「しんがり 山一證券最後の12人」とやっと越したカベ

 

今週は「ドローン・オブ・ウォー」を観るつもりだったが夜9時半上映で終了11時半。これじゃあ、ねぇ。ヤーメタ!

そこに知人が「アエラ」で例の「しんがり」の女性版を何回にも分けて清武英利さんが書いてますよ」と。

WOWOWでのTVドラマ化も日曜ごとに観ている。来週最終回。

 

「しんがり」は実名で山一證券の自主廃業の真相を精細に描いたと評判になっている。私も2013年の刊行時にすぐ買って読んでずいぶんと耳新しいことがあった。

山一破たんの背景

私が証券から銀行の世界にスカウトされたのは1989年4月。巨額な不良資産形成は91年以降だったから私は「飛ばし」は知らない。

しかし「山一の首脳には危機を直視したくないという、気弱で無謀なところがあった」とか「(法人営業の)暴走営業は堅気がやることではなく『株屋』と呼ばれた世界のヤクザな商売であった。経営破たんはその帰結だった」「会社を怪物にしてしまうのは、トップ(ワンマン行平)であると同時に、そのトップに抵抗しない役員たちなのである」。正しい分析、というほかない。これらがあの「飛ばし」などの法律違反を犯した背景なのだから。

 

私は当時、テレ朝のサンデープロジェクトにレギュラー出演していたが、司会の田原総一朗氏が、「山一破たんをどう思います?」と聞いたので「昭和40年のときには特別融資している日銀が、元経営者の私財まで提供を迫ったのに、何で今回は甘いんでしょうねえ」。すぐに恐らくドンの命令からだろう。後輩の取締役が私の動きを調べにやって来た。

そのドン行平次男の先代社長・横田良男や中興の祖と言われた植谷久三の各氏の権力を巡っての確執を知っていた私は、「カタギ」でない一面もワカっていた。業界一位から四位になる間に起きたことも。

節目を超えた。大台突破も遠くない

また、イマイさん、ゴロ寝のいいわけですか?

とんでもない。今回、株価は大事な大事な節目を10月21日にこえた。少なくとも1万9200円近辺まではかなり速く、2万円の大台突破もさほど遠くのことではあるまい。目先はやれやれで少し安いだろうが。

それは、どうしてもここひと月近く抜けなかった日経平均1万8468円の9月17日についた高値のカベを、21日に突破したからだ。

ご存じの通り私はテクニカルアナリストではない。しかしシロウトのチャート読みでも6,8月の2万円以上から、9月8日の1万7415円まで下げ、その後戻ってブチ当たったカベが前記の1万8468円だったことはわかる。

これがまた壁にはね返されてさがったら、9月29日の1万6901円をとりにゆく。怖や怖や。

買い材料は山ほどある

では、何かいい材料があるのか。需給面だろう。

10月第2週。外国人は9週ぶりに買い越し。7,8,9の三カ月で売りのトータルは5兆2370億に達した。買いは9886億円だから差引き4兆2484億円。これだけ売れば外人の売りはもう手持ち玉は相当減ったはず。

そう見ていたら10月第2週5211億円の買い越し。その後も買っている。

21日の引け際の上げ幅は、大きかったが、これは毎日の売買高首位が定席の「日経レバ」(日経レバレッジ・インデックス連動型ETF)が引け際の売買の三分の一を占めるためだ。残高8000億円。この平均買いコストが前記のカベであり、これを抜いたということは、買い方の回転が効いてきて、上昇ペースが速くなるということを意味する。

私は日経レバを買ってみたいと思って聞いたら、16日から設定を一時停止、だそうな。どうせマーケットのことをワカっていないお役人が、やったのだろう。

黒田バズーカ3、日本郵政上場、第八のクジラ―。買い材料はヤマほどある。外国人とくにHFは11月20日の決算まで恐らく動けないだろう。

結論。私は強気だ。

 

「しんがり」には山一社員のつくったチェッカーズのヒット曲「涙のリクエスト」の替え歌がある。作詞野澤正平(もちろんウソだろう)

「最後の株価に祈りを込めてミッドナイト役員会

ダイヤル回す大蔵に伝えてもうダメだよと

東証のマイクのボリューム上げて初めてひとり

叫んだセリフ 廃業なんて冷たすぎるぜ ひどい仕打ちさ

三木が贈った多大な損失、今では違う誰かの債務

いいや行平と馴れ合いながら 哀しい俺を笑ってくれよ

涙の記者会見 最後の記者会見

涙の記者会見 最後の記者会見

フォーユー」

 

私は日債銀時代、たしかスイスで山一の現地支店長に「先週来ていた三木社長が、イマイさんに相場をどう見ているか、聞いといてくれ、と言ってました」と言われた。巨大な不良債権をどうしたらいいか、悩んでいたんだろうなあ。昭和43年、三木氏と選抜されて、ふたりでウオール街にトレーニーとして派遣された時のことを思い出した。いまは故人。合掌。

「しんがり 山一證券最後の12人」とやっと越したカベ(第797回)

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ

関連記事

【初・中級者向き】映画「終わった人」と骨太の方針の読み方と私の大きな夢

  2018・6・17 舘ひろし主演でとても評判がいい。「定年って生前葬だな」

記事を読む

気になるチャート
外国人は日本株を見放そうとしている?

ジャイコミ編集部 気になるチャートをチェックしてみようというこのコーナー。 今日、東証から投資主

記事を読む

【初・中級者向き】映画「ヴェノム」と世界的急落が予告する新冷戦不況(第929回)

2018・10・14 11月2日に上映開始になる超大作で、週刊文春がシネマ特別号を出し「完全保

記事を読む

【初・中級者向き】映画「知りすぎていた男」と想定外のリスク

2017・3・20 先々週ヒッチコックの名作を書いたら、何の因縁かBSで56年の「知り

記事を読む

【初・中級者向き】映画「アトミック・ブロンド」と中国党大会人事と「北」制圧

2017・10・29 「007」のジェームス・ボンド、「ミッション・インポシブル」のイーサン・

記事を読む

ジャイコミメンバーの特典


メンバー登録はこちら

投資歴40年のベテラン投資家等による
他には無い、生涯の資産運用に役立つ、
本物の投資家によるマーケット情報!

投資家・経営者・業界のプロ達も読む
(有料記事の執筆者紹介はこちら)

ジャイコミをフォローしよう


ジャイコミをフォローしよう
 


メディアとは異なり、利害関係が無いNPOだからできる唯一の中立な情報サイト
『真の情報を、数多くの人々に広める』
  • より賢く、豊かで自立した投資家を育てる

    by NPO日本個人投資家協会
PAGE TOP ↑