハイウェイ」とJPX400採用銘柄
今井澂・国際エコノミスト

公開日: : 最終更新日:2015/07/07 マーケットEye ,

「オン・ザ・ウェイ」の主演トム・ハーディは先日「マッドマックス」で観て、今週は「チャイルド44」でも主演。なかなか演技力のある俳優だし、ひとりきりの映画というのはあたりはずれがない、佳作だった。

ロンドンへ向かう高速道路を走るBMWの中が舞台。工事の現場監督をしているアイヴァンが本来バーミンガムの自宅に帰るはずが、何と自分が過ちから妊娠させた女性の出産に立ち会うべく、車を走らせている。なにも知らなかった妻への告白と狂乱。工事責任者の怒り。明朝の大仕事を押し付けられた若者の当惑。その中で「オレはやるべきことをしているんだ」と自分に言い聞かせながら走る。その間に仕事と妻と子供二人を失っていることに気が付きながら。

https://youtu.be/Q4efmXGoGis

このブログは毎週日曜日に書いているので、ギリシャの国民と投票の行方はまだわからない。ただカケの比率から推測するとギリシャ国民はEUの緊縮策を受け入れないままにまたまたヤマ場は先送りでという形だろう。ただし、一時のショックはあるもののNY株は上昇。投資家のポジションはもう知れている。一方、第二・四半期の決算発表があるがエネルギー関連を除くと増益。映画のように、一見、何事もなく走る車に似ている。中身はいろいろと問題含みでも。

 

中国株の破局はまだ先

中国株は30%も下がるとようやく新聞やTVで取り上げ始めたが、昔から「3割高下に向かえ」という。アヤでも反発に入るころだ。

中国首脳がまだ大丈夫、と思っている証拠に、習×李両首脳とも外遊中だ。昭和30年代後半の日経平均1200円防衛とおんなじことをやっている。共同証券設立による大量買い、IPO停止などなど。中国経済の破綻はまだ先、2017,8年のこと、と予測してきた。

金利引き下げの下限にはまだ間があるし、信用取引の証拠金率の引き下げとか、なんでもありの世界だから、まだ一部の人が「期待」する破局には、十分な時間がある。「爆買い」銘柄のラオックスも上がっているし。

 

もちろん、まだウクライナ、ロシア、中東、特にISのテロとか、オッカナイお話しはヤマほどある。私がひょっとすると「第二のリーマン」になるのでは―と思っている某銀行の話もあるし。

それでも、私の日本株強気は変わらない。7月3日にユニクロの販売不振で日経平均を100円以上押し下げたが、結局17円高。ということは除ユニクロなら上昇。円レートに円安忌避ムードが強いので輸出関連よりも建設、食品など内需物が強い。外国人は銀行株の大手。

注目のJPX400入れ替え銘柄

今週はJPX400の8月の入れ替えに注目したい。個人投資家協会の木村喜由さんによると、入れ替えに絡んで新組み入れ予想銘柄は上がり、外れの方は下がる。全体としてのJPX400は夏場には伸び悩む傾向がある、とか。事前に新規採用買い、外れ銘柄売りが6,7月に盛行するから、だろう。

証券会社アナリストの腕の見せ所だが「会社四季報ONLINE」7月3日号が出し入れ銘柄を予想している。

今季、来期ともROE5%以上、過去3期の営業利益合計300億円以上、時価総額1000億円以上。

これで見ると―

日本ガイシ(5333)、東京エレクトロン(8035)、住友化学(4005)、NEC(6701)、神戸製鋼所(5406)、ネクソン(3659)、ミクシィ(2121)、ヤオコー(8279)、日本精機(7287)

一方、除外される銘柄の方はー

アイフル(8515)、出光興産(5019)、日本マクドナルド(2702)、日本電気硝子(5214)、ジーテクト(5970)

買わない言い訳、買う直感

私が前回も今回も注目銘柄リストを中心に書いた理由。それは「森を見ないで木を選べ」という方針にのっとって書いている。あまり最近報告されないが、ISやアルカイダのテロが激増している。オバマ大統領のいい加減な中東政策のつけ回しが出来たので少しも驚かないが、かつての911のような大テロならー。

私は日本の投資家は「だから株を買わない」という言い訳をしていると思う。しかし、ROEの重視、明るい企業収益見通しやコーポレート・ガバナンスの変革を高く評価している外国人だけがオイシイ思いをしている事実をどう見るか。

明治維新の文明開化論。横浜の古道具屋に広重や歌麿の浮世絵が文字通り二束三文で売られていたそうな。それを外国人が素晴らしいと直観して買っていった。だから浮世絵の傑作はボストン美術館にある。我々の先輩たちの失敗を、今投資の世界で繰り返そうというのか。残念でならない。

映画のセリフから。主人公が自分に言う。

「オレは間違いを犯した。だが、このオレの向かっているのが破滅じゃないことを知りたいんだ。」破滅に向かっているゾとオドかす人は数多い。コトが本当になったら、そのあとで「当たっただろう」と自分の予言を誇りたいのだろう。

私は危険そのもの迄は否定しないが、考えてみれば日本人は地震だのツナミだの、危険と一緒に暮らしている。映画の主人公には将来への希望が暗示されて終わる。楽観を言うには努力が必要だが、私は依然強気だ。

映画「オン・ザ・ハイウエイ」とJPX400採用銘柄(第781回)

*今井さんから6日月曜の4時半に差し替え原稿が届いていましたので一部修正しました。

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