映画「家族はつらいよ」とヘッジファンドとクジラとの戦い

山田洋次監督の最新作。私は「サンデーモーニング」のレギュラーだった頃TBSでお会いした。CMの間に「馬鹿」シリーズのハナ肇をほめたら、心から嬉しくそうなお顔をされて、番組が終わって名画の話に花が咲いたのを思い出す。

前作「母と暮らせば」が魂のこもったシリアスな作品だったが、今回は監督が恐らく本当にお好きなコメディ。「東京家族」のキャストが再結集して、楽しいホームドラマにした。

平田家のあるじ周造は、妻の富子の誕生日も忘れて飲み歩くほどハタのことは全く考えないオヤジ。富子から離婚届を突き付けられ、判を押してくれ、と。本人にも子供たちにも晴天のヘキレキ。一家に激震が走る。

SWFは日本株を売り切った

昨年の「夏の嵐」以降、産油国のSWFの売りと思われる現物株売りが、ヘッジファンドにより先物との合わせ売りになって、大幅下げを演出した。現在でも売りは続いている。

3月18日までの売り越しは、2008年の金融危機どころでない。昨年の夏の嵐と合わせると14兆円にも達している。

産油国のSWFはある調査では4兆ドル(440兆円)の資産総額で、日本株は私はせいぜい3%と考えているから、もうほとんど売り切ったのではないか。

というのは、私自身が中東でSWFに売り込みをしていた経験から、中東の投資家は不動産とくに高級住宅地やホテルを主力に投資。株や債券は中心は米欧と考えるからだ。

米欧はまだ売られる

ただ、NYやEU、ロンドンの方はまだ売りは残っているだろう。

三井物産戦略研究所の星野直弘さんの推計では、財政赤字の補てんが昨年同様な国債発行と仮定すると2016年に926億ドルの資金引き揚げ、つまり売りで、11兆円という予想だ。

ただこの数字はIMFの「バレル50・4ドル、財政赤字1585億ドル、経常赤字356億ドルの試算がベース。現実にはまだバレル40ドルがやっとだから、もう少し売りは多いかもしれない。しかし、私は東京株式市場については、昨年のような恐怖感さえ感じさせる売り玉は出ないのではないか。

一方、GPIFや三つの共済組合、日本郵政グループなどの「プールの中のクジラ」それに日銀によるETFは合わせると12兆円の買い余力がある。

3月末に買いが高まる

ただ、日銀のETF買いが必ず公表されるが、3月は8日、9日以外、買いの手を入れていない。3月31日まで、と考えると今週に買いを入れるはずだ。すぐ外れる予想はするもんじゃないが、GPIFの大赤字を少なくする。機関投資家だって3月期末の株価は高いほどいいに決まっている。買い方の力は高まるはず。4月以降も上げ相場、と見る。

問題は円レート。3月22日の最新数字は円ロング(買い)8万3000枚、売り2万9000枚で差引き5万3000枚。買い越しは前週比8000枚近く拡大している。

先週も書いたが、前途にワシントンの政情不安という大ドル売り材料を控えているから、当分円売りには戻らないだろう。だから、買い方を押さえ込む売り作戦をヘッジファンドはとるはずだ。上げ方は歯がゆくなるくらいスローテンポだろう。

そうなったら、有望テーマの関連中小株がいい。ロボット、人工知能、自動運転、リチウム電池など電気自動車、ドローン、それにフィンテック。

円高という株高への不協和音

映画のセリフから。

ピアノ調律師をしている次男(妻夫木聡)が言う。「ショパンのピアノ曲の楽譜をよく見るとね。不協和音が沢山使われているんだよ。つまり、不協和音は美しい音楽を作るために必要なんだ。」

円レートだけが、いまのところ株高への不協和音だ。それでも株高という美しい音楽の差しさわりになるほどではないだろう。

映画「家族はつらいよ」とヘッジFとクジラとの戦い(第819回)

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